糖尿病診療マスター 11巻1号 (2013年1月)

特集 糖尿病治療薬アップデート―最近の進歩を知る

Ⅰ糖尿病神経障害治療薬

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 糖尿病神経障害(diabetic polyneuropathy:DPN)は激しい疼痛や潰瘍,壊疽から足の切断をもたらす厄介な合併症である.多くの疫学的研究が,DPNについて長期にわたる高血糖の成因的役割を明らかにしている.現在のところ,高血糖の是正への対処以外にはいまだ確立された予防,治療法は見出されていない.したがって,早期から神経障害の異常をとらえ,積極的に対処することが,DPNの最も適切な治療法となる.しかしながら,現実には多くの患者で神経障害が無症状のまま進展し,神経線維の大幅な脱落を伴う症候性神経障害へ進展し,初めて治療の必要性を覚えることになる.このギャップが,神経障害の治療を難しくしている最大の理由である.

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 糖尿病神経障害(diabetic polyneuropathy:DPN)の治療には,発症・進行抑制と対症療法の2側面がある.前者に関しては血糖コントロールの重要性が欧米の大規模スタディによって相次いで確認され,高血圧や脂質異常の関連が推定されるに及んでいる.また,アルドース還元酵素阻害薬エパレスタットはポリオール代謝経路の是正作用による神経変性進展抑制作用がほぼ確かめられている1)

 一方,DPNにみられる不快なしびれ感と疼痛,すなわち末梢神経障害性疼痛(neuropathic pain:NP)に対しては,表1に示した種々の薬剤が使用されてきた2).いずれも末梢神経系あるいは中枢神経系の痛覚伝導を抑制するが,有効投与量と副作用発現投与量の差,すなわちtherapeutic windowが狭く,その使用には習熟を要した.最近,従来薬に比べてより高い安全性と有効性が期待されるα2δカルシウムチャネル遮断薬プレガバリン3, 4)とセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)デュロキセチン5)の2剤が相次いで臨床現場に導入され,NPのコントロールは飛躍的に容易になった.糖尿病神経障害を含む各種末梢神経障害を扱う筆者の外来での経験をもとに,DPNのNPに対するプレガバリンとデュロキセチンの実際的な使い方や他剤との違い,使用上の留意点についてまとめてみる.

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糖尿病網膜症による視力障害とそのメカニズム

 糖尿病網膜症(網膜症)は日本における失明原因疾患の第2位にあたり1),働き盛りの中高年齢層に発症することで中途失明をもたらし,人的資源の喪失という観点から大きな社会問題となっている.網膜症による視覚障害(視力障害)をきたす機序には2つがあげられる.1つは増殖網膜症による硝子体出血または黄斑部の網膜剥離,もう1つは糖尿病黄斑症(黄斑症)である.

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はじめに

 糖尿病治療にインクレチン関連薬が登場してわが国の糖尿病治療は海外と同様に大きく変わったといっていいだろう.国内では,DPP-4(dipeptidylpeptidase-4)阻害薬であるシタグリプチン(ジャヌビア®,グラクティブ®)が2009年12月,GLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬であるリラグルチド(ビクトーザ®)が2010年6月に初めて発売され,現在両タイプの薬剤はそれぞれ3種類,6種類が承認されている.なかでもDPP-4阻害薬は日本の製薬会社により開発されたものが,2種類含まれており,処方可能なDPP-4阻害薬の種類は世界で最も多い(表1).

 本稿では,最近の動向を踏まえてDPP-4阻害薬をいかに使うか,わが国の糖尿病治療における同薬の位置づけについて考えてみたい.

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 2型糖尿病の病因の一つに膵β細胞の容積の減少がある(Tips 1).ヒトにおいては30~50%程度のβ細胞容積の減少が知られている1~3).その機序には高血糖からの糖毒性,脂質異常からの脂肪毒性が想定されている.しかしながら,糖毒性,脂肪毒性を軽減することのみでβ細胞容積が回復するかとなると,話はそう簡単ではない.例えば,インスリン分泌の改善を促進するスルホニルウレア薬,インスリン抵抗性を解除するPPARγアゴニスト,脂質異常の改善を目的としたスタチンの投与によっても,2型糖尿病におけるβ細胞容積の改善は達成されていない.このことは,β細胞容積改善,保護には従来の経口薬による2型糖尿病治療薬による血糖や脂質のコントロールだけでなく,さらにβ細胞の保護,増殖を促すプラスアルファが必要であることを意味している.

