特集 低血糖—診療の現場からとらえ直す
Ⅲ低血糖をきたすさまざまな病態への対応
薬剤による低血糖
森 保道
1
1虎の門病院 内分泌代謝科
キーワード:
シベンゾリン
,
高齢者
,
腎機能障害
Keyword:
シベンゾリン
,
高齢者
,
腎機能障害
pp.141-143
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200609
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POINT
・薬剤による低血糖症は,アルコールが最も多く,そのほかに非ステロイド系抗炎症薬,シベンゾリン,ジソピラミド,ペンタミジンによるものなどがある.
・機序としては薬剤そのものが血糖低下作用を持つ場合と,薬剤が血糖降下薬の効果を増強する場合とに大別される.
・シベンゾリンは心房細動の治療などに用いる抗不整脈薬である.一部のKチャネル遮断効果があり,インスリン分泌増強を介して低血糖を生じることがある.
・腎排泄性であり,薬物代謝の遅延する高齢者や腎機能低下例では血中濃度の上昇を伴った中毒症状に注意が必要である.
・中毒症状は低血糖のほか,心室性不整脈,食思不振,全身倦怠感などの症候に留意する.
・同じIa群薬のジソピラミドも,同様に低血糖が報告されている.
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