連載 Obstetric News
神経性無食欲症と骨の健康
武久 徹
1
1武久レディースクリニック
pp.190-191
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209911
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米国産婦人科学会(ACOG)のACOG Today's Headlines(2019年4月12日)において,「神経性無食欲症(anorexia nervosa : AN)の若い女性における経口避妊薬(oral contraceptives : OCs)は骨消失を制限する可能性がある」というタイトルでFertil&Steril誌に発表されたモンペリエ大学(フランス)の研究者たちの研究が紹介された.
研究対象はAN患者305人(年齢 : 14.5〜34.9歳)と正常体重の同年齢女性121人だった.面積骨密度(areal bone mineral density)を調べるためにDXA検査と骨代謝回転マーカー測定を行った.また,同時にレプチン(脂肪細胞によって作り出され,強力な飽食シグナルを伝達し,交感神経活動亢進によるエネルギー消費増大をもたらし,肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たすペプチドホルモンであり,食欲と代謝の調節を行う)を調べた(研究期間2009年〜2016年).制限型神経性無食欲症の定義は,DSM-IVの診断基準(無月経,体格指数18未満,体重増加の恐怖,体型の感じ方の障害)を満たす例とした.
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