OPINION
COVID―19 感染対策と診療の両立
小林 竜
1
1日本赤十字社医療センター腎臓内科
pp.1599-1600
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001551
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私なんぞが緒言を述べるというのは大変憚られるのだが,せっかくこのような機会をいただいたので,自由に述べさせていただこうと思う.2020年初めから新型コロナウイルス感染症(COVID―19)感染者が増加しはじめ,2月にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が横浜港に帰港し,私のいた神奈川県の医療機関を中心に受け入れが始まった.COVID―19患者の受け入れ・院内感染対策・病院システムの変更に追われる日々だった.そんななか,4月には都内の日本赤十字社医療センターに異動となった.周知のとおり,東京は3月下旬から急激にCOVID―19患者が増加しており,まさにCOVID―19流行の最前線に常にいるような状況だった.通常であれば,歓迎会・送別会などのイベントや飲み会を行うのが常であろうが,この流行状況では当然開催することはできないまま,日々の診療を行わなければいけない.研修医がローテートするたびに多職種で飲み会をやっていた昨年度と比べると,私のような新参者にとっては,コミュニケーション不足のなかでの多職種での診療は,上手くいかないことも多く,最初はやきもきしたものである.飲み会の席でしか話せないようなくだらない話,日頃言えないような文句・愚痴というのは,コミュニケーションを深めてチームワークを向上させるという点で診療にとっても重要であることを再認識した.そんななか,当科医師みんなでオンライン飲み会を開催したことも一体感を感じることができ,貴重な体験だった.
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