看護管理 30巻1号 (2020年1月)

特集 30巻記念寄稿特集 30人が振り返り展望する 看護管理の現在・過去・未来

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雑誌『看護管理』は2020年に第30巻発行の節目を迎えます。1991年の第1巻第1号では「創刊のご挨拶」の中で,「あたらしい時代の要請に応えうる看護管理を,読者の皆様と一緒に模索していきたい」と述べ,その後も読者の方々と共に歩んできました。

本特集では,30巻の歩みを振り返るとともに,看護管理に関わってこられた30人の方々に,本誌や看護管理の現在・過去・未来についてご寄稿いただきました。

これからの『看護管理』も引き続き読者の皆さんの実践に寄り添いながら歩んでいきたいと思います。

『看護管理』30巻の歩み 本誌編集室
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日本の看護管理の発展とともに歩んできました雑誌『看護管理』は,おかげさまで30巻を迎えることになりました。当コーナーでは,これまでの30巻の歩みを,看護管理領域に関するトピックスや社会の動き,看護界の動きとともに振り返ってみました。

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質の高い1日を生み出せる環境を創り出す

 「絵を描くことができたり,像を彫ることができたり,目に見える対象を美しく仕上げることができる才能は確かに素晴らしい。しかし,それよりもはるかに称賛に値するものがある。それは,我々の活動の場において,質の高い1日を生み出すことのできる雰囲気を,その目に見えぬものを描き,彫刻することである。これこそ最高の芸術である」(ヘンリー・デイビッド・ソロー)

 冒頭にソローの名言を引用して書き起こした拙稿「My Patient, My Nurse—プライマリ・ナーシングを支えているもの」(『看護管理』1997年8月号)が,雑誌『看護管理』に掲載していただいた私の最初の原稿でした。

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出版不況を吹っ飛ばせ!?

 創刊30巻! 30年はワン・ジェネレーションとも言われ,また,過去には企業が繁栄を謳歌できる期間はおおむね30年と言われていたようだ。もっとも,現代のように技術革新が激しくなると,社名など“器”はそのままでも事業内容を変えていかなければ到底30年も繁栄が続くことはないのではないか。出版産業もその例に漏れず,電子メディア出現以降の衰退ぶりには目を覆いたくなる。売上はピークだった1990年代中盤のほぼ半分のレベル。とりわけ雑誌では販売部数,売上ともに前年割れが続いた結果,四半世紀でそれぞれ3分の1程度まで落ち込む激減ぶりである1)

 このような業界事情を考えると,『看護管理』が創刊30巻を迎えるのはまさに慶事と言わなければならない。本誌の創刊に携わった1人として,読み繋ぎ書き継いでこられた読者と著者の方々に心から感謝するとともに,若かった頃の自分のように,無い知恵を絞りつつ漸くの思いで月々の発行にこぎつけてきた編集諸氏の奮闘にもエールを送りたい。

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「アール・ブリュット」とは,美術教育を受けていない人々が創造する「生(き)」の芸術を意味する。心身に障害を持つ作家も少なくない。本誌では1月号からこのアール・ブリュット作品を紹介する連載「アートとケア—アール・ブリュットから受け取るもの」をスタートする。他者の評価を期待せず自らの情熱のままに表現した作品を前にしたとき,私たちは何を感じるだろうか。新たなケアの創造にアートがもたらすものとは—。

この座談会では,アール・ブリュット作品を社会に紹介してきた4氏に,ケアとは何か,そしてアートとケアをテーマにお話しいただいた。

巻頭シリーズ 【石垣靖子氏 対話シリーズ】看護と倫理 尊厳を護るケアの担い手として・1【新連載】

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東札幌病院は,北海道で初めてのホスピス緩和ケアを提供する病院として,1983年に札幌市白石区に創設されました。以来,進行・再発・末期のがん患者に医療を提供する専門病院として運営してきました。現在は札幌市のがんによる死亡者の約2割の看取りを行っているほか,訪問診療・看護をはじめとする地域包括ケアも手掛けています。

私は1986年に東札幌病院に看護部長として採用していただき,以来,石谷先生と多くの職員たちと共に人間尊重の医療を志向しました。

同院では約40年前から,尊厳を護るケア,多職種によるチーム・アプローチ,病院運営や患者ケアの要としてナースを位置づけるなど,先駆的な実践がなされてきました。2号にわたり,同院の開設者で現在は理事長を務める石谷邦彦先生と東札幌病院の軌跡を振り返り,人間尊重の医療とは何か,そしてそれを支えるマネジメントを考えていきます。

(石垣靖子)

