臨床検査 34巻8号 (1990年8月)

今月の主題 レセプター

巻頭言

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 受容体研究,この場合正確にはホルモン受容機構研究はfactとconceptとの間の鎬の削りあいを通して発展してきたとも言えよう.

 1942年,F.Albrightは当時使用可能となった副甲状腺ホルモンにより副甲状腺機能低下症患者の補充療法を試み,その一例でこれが失敗に終わったことより,この患者の副甲状腺機能低下症の病態は副甲状腺ホルモンの不足によるのではなく,このホルモンに対する受容機構の障害であるというconceptに達した.ここには,副甲状腺ホルモンが使用可能となったという事実,およびこの症例においてのみそれに対する反応が得られなかったという事実が中心となっている.さらにこのconceptの源流としては,今世紀始め頃から気が付かれていたチャボの一種Seabright-bantamをめぐるconceptがあった.すなわちこのチャボは雄でありながら雌の表現型をとる.したがって男性ホルモンに対し末梢の標的組織が十分に反応しないと考えられた.この考えを敷衍して,ホルモン不全症の中には,ホルモンに対する不応状態があるというconceptがあった.1950年代に入り,ホルモン作用機構の研究が進み,1960年までにホルモン作用機構においてホルモン受容体とそれに引き続き産生される細胞内second-messengerの一つとしてcAMPの意義が確立した.

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 多くのホルモンは細胞内に取り込まれることなく細胞の機能を変化させる.これは,細胞表面に存在する特異的受容体が細胞外ホルモン濃度変化を認識して細胞内情報伝達系を作働させるためである.受容体のもっ情報変換機構と連動する細胞内伝達系の種類は比較的少なく,いくつかの基本形に分類しうる.

レセプター異常症 名和田 新
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 近年の遺伝子工学DNA組み換え技術のめざましい進歩により,ホルモンを含む多くのレセプターの遺伝子構造の解明により,レセプター異常症(レセプター病)の新しい疾患概念が確立された.

 レセプター異常症とは,先天性または後天性のレセプター異常により起こる病態で,レセプター病とも呼ぶ.先天性レセプター異常の病因としてレセプターそのものに異常が存在するものと,レセプター以後の細胞内情報伝達機構に異常の存在するものとがあり,広義にはそのどちらも含めたものをレセプター病と呼ぶ.一方,後天性レセプター異常として抗レセプター抗体により惹起される異常も広義にレセプター病に含まれる.本稿では相次いで解明されたレセプター遺伝子DNAを使用してレセプター遺伝子のレベルよりの病因解明がなされつつあるレセプター,およびレセプター以後の情報伝達系の異常症の概念と最近の進歩を紹介する.

技術解説

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 糖尿病はインスリン分泌の低下,肥満,その他の原因により相対的にインスリンの作用が不足することに起因する疾患群である.インスリンの作用は標的組織の細胞表面に存在するインスリンレセプターを介して発現される.インスリンレセプターに関しては,その構造および機能に関する知見が集積されつつある.本稿では,インスリンレセプターの構造と機能について述べたのち,インスリンレセプターに関する検査法のうちインスリンレセプターへのインスリン結合およびインスリンレセプターのリン酸化について解説を試みる.

TSHレセプター 内村 英正
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 TSHレセプターの研究は細胞成分としてきわめて微量であり,その構造解析が著しく遅れていたがphotoaffnity-labellingなどの方法によるcross-linkingによりTSHとレセプターとの強固な複合体をSDS-PAGEなどによる分析でしだいに明らかとなった.ヒトTSHのレセプターはA,B2つのサブユニットからなり,TSHはAサブユニット(50K)に結合するという.情報はBサブユニットに伝えられるが,Bサブユニット(30K)は細胞膜を7回通過して細胞内のアデニール酸シクラーゼcAMP系へと情報を伝達すると考えられている.

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 ステロイドホルモンはおのおのの特異的なレセプター(受容体)を介して作用を発現する.臨床医学上非常に重要なことは,乳癌,子宮内膜癌,前立腺癌などのホルモン依存性腫瘍においてレセプターの存在を検索することである.抗ホルモン剤による治療効果を予知し,予後の推定ができるからである.最近エストロゲンレセプターおよびプロゲステロンレセプターの免疫学的測定法が開発され,従来のアイソトープで標識されたホルモンを使用する生化学的測定法とともにますます臨床的に頻用されてくると思われる.

