増大号 サッと読めてパッとわかる! 感染症診断メモ。
2章 性感染症
1.国内で実施可能な梅毒検査について,検査手法の違いと結果の解釈について教えてください.また,神経梅毒診断における各種検査(髄液RPR,TPHA,FTA-ABS)の位置付けについて教えてください
西川 ゆかり
1
,
福島 一彰
1
1がん・感染症センター都立駒込病院感染症科
キーワード:
神経梅毒
,
非トレポネーマ検査
,
STS
,
梅毒トレポネーマ抗体
,
TP抗体
,
髄液検査
,
Prozone現象
Keyword:
神経梅毒
,
非トレポネーマ検査
,
STS
,
梅毒トレポネーマ抗体
,
TP抗体
,
髄液検査
,
Prozone現象
pp.344-348
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690040344
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●梅毒検査には非トレポネーマ検査(STS)と梅毒トレポネーマ抗体(TP抗体)があり,両者を組み合わせて診断するが,STSは病勢評価,TP抗体は特異的診断に有用.
●検査結果の解釈には,臨床症状,過去の罹患歴と治療歴,免疫状態を考慮する.STS陽性/TP抗体陽性は初感染や再感染,STS陰性/TP抗体陽性は陳旧性梅毒や初期梅毒の可能性を示す.
●神経梅毒の診断において海外で標準的検査である髄液VDRLは国内で施行困難である.髄液RPRは特異度が高く,髄液TPHAとFTA-ABSは感度が高い.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)共感染例では髄液所見の解釈に注意が必要である.

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