特集 血液透析導入の処方
7.血液透析導入時の抗凝固療法
安藤 亮一
1
1医療法人社団石川記念会
キーワード:
抗凝固薬
,
未分画ヘパリン
,
低分子ヘパリン
,
ナファモスタットメシル酸塩
,
ヘパリン起因性血小板減少症
Keyword:
抗凝固薬
,
未分画ヘパリン
,
低分子ヘパリン
,
ナファモスタットメシル酸塩
,
ヘパリン起因性血小板減少症
pp.179-186
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002459
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血液透析導入時は,血小板機能異常,血管脆弱性,貧血などにより,一般的には出血傾向を示す.計画導入でない場合は,これらの異常が顕著にみられることがある.出血リスクが低い場合の透析中の抗凝固薬は,日本や米国では,未分画ヘパリンが一般的であるが,欧州腎臓学会のガイドライン(EBPG)では,低分子ヘパリンが使いやすさや副作用の関係で第一選択となっている.出血リスクが高い場合,欧米では,無凝固薬透析や限局化クエン酸が推奨されているが,日本では,半減期が短く,全身への影響が少ないナファモスタットメシル酸塩が選択される.ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)では,未分画ヘパリン,低分子ヘパリンのいずれも原因となるので,ヘパリンを中止し,ナファモスタットメシル酸塩あるいはアルガトロバンに変更する必要がある.
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