 インクレチン治療はβ細胞を標的とした治療である.インクレチンにより,食事摂取後のインスリン分泌の増加が起こる.げっ歯類のさまざまな糖尿病モデルにおいて,同時にβ細胞容積の脱落阻止もしくは回復を達成している.インクレチンに対する最も大きな期待は,多くの糖尿病治療薬では達成されていないヒトにおけるβ細胞容積の保護,増加である.そのためには,ヒトにおけるβ細胞の増殖動態を知ることによりインクレチンによるβ細胞保護効果について理解しやすくなると考えられる.

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治験データから

◆DPP-4阻害薬

シタグリプチン(ジャヌビア®,グラクティブ®

 食事・運動療法により十分な血糖コントロールが得られない日本人2型糖尿病患者117名に対してシタグリプチン50~100 mgを1日1回単独経口投与させた結果,52週にわたりHbA1c低下作用を認めている1)(図1).また,ボグリボース,ピオグリタゾン,メトホルミン,グリメピリド,インスリン製剤(混合型,中間型,持効型のいずれか単剤)との併用試験においても,各々で52週間にわたるHbA1c低下作用を認めた2)

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 GLP-1アナログ製剤は,単剤では低血糖が少ないこと,食欲抑制,体重減少効果,抗動脈硬化作用やβ細胞保護作用が期待される薬剤である.ただし,すべての2型糖尿病患者に有効ではなく,対象の見極めが必要であるが,十分なエビデンスはまだない.一方,インスリン製剤は低血糖や体重増加といったデメリットはあるものの,患者の対象範囲が広く,合併症,併発疾患,妊娠時,sick day時など,幅広く使用でき,マルチプレイヤーの薬剤といえる.

 本稿では,まだ十分なエビデンスは揃っていないが,インスリン製剤とGLP-1アナログ製剤の使い分けについて,臨床的な観点から解説したい.

Perspective◆展望

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■糖尿病診療におけるエビデンスの創生

 1993年,DCCT(Diabetes Control and Complications Trail)の結果が発表された時の興奮は忘れられない.私はちょうどジョスリン糖尿病センターメンタルヘルスユニットで勉強をしていた時だった.その結果は,ADAでの発表の翌日には地元の新聞ボストングローブにも大きく取り上げられた.

 この試験は,1型糖尿病患者1,441人を無作為に2群に分け,異なる治療法を行って合併症予防効果をみるというものであった.一群はできるだけ健常人に近い血糖コントロールを目指す強化療法を行い,もう一群(コントロール群)は試験開始当時の標準的治療を行う通常療法群とした.

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 松林公蔵先生は,大学病院で診療に携わるなかで「高齢者の病気は臓器別な診かたでは対応できない.病院や研究室だけでは完結しない」との考えをもち,患者さんのありのままの姿,すなわち地域での暮らしや文化のなかで病気を診ようと,病院から地域へでていく「フィールド医学」という新しい分野を立ち上げました.先生の思想性のある着眼・発想,そして計画・行動は,中学から始め京都大学山岳部に所属し,そして医師になってからも続けている山登りの経験も影響しているのかもしれません.

 今回のMaster Interviewでは,「フィールド医学」へ至る道のり,東南アジアの糖尿病事情などの研究の紹介と将来展望などについて,大学の同級生である石井 均氏が伺います.

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肉の摂取と2型糖尿病発症リスクは関係ある?

田中 祐希・山本 弥生・中神 朋子

重症患者の低血糖と死亡の関連―インスリン治療と死亡には関連があるのか,NICE-SUGAR研究より

細井 雅之・上野 宏樹・川崎 勲

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当院の紹介

 東京都の住宅地にある開設後14年目の診療所です.かかりつけ医,神経内科専門医として在宅医療にも力を入れています.高齢者や一人暮らし,脳血管障害,認知症,パーキンソン病など神経疾患を合併しているケースや在宅診療の患者さんには,特に注意しています.糖尿病で投薬している患者数は50名ぐらいです.

