学会印象記 第40回電気泳動学会春季大会
二次元電気泳動法の活用と問題点
中村 和行
1
Kazuyuki NAKAMURA
1
1山口大学医学部生化学第一講座
pp.894
発行日 1990年8月15日
Published Date 1990/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900225
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電気泳動学会は不惑の年を迎え,一層の発展と充実の道を歩みだしたところである.今回東京都老人総合研究所生化学部の大橋望彦先生を大会会長として,平成2年6月1・2日の両日野口英世記念会館に会員約300名が参加し第40回電気泳動学会が開催された.本会では,教育講演(2題),シンポジウム(6題),一般演題(29題中ポスター発表10題)の発表があった.教育講演1は「細胞バンクとアイソザイム」と題して国立衛生試験所の水沢博博士が国内における細胞バンクの実態と今後の展望を述べられた.細胞バンクでは培養細胞の品質管理が主たる業務であるが,細胞の純度の検定法としては従来細胞内アイソザイムの分析が行われてきたが,それに加えて最近ではDNA-profiling法,すなわちDNAフィンガープリント法を用いて各細胞株の個体識別をきわめて容易に行うことが可能となった経緯と実際を述べられた.
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