LDLレセプター 船橋 徹 , 松沢 佑次
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 LDLレセプターはLDLを細胞内に取り込み細胞内コレステロール量の調節に重要な役割を担っている.LDLレセプターの機能異常は血中におけるLDLの貯留を生じさせ,遺伝的なLDLレセプターの欠損または変異によって動脈硬化を高率に合併する家族性高コレステロール血症(FH)を発症させることが知られている.臨床的にはLDLレセプター活性を測定することはFHの診断に必要であるのみならず,その臨床像を理解するうえで重要である.さらにLDLレセプター遺伝子の解析により,その構造と機能の関連が明らかにされつつあり,これらの結果は今後臨床面への応用も期待できるものと思われる.

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 重症筋無力症は筋力低下・易疲労性を示す神経筋接合部の疾患であり,本症では特異的に抗アセチルコリンレセプター抗体が検出される.本抗体の検査法には,阻害法(ConA法など),結合法(抗ヒトIgG法など)があり,その原理・測定方法を記した.眼筋型より全身型で本抗体の陽性率が高く,抗ヒトIgG法のほうが陽性率は高い.本抗体の測定は,本症の診断,病態の把握,治療の効果判定にきわめて有用である.

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 TSHレセプター抗体の代表的な測定方法は,TSH結合阻害活性(TRAb,TBll)と甲状腺刺激活性などの生物活性(TSAb,HTACS)に大別される.未治療バセドウ病の80%以上にTRAbやTSAbは認められ,抗甲状腺剤治療の効果判定,寛解や再発の指標として有用である.一方,一部の特発性甲状腺機能低下症では,TRAb陽性の抑制型のレセプター抗体が見いだされ,TRAb強陽性の母親からの新生児は一過性の甲状腺機能低下症を示すことがあり,TRAb測定は臨床上有用である.

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 インスリンレセプター抗体はインスリン抵抗性の原因となり,インスリンレセプター異常症の中でももっとも頻度が高い.その検出には培養リンパ球が便利であり,標識インスリンとの競合的結合阻害を用いた方法が一般に使われている.レセプター抗体はインスリン作用を阻害する以外にインスリン作用を有し,またその認識部位によってその作用も異なるのでインスリン作用機序の解明にもヒントを与える.

病態解説

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 ウイルス感染増殖は,一般にウイルスと細胞表面レセプターとの特異的結合をもってはじまる.しかし,そのレセプターの発現は,細胞,組織,動物種によって一様でなく,さらに,あるウイルスに対するレセプターは一種類とは限らない.また,ウイル特異的レセプター以外に,Fcレセプターを介する感染様式があることも多くのウイルス感染モデルで証明されている.

 遺伝子工学的手法を導入した最近の分子生物学的研究は,レセプターの分子構造を明らかにし,ウイルス粒子との結合メカニズムを分子レベルで解明しつつある.HIV感染の研究から,そのレセプター(CD4分子)を感染の予防・治療に応用しようとする実践的研究も進展しつつある.

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 サイトカインは,細胞の増殖や分化を調節する因子として,免疫,造血系に広く作用する.なかでもIL-2は,免疫反応の調節,ことにT細胞の調節や分化をつかさどる因子として1970年代から研究されてきた.分子生物学的手法の導入によってIL-2,IL-2レセプター系と自己免疫疾患,癌などとの関連を示唆する報告も相次いでいる.本稿ではサイトカインレセプターと免疫異常の関連について,IL-2,IL-2レセプター系を中心に概説したい.

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 ヒトEGFレセプターは,全アミノ酸構成が明らかにされた,分子量170Kの糖蛋白である.EGFはEGFレセプターを介して多くの腫瘍の増殖や悪性化との関係が示唆されている,hCG産生腫瘍はEGFレセプターに富み,ヌードマウスに移殖したhCG産生腫瘍は,投与するEGFの濃度により腫瘍の増殖を促進あるいは抑制するbiphasicなeffectを示す.このeffectはEGFレセプターmRNAのexpressionを介してEGFレセプター量を増減することによると思われる.

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 脳の変性疾患の代表例について,神経伝達物質レセプターの変化を述べ,病態について考察した.神経伝達物質およびそのレセプター機能による脳病変の検索は,脳障害を神経回路に基づく機能単位毎に選択的に解析できる特長があり,さらに最近はポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)による患者脳の検索もin-vivoで可能となっているので,今後さらに有用性を増すものと考えられる.