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 IDF(国際糖尿病連合)は,世界規模で先進の糖尿病研究を普及・促進するために,BRIDGES(Bringing Research in Diabetes to Global Environments and Systems)を起ち上げている.BRIDGESの総括責任者は,ピッツバーグ大学糖尿病研究所長であるリンダ・シミネリオが務めている.この度BRIDGESの研究助成を得て,マーシャ・ファネル(ミシガン大学糖尿病研究訓練センター)らによる『IDF糖尿病ピアリーダー養成マニュアル』が,IDFのホームページから2011年12月に配信された1)

 IDFは,世界規模で増加する糖尿病患者に対し,ノースカロライナ大学のエドウィン・フィッシャー教授を中心に“Peer Support Around the World”2~3)を展開し,現在20カ国において,さまざまな研究プロジェクトを起ち上げている.ピアサポート活動が拡大するなかで課題となっていたことが,ピアサポートの核となるピアリーダーの役割の明確化と援助能力の向上であった.

特別企画 Master's Case File◆心に残った症例

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症例の紹介

 Y. H. 75歳,女性.身長160cm,体重65.4kg,BMI 25.5.

 糖尿病歴:1965年11月(45歳),糖尿病発症.近医で治療開始後,転院した県立病院でインスリン治療を開始.1980年,レンテインスリン12単位で治療中に当院受診.インスリン治療継続.

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 ほとんどの糖尿病は的確な病態の理解,患者の社会学的背景の評価,患者教育により,適正にコントロールできる.しかし,本症例は若年発症1型糖尿病(T1DM)にバセドウ病とてんかんを合併した“三重苦”の状態で,通常の治療が無効であった.患者は陰鬱な若年期を過ごしたが,恋愛・結婚・子どもの誕生という希望の出現で血糖コントロールが改善した.医師としての無力さを感じた症例を呈示し,病態について若干の考察を加えたい.

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症例の紹介

 54歳の男性.2007年に当院を初診した時点で,身長160cmに対して体重が140kg,BMIが54.7m2/kgという超肥満の方である.正確な糖尿病の発症時期は不明,10年ほど前に口渇・多飲・多尿を自覚し近医を受診,著明な高血糖のために即日入院となった.入院2カ月で体重140kgから27kgの減量に成功し,経口薬で退院となったが,その後何度か入退院を繰り返し,50歳時にインスリンが導入された.その後も良好なコントロールは長続きせず,いくつかの施設を経て当院を受診した.その際,計74単位のbasal and bolus療法が行われており,HbA1c(以下すべてJDS値)は11.4%だった.

 重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)を認めたため,まずはインスリン量を調整する傍ら,持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行った.しかし,CPAP導入後も肥満・インスリン抵抗性はほとんど改善せず,血糖コントロール不良は持続,体重はさらに150kgへと増加し,外来での治療に行き詰まった感があった.

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 その女性が当院に来た日を忘れない.父親に連れられて体格のよい女性が入って来た.はにかみ気味だったが,にこりと会釈し診察室がいっぺんに華やいだ雰囲気に変わった.BMI 25.4なので肥満には入るが,けっして内臓脂肪型肥満の体型ではない.皮下脂肪型(良性肥満)の女性をルノワールの絵画に描かれた女性に例えることがあるが,まさにその絵のような,やや大柄だが健康そのものに見える,そしてまだあどけなさを残している女性であった.

 父親も2型糖尿病だが,この日の直前に当院に通院を開始したばかりで,後で思えば父親は娘を紹介する目的もあって様子を見に来たのであろう.

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 1980年に開業して33年,その前10年余りの勤務医の時代も合わせると5,000例以上の糖尿病患者を診てきた.その中には三代にわたる糖尿病家系が10例,ミトコンドリア等の明らかな遺伝子異常が5例ある.親が腎透析をしていて子どもが糖尿病を発症した例は多数あるが,今回は心に残る4例を選び,1人ずつのたどった道のりを物語風にまとめてみた.

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症例の紹介

 50歳,女性.既往歴:特記事項なし,家族歴:母・兄に糖尿病.

 現病歴:小児期より肥満だった.中学生時と18歳時に尿糖陽性を指摘されたが,受療しなかった.20歳時は72kgだった.

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症例の紹介

 60歳,女性.身長162cm,体重45.5kg,BMI 17.3kg/m2.家族歴,既往歴は特記すべきことなし.夜間飲食店店主(一般にはバーのママさん)で,喫煙は20本/日,40年間,飲酒はウイスキー水割り2~4杯/日.

 29歳出産時に高血糖を指摘されたが,出産後正常値となり,以後,受診なし.47歳,婦人科に受診時,尿糖を指摘され,1999年当院に精査目的に受診した.

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 症例M.1918年1月19日生まれ,男性.

