特集 高齢透析患者の栄養管理
[コラム]透析中の栄養補給
市川 和子
1
1川崎医療福祉大学臨床栄養学科
キーワード:
栄養補給
,
透析中
,
外来透析食
Keyword:
栄養補給
,
透析中
,
外来透析食
pp.1685-1686
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001565
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最近では,透析患者において透析日と非透析日では食事摂取量に差が生じることはよく知られるようになってきた.とくに午前透析患者では,4〜5時間の透析が終了して帰宅してから食事となると14時や15時になる人も少なくない.透析日と非透析日では,エネルギー量では体重kg当り1.5 kcal,たんぱく質では0.05 g少なくなっている.つまり透析で糖やアミノ酸などが除去された後,数時間も飢餓状態で経過することになる.この飢餓状態が異化亢進を助長させるのではないかと考える.一方,なかには独自の透析食を提供している施設もある.われわれの調査では,透析終了後30分以内に透析食を食べている患者の栄養摂取量は,透析日と非透析日を比べると提供しない施設とは逆に透析日のほうがエネルギー量は体重当り約1 kcal,たんぱく質では0.06 g多くなっていた.さらに透析食を摂取している患者のアルブミン値は3.7 gと非摂取患者と比べ0.4 gも高かった.透析日の昼食を透析終了後早期に摂取することは,栄養面からみて有効であると考えられる.
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