特別企画 Master's Case File◆心に残った症例
肥満外科手術(bariatric surgery)により改善した2型糖尿病の一例
片岡 伸久朗
1
1片岡内科クリニック
キーワード:
超肥満
,
肥満外科手術(bariatric surgery)
Keyword:
超肥満
,
肥満外科手術(bariatric surgery)
pp.83-85
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101448
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症例の紹介
54歳の男性.2007年に当院を初診した時点で,身長160cmに対して体重が140kg,BMIが54.7m2/kgという超肥満の方である.正確な糖尿病の発症時期は不明,10年ほど前に口渇・多飲・多尿を自覚し近医を受診,著明な高血糖のために即日入院となった.入院2カ月で体重140kgから27kgの減量に成功し,経口薬で退院となったが,その後何度か入退院を繰り返し,50歳時にインスリンが導入された.その後も良好なコントロールは長続きせず,いくつかの施設を経て当院を受診した.その際,計74単位のbasal and bolus療法が行われており,HbA1c(以下すべてJDS値)は11.4%だった.
重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)を認めたため,まずはインスリン量を調整する傍ら,持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行った.しかし,CPAP導入後も肥満・インスリン抵抗性はほとんど改善せず,血糖コントロール不良は持続,体重はさらに150kgへと増加し,外来での治療に行き詰まった感があった.
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