 私は1968(昭和43)年に医学部を卒業し,市中病院へ短期間のつもりで赴任した.そこで,消化器症状の強い(食欲不振,嘔気,嘔吐など)患者に出会った.はじめは,胃カメラ,肝臓の検査などをしたが異常がなく,その7日程度後,意識が朦朧となった.私の尊敬している上司に相談したら「それは糖尿病性昏睡だろう」という助言であった.当時は血糖もすぐには測れず,尿糖と尿ケトン体のみで,速効型インスリンを大量(100単位ずつ)静注と筋注した.尿ケトン体と尿糖が消失し始めた頃,ブドウ糖とカリウムを補給しながら何とか一命を取り止めた.

切ない気持ち 三村 和郎
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症例の紹介

 突然,彼の奥様から電話がありました.内容は“主人は,本当は眼がかなり不自由になっていると思います.私には言いませんが,本人は仕事も今年度末で辞めようと整理をしているようです.心配です.これ以上悪くならないように入院を勧めてください.私が言ってもいつも「うるさい」と怒られます.先生の言うことは聞きます.ぜひ入院を勧めてください”と.

 彼は51歳で,糖尿病発症から20年は経っています.私が9年近く診ている2型糖尿病患者です.インスリンの4回注射でHbA1c値(以下すべてJDS)は以前はめちゃくちゃでしたが,近頃7%台です.国内乗用車のディーラーの売れっ子セールスマンです.売り上げはいつも会社の1,2番を争います.ですから,お客さんの都合でかなり不規則な生活をしています.月~金曜日まで自宅ではまったくお酒に手をつけず,休みに“べろべろ”になるくらい飲みます(そして,このとき低血糖発作を頻発します).

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 2011年3月11日の未曾有の大震災・原発事故から1年10カ月になる.自らの命は長らえても,大切な人,家,土地,仕事,住み慣れた地域での生活を失った人は数知れない.多くの人たちがいまだに見通しの立たない状態におかれている.自ら命を絶った人を含め,事故後1年間で1,600人余りが震災関連死で亡くなっている.取り返しのつかない原発事故という人災を起こしながら,永年の「安全神話」の責任をとることなく,なお原発依存に拘泥する為政者,「原子力村」関係者に対するやり場のない怒りが渦巻いている.過去を失っただけではなく,将来への展望をなくしているのだ.義捐金・賠償金で生活している人が,テレビの報道画面ではき捨てるように話していた.「仕事もなくし,明日からの見通しもないのに,毎日パチンコで時間をつぶす以外,いったいどうしろというんだ」

 これは生活保護を受けている患者さんからいつか聞いた言葉でもある.日頃の診察室から垣間見える患者さんのさまざまな困難.ましてや糖尿病をもつ若者にとって,現下の社会状況の下で,やりがいある安定した仕事を得て,病気とつきあいながら前向きに生きることは大変なことである.S君はそんな困難を克服して,今明るく楽しくがんばっている.そして,人が生きるのには何が必要か,私たちが心がけておくべきことは何かを教えてくれている.

不用意な一言 守屋 達美
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症例の紹介

 75歳,男性,文筆業.

 1980年頃,尿糖を指摘されるも放置していた.1985年頃に視力低下を自覚した.1986年から近医に通院し,インスリン療法および経口血糖降下薬を使用した.1987年に視力低下を主訴に当院に初診した.飲酒:ウイスキーボトル1/4本/日,日本酒4~5合/日.喫煙20本/日.過去の最大体重86kg,現在57kg.血圧160/108mmHg,糖尿病コントロール目的に入院した.HbA1c(以下すべてJDS値)6.5%.増殖網膜症,顕性蛋白尿,下肢腱反射消失を認め,2型糖尿病に網膜症,腎症,神経障害が伴っている状態であった.以後,外来経過観察中,SU薬少量にてHbA1c 6~7%で経過した.

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症例の紹介

 当院では教育入院の一環として,週に2回昼食会を開いている.糖尿病患者さんと医師,看護師,栄養士,調理師とで一緒にお昼を食べながら,今までの食生活などいろいろなことを話し合う貴重な場となっている.

 ある日の昼食会の席でT氏がボソボソとつぶやいた.「今朝の新聞に俺のところが写っていてさ.みんななくなっちまった」と寂しそうだった.あわてて彼の手元にあった新聞をみると,第一面に東日本大震災の津波で跡形もなくなった瓦礫の町が写っていた.

