特別企画 Master's Case File◆心に残った症例
俺にはなぁんにも残ってないさ
八幡 和明
1
1長岡中央綜合病院 糖尿病センター
キーワード:
糖尿病治療
,
心理的負担度
,
PAID
,
GLP-1受容体作動薬
Keyword:
糖尿病治療
,
心理的負担度
,
PAID
,
GLP-1受容体作動薬
pp.110-112
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101457
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例の紹介
当院では教育入院の一環として,週に2回昼食会を開いている.糖尿病患者さんと医師,看護師,栄養士,調理師とで一緒にお昼を食べながら,今までの食生活などいろいろなことを話し合う貴重な場となっている.
ある日の昼食会の席でT氏がボソボソとつぶやいた.「今朝の新聞に俺のところが写っていてさ.みんななくなっちまった」と寂しそうだった.あわてて彼の手元にあった新聞をみると,第一面に東日本大震災の津波で跡形もなくなった瓦礫の町が写っていた.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.