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1.はじめに

 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は,松尾教授らにより化学構造が明らかにされた28個のアミノ酸よりなるペプチドで1),心房より分泌され,水・電解質バランスや血圧調節に重要な役割を果たすホルモンである.ANPのレセプターには少なくとも2種類が知られており,これらのレセプターの全アミノ酸配列が知られるようになった.本項においてはANPレセプターの最近の話題を中心に述べる.

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1.血管内皮細胞の特異的性質

 血管内皮細胞は,他の上皮性,間質性細胞などのそれとは異なった特殊な機能を有している.それは,血管内皮細胞が血管内を流れる血液と直に接触する唯一の細胞であることに起因している.そのため,血管内皮細胞上には特異なレセプターが存在し,それらが内皮細胞の特異な機能と結びついている.例えば内皮細胞は,トロンボモジュリン,ヘパリン様グリコサミノグリカンなどを表面に有し,ロンビン,アンチトロンビンⅢなど血中凝固関連因子のレセプターとなり,内皮細胞表面上での凝固反応を阻止している.これは,血管内面において血液の流動性を維持するのに役だっている.一方,流血中のリボ蛋白やインスリンなどのホルモンに関しては,その表面上のレセプターで捕捉した後,内皮細胞内ではそれらを処理し,あるいはシグナル伝達をすることなく単に細胞内を通過させるだけで,これらの物質の真の標的臓器である血管外の実質細胞に輸送する.さらに,内皮細胞自身が,ヒスタミン,アデノシン,プロスタグランジン,カテコラミンなど,種々の生理活性物質の標的細胞となり,内皮細胞由来の血管収縮,弛緩物質の産生,遊出が制御される.

カラーグラフ

学会印象記 第40回電気泳動学会春季大会

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 電気泳動学会は不惑の年を迎え,一層の発展と充実の道を歩みだしたところである.今回東京都老人総合研究所生化学部の大橋望彦先生を大会会長として,平成2年6月1・2日の両日野口英世記念会館に会員約300名が参加し第40回電気泳動学会が開催された.本会では,教育講演(2題),シンポジウム(6題),一般演題(29題中ポスター発表10題)の発表があった.教育講演1は「細胞バンクとアイソザイム」と題して国立衛生試験所の水沢博博士が国内における細胞バンクの実態と今後の展望を述べられた.細胞バンクでは培養細胞の品質管理が主たる業務であるが,細胞の純度の検定法としては従来細胞内アイソザイムの分析が行われてきたが,それに加えて最近ではDNA-profiling法,すなわちDNAフィンガープリント法を用いて各細胞株の個体識別をきわめて容易に行うことが可能となった経緯と実際を述べられた.

腎臓病の病理・8

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 急性腎不全は,急激な腎機能低下によって短期間のうちに尿毒症症候群をきたす病態である.その原因には種々のものがあるが,もっとも頻度の高いものは,急性尿細管壊死である.これは,末梢循環不全による虚血性のものと,重金属や薬物による腎毒性性のものに分けられる.間質性腎炎とは,間質に浮腫ないし線維化,単核細胞の浸潤を示し,尿細管障害を伴う疾患である.それには,原発性のもの,感染症に続発するもの,薬剤性のものなどがあり,さらに免疫学的な発症機序が示唆されているもの,いないものなどさまざまな背景を有するものが含まれている.

TOPICS

αスペクトリンの異常 林 正
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 赤血球が個有の形態を保ち,変形したり,復元しうるのは赤血球膜骨格の機能によるものと考えられる.スペクトリンspectrinはその膜骨格を構成する主要なポリペプチドであり,SDS電気泳動法により分子量24000と22000の二つのサブユニットに分かれる.前者をαスペクトリン(Spα),後者をβスペクトリン(Spβ)という.この両者は長い線維状をなし,互いに捻れあってスペクトリンのダイマーdimerを形成し,その端々が自己会合self-associationすることによってテトラマーtetramer,さらにオリゴマーoligomerを形成する.また,これらのスペクトリンは他の骨格タンパク質であるband4.1やactinと結合して網目構造をつくり,さらにglycophorinAやCと結合して膜脂質二重層に固定される.また,Spβはband2.1(ankyrin),band3とも結合して膜脂質に固定される1,2).赤血球膜の電顕観察によると,膜脂質の内側にスペクトリンの線維から構成される六角形の格子構造が認められる3)

 こうした膜骨格の異常が赤血球の形態異常と関連することが当然予測されるところである.