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症例の紹介

 彼は64歳の男性で,罹病期間10年の2型糖尿病患者である.前医の病院より紹介となり(糖尿病,高血圧症,脂質異常症,肥満症)9年前から私が診察している.前医での教育入院の経験もあり,食事療法実践の効果は十分に実感している.前医からの処方のアマリール®(0.5mg)2錠 分2朝夕 食直前を継続していたが,HbA1c(以下すべてJDS値)は6.4~6.5%であった.糖尿病網膜症はなし,腎症はⅡ期,心電図異常なし,頸動脈平均IMT 0.8mmでした.3年経過してから体重増加とHbA1cの悪化(7.1%)があり,インスリン抵抗性改善薬アクトス®(30mg)1錠分1朝食後を併用し,HbA1cは6.3%に低下した.その後,79kgから85kgに体重増加があり,アクトス®を中止しメデット®(250mg)3錠分3各食後に変更.体重は82kgに減少したが,HbA1cは7.0%と悪化した.さらに,運動不足と食欲旺盛のためか,体重は88.7kg,HbA1cは11.4%と極めて悪い状態になった.

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 2006年の初版から満を持して,『フットケア 第2版』が出版されました.本書はまさにフットケアに必要な情報(製品)のすべてが網羅(品揃え)されている“フットケアの総合商社”と言ってもよいでしょう.それだけ内容が充実しているのです.例えば,フットケアの基礎知識・診断をはじめ,検査・評価法,専門的ケア,治療技術,ライフステージに合わせたケアや靴の選び方,そして社会的支援の活用方法まで,それぞれの専門家によってわかりやすく解説されています.本書一冊でフットケア初心者の読者も,明日からのフットケアが楽しく実践できること間違いなしです.

 さて,私事で恐縮ですが,私がフットケアの重要性を認識したのは今から28年前の1984年でした.当時,私は米国のETスクールでETナース(現在の皮膚・排泄ケア認定看護師の前身)の研修をしていました.そこで初めて“フットケア”の概念とハウツーを学びました.それまではフットケアと言えば,まずは足浴と爪切りを思い浮かべたものですが,フットケアは局所管理だけではなく,慢性疾患の管理を含む全身管理が必要であるということに気付かされました.

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 この本は,聖路加国際病院出身の50名の医師たちが書いた本ですが,誰のために書かれたのでしょうか? さっと全体に目を通せば,これからキャリアを築いていく研修医・専門研修医や医学生が読むのに最適な本であることがわかります.すなわち,若手医師の最大の関心事である進路の選択やキャリア形成を経験した先輩の文章が掲載されていて,ロールモデルや後輩へのアドバイスを見出すことができるからです.

 さらに読み進めると,聖路加国際病院でさらなる研修を続けた医師,あえて国内の病院へ異動して研鑽を続けた医師,リサーチのための留学や海外での臨床研修やフェローシップの機会を得た医師,あるいは他の病院で研修後(海外も含めて)スタッフとして迎えられた医師など,その多様さに驚くと同時に,「みんなちがってみんないい」(金子みすゞの詩より)というフレーズを思い起こします.

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米国内科学会(ACP)日本支部 年次総会2013

 米国内科学会(American College of Physicians : ACP)は,1915年創立の米国内科専門医会(ACP)と,1956年設立の米国内科学会(ASIM)が1998年に合併して誕生しました.現在,世界80カ国に13万人の会員を有する国際的な内科学会です.学会員の内科診療技術を最高水準に維持し,患者に高い質の医療を提供することや,医療の質を高めるための研究を推進することなどを使命としています.“Annals of Internal Medicine”を学会公式雑誌とし,年次学術総会,生涯教育(MKSAP),医療政策提言などさまざまな活動を行っています.ACP日本支部は,2003年にアメリカ大陸以外では初めて設立が許された支部で,現在会員数が1,000名を超え,医学生や研修医など若手会員が20%を占めるまでになっています.日本内科学会の総合内科専門医を有する内科医はACP正会員に,ACP正会員のうち要件を満たす者はFellow(FACP)の称号を申請できます.以来,毎年総会・講演会などの活動を行ってきました.

 2013年も年次総会を開催します.Generalismを基本テーマとし,臨床能力向上のための教育セッションを多数提供する予定です.ACPの会員であるなしにかかわらず,どなたでもご参加可能です.また,本年より,ワークショップなどの公募(ACP会員のみ)や一般演題(ポスター)セッションを実施します.

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糖尿病診療マスター
11巻1号 (2013年1月)
電子版ISSN:1347-8389 印刷版ISSN:1347-8176 医学書院

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