●左心室がかなり小さくても心尖部まで達している場合は,出生後に左心低形成症候群とはならずに二心室循環が成立する可能性が高い.この場合,単純型大動脈縮窄症の鑑別を要する.
●臨床上重要な心室中隔欠損は,四腔断面ではなくfive chamber viewで大動脈弁近くに認めることが多い.
●完全大血管転位症などの流出路疾患の検出には,まずthree vessel viewやthree vessel trachea viewの異常を指摘し,次に各断面の間をスウィープすることで心室血管の連続性を診断していく.
●単独の総肺静脈還流異常症の検出には,左心房―大動脈距離の拡大,異常血管(垂直静脈)の検出など複数のスクリーニングポイントがあるが,なかでも肺静脈血流波形の平坦化は,肺静脈狭窄を伴う重症例の検出に有用である.