E型肝炎 内田 俊和
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 E型肝炎は最近新たに発見されたウイルス肝炎で, "E" は経口感染Enterically-transmittedに由来している.これでウイルス肝炎は従来から知られているA型,B型,D (デルタ)型に加え,新たにC型(輸血後型)とE型が発見されたことになる.この他にもF型などのウイルス肝炎があるかどうかは今後の課題である.

 以前からヒマラヤ山麓下のネパールやインド亜大陸などの衛生環境が劣悪な国々で,ウイルス肝炎が時々大流行することが知られていた.その規模は大きいもので数万人にも及ぶ.流行は雨期に集中することから,疫学的には感染経路は飲料水や食物を介する経口だろうと考えられていた.経口感染するウイルスには他にA型肝炎があり,その異同が当然問題になっていたわけであるが,1980年になって,A型肝炎の血清アッセイ系が導入されることにより,E型肝炎がA型肝炎と異なることが判明した.

D型肝炎 岩波 栄逸 , 矢野 右人
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 1977年,イタリアのRizzettoらは,HBVキャリアの肝細胞核内にHBc抗原とは異なった新しい抗原抗体系を発見,δ(デルタ)抗原と命名し報告した1).当初,このδ抗原はHBV関連マーカーの1つでHBc抗原の亜型と考えられていたが,1980年,δ抗原陽性患者の血清によるチンパンジーへの感染実験で,HBVとは別の感染因子(δ因子)として肝炎を発症させることが実証された2).後に,このδ因子は,HBs抗原を外被として,core部分がHBc抗原の代わりにδ抗原とRNAゲノムに置換された構造をもつウイルス粒子で,さらにこのRNAゲノムは不完全なため増殖にはHBVの補助機能を必要とすることもわかった.したがって,δ因子はHBVと常に共存することになる.

 1989年,米国カイロン社から発表されたC100抗体は,従来非A非B型と分類されてきた肝炎の大半に検出され,C型肝炎の位置付けが明確となった今日,肝炎はA型,B型,C型,このδ因子によるD型,および東南アジアで流行性に水系感染するとされるE型,に分類されるに至った.

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 近年ペースメーカーの進歩はめざましく,徐脈性不整脈ばかりでなく,頻脈性不整脈の治療にも使用され,その適応も拡大されてきている.従来はペースメーカーは救命を目的としたが,その後,quality of lifeの向上を目指し,生理的ペーシングとして心房心室同期型ペースメーカーが出現し,最近では心拍数応答型ペースメーカー(rateresponsive pacemaker,以下RR-PM)が話題を集めている.心拍出量を増加させる要因として,心拍数の増加,心房心室同期による前負荷の増大,心収縮力の増大が上げられるが,心拍数増加の影響がもっとも大であるためRR-PMが開発,臨床応用されるにいたった.心拍数を決定する生理的指標として,体動,呼吸数,QT時間,体温,静脈血酸素飽和度,血液pH,右心室圧,右心室収縮性などが上げられるが,本稿ではわが国ですでに臨床応用されている体動,呼吸数,QT時間,体温を感知するRR-PMについて述べる.

粘液線毛輸送系 梅木 茂宣
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 粘液線毛輸送系は,分泌腺および粘液細胞による漿液・粘液分泌系と線毛細胞による線毛輸送系の2つの大きな機能系により構成されていて,生体防御機能などの生体の恒常性維持(ホメオスターシス)にそれぞれ重要な働きをしている1・2)。生体の中で粘液線毛輸送系と密接に関係した線毛細胞は,角膜内側,前庭器官,嗅覚細胞,中耳・耳管,鼻涙管,鼻腔,副鼻腔,気道系,卵管,副精巣管などに認められる2)

 線毛細胞の線毛は,9対の周辺微小管と2本の中心微小管の9+2構造と呼ばれる微小管構築により構成されている(図1)3).各副線維Aにはそれぞれ隣接する副線維Bに向かってATPaseに富む一対の鍵型構造物の内・外力肢が付着し,これらが伸長および短縮することにより周辺微小管に相互のすべり現象が起こり線毛が屈曲運動する(sliding theory).線毛の正常運動のためにはこのような線毛の正常の超微構造が必要である.