巻頭シリーズ アートとケア アール・ブリュットから受けとるもの・1【新連載】

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 アール・ブリュットとの出会いは,私がかつて勤務した滋賀県を起点に内外で活躍している北岡賢剛さんたちが立ち上げたNO-MAという美術館だった。

 これはあの有名なミロ,ゴッホ,ビュッフェと同じではないかという驚き,ビルなどの高所から街を眺めることが好きな作者が上空から見た街の不思議な存在感,縄文の土器と同じような焼き物の造形の迫力など,次々と受けた鮮烈な印象が今も蘇る。

連載 患者エクスペリエンス もしも患者の内なる声が聞こえたら・1【新連載】

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この連載では,医療に関する患者による主観的評価である患者エクスペリエンス(PX)が,医療の質のさらなる向上に貢献する可能性について考察していきます。米国で利用されているPXの実践を支えるツールやエクササイズを,日本の臨床現場で試験的に導入できるような形で紹介することで,読者の皆さんが日本の患者エクスペリエンス実践の先駆者となって活躍されることをお手伝いしたいと願っています。

初回は,患者エクスペリエンスとは何か,そしてその目指すところを中心に考えます。

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本連載は,組織の問題やマネジメントの問題,倫理的な問題,キャリアの問題など看護管理者の悩みを取り上げ,アドラー心理学のエッセンスを取り入れながら,現場で活きるコーチングの実践をリアルに伝えていきます。コーチングは,「対話によって相手の自己実現や目標達成を手助けする」ことで,身につければ看護管理者もさまざまな場面で活用できます。その前に,コーチングを受けると,どんなふうにひらかれるのかを誌面上で体験してもらいましょう。

第1回は,看護師長として自信が持てないという漠然とした不安の相談から,スタッフの目標管理において大切なことについて考察していきます。

連載 看護の可視化 量と質の両面から適切な評価を考える・24

クリニカルラダー・5 秋山 智弥
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前回は,マングローブモデルと名付けた京都大学医学部附属病院(以下,京大病院)のキャリアパス支援を解説するとともに,新卒看護師への教育と職場適応支援の体制について紹介しました。今回は,組織の枠を超え,京都府全体でジェネラリスト看護師を評価,育成しようと試みた「京都府看護職連携キャリア支援事業」について紹介します。

連載 ラーニング・エイド 大学院ドタバタ留学記 in NY・4

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 秋学期に履修している授業で行ったユニークな課題について紹介する。「新しい習慣を1つ作り,3週間継続する」というものだ。

 大学院でなぜそのようなことをするのか,初めはつながりが見えなかった。チャールズ・デュヒッグ著『The Power of Habit』1)(習慣の力)を読み,習慣について学ぶ機会が与えられた。本書にはさまざまな企業で習慣作りに着目したケースが紹介されている。

連載 「看護」の意味を見つめる 訪問看護の実践から・9

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 命を救うためにできることはなかっただろうか,今でも忘れられない男性とのかかわりを思う。「身体的な命と心のいのちを守ること」「本人の“最後まで家にいたい”と,家族の“入院させてほしい”」この2点において苦渋したケースである。

連載 マグネットジャーニー 聖路加国際病院のチャレンジ・12

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本連載では,聖路加国際病院看護部が「マグネットホスピタル認証」を取得するまでの道のりをマグネット・ジャーニー(マグネット認証への旅)として紹介していきます。「CNSと管理の会」の伴走のもと走り続けるこの過程はチャレンジに満ちています。

第12回では,NDNQI®(全米看護質指標データベース)によるベンチマーク評価の概要と聖路加国際病院の質改善活動について紹介します。

連載 進化するチーム医療への旅 今求められるレジリエンスとは?・21

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この連載では,これからの医療現場に必要な「進化するチーム医療」「理想のチーム・組織」のありようについて,主にシステム思考や対話・ダイアローグを軸にしながら,読者の皆さんとともに追い求めていきます。今月からは実際にチームを進化させるにはどうすればよいか,その方法を考えていきます。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・162

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 物事や情景や人物のイメージを印象深い言葉で表現するとき,隠喩または(暗喩)という手法が使われることが少なくない。英語ではmetaphor(メタファー)という。比喩を表現する「〜のようだ」という語を用いないので,強いイメージあるいは特異なイメージを持つ言葉をずばりと使って,受け手の側に強い印象を与える表現手段だ。

 例えば,昔からよく引用される諺に,「沈黙は金,雄弁は銀」というのがある。これはまさに隠喩の表現法を使ったものだ。

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基本情報

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看護管理
30巻1号 (2020年1月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

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