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 SSEP検査において,健常人72例を対象とし各頂点潜時ならびに申枢伝導時間(CCT)を指標に用い,SSEP計測時の年齢,性差,身長の影響を検討した.その結果,各頂点潜時は身長の増高および身長を考慮した場合の加齢とともに延長した.また,身長を考慮した場合,性差による差異はなかった.CCTは,加齢とともに延長した.以上の原因として末梢神経の伝導距離および加齢による末梢,中枢神経系の伝導遅延が考えられた.

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 著者らはニュー・メチレンブルーによる白血球細胞の超生体染色法の色調変化にっいてpHの変化およびヘパリン添加による色素溶液の吸収スペクトルの測定から若干の解析を試みた.

 その結果,pH変化とヘパリン添加における色素溶液の吸収スペクトルは各細胞の染色性の色調変化とほぼ一致するシフトを示した.すなわち,白血球系細胞の色調変化は色素と被検物質との物理的な親和性に基づくと考えた.

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 酩酊患者にアルコール負荷試験を行い,脳波,血中アルコール濃度および心理検査を実施した.飲酒後1時間で脳波は徐波化し,3時間後に徐波化はもっとも顕著となり,同時に血中濃度も2.5mg/lと最高値を示し,符号検査でも正当数が43%と減少した.精神症状は,易怒的で抑制欠如し,運動失調が目立つ複雑酩酊状態を示した.飲酒終了1時間後,血中濃度の下降とともに徐波化も改善した.

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 妊婦におけるヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)に対する抗体(抗HTLV-1抗体)の測定をEIA法,inhibition EIA法,ウェスタンブロッティング法(WB法),一部についてはIF法により行った.健常妊婦11863例を一次スクリーニングとしてEIA海により検索した結果,うち69例が陽性と判定されたが,これらの検体をinhibition EIA,WB法により再度検討を加えると,カットオフ・インデックス5以上の検体はすべてWB法も陽性であり,カットオフ・インデックス1~5の検体についてはinhibition rateが70%以上の検体ではWB法でも陽性であった.EIA法におけるカットオフ・インデックス1~5の検体についてはinhibition EIAでinhibition rateが70%以上の検体は確認試験をすることなく陽性と断定可能と考えられた.

質疑応答 臨床化学

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 〔問〕血清中のNa,K,CIを測定する場合,影響する共存イオンとしてNH4+,各ハロゲンイオン(F,Br,I),HCO3などを調べますが,実際どのくらいの濃度まで影響をみたらよいのでしょうか,また,尿中のNa,K,Clの場合についてもご教示ください.

質疑応答 血液

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 〔問〕最近,末梢血液像検査において,従来からの分葉核球,桿状核球という分類をせずに,好中球(顆粒球)と表記する場合をよくみかけます.これは血球分類装置がそこまで分類しないためなのか,それとも分葉核球,桿状核球という分類自体に意義がなくなったためなのか,現状も含めてご教示ください.

質疑応答 免疫血清

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 〔問〕抗核抗体測定においては蛍光抗体間接法を用いていますが,酵素抗体法ではなぜいけないのか,その理由をご教示ください.

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 〔問〕抗核抗体測定において,喉頭癌由来(HEp-2)をなぜ核材として用いるのか,その他の癌細胞ではなぜいけないのか,ご教示ください.また,もし自分自身でこの試薬(キット)を作る場合,どのようにしたらのいのか,方法を具体的にご教示ください.

エッジ効果とは A生 , 高阪 彰
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 〔問〕「EIAにおけるマイクロプレートへの抗体の吸着」(臨床検査,32(8),936~938,1988)中に"エッジ効果"という言葉があります.詳しくご教示ください.

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 〔問〕『臨床検査』vol. 32, no. 13, 1672, 1988の「ラテックス凝集法におけるASO価」の記述中,「R-R法においてIgM抗体は,立体構造が柔軟でないため,10個の抗体活性基がすべて抗原との結合に使われるわけではなく,有効抗体活性基の数が少なくなり,2個の抗体活性基(Fab)がともに抗原との結合に関与できるIgG抗体と比較してR-R法での検出はしにくい.」という個所の意味がよくわかりませんでした.詳しくご教示ください.

質疑応答 臨床生理

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 〔問〕近年,受動喫煙が生体に悪影響を及ぼすことが注目されるようになりましたが,肺機能に対してはどのような影響があるのかご教示ください.

基本情報

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臨床検査
34巻8号 (1990年8月)
電子版ISSN:1882-1367 印刷版ISSN:0485-1420 医学書院

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