臨床皮膚科 66巻4号 (2012年4月)

連載 Clinical Exercise・56

Q考えられる疾患は何か? 角谷 廣幸
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症例

患 者:16歳,男児,高校柔道部員

主 訴:頭部の膿疱を伴う発赤・腫脹・疼痛

既往歴:6~15歳,アトピー性皮膚炎.

家族歴:特記すべきことはない.

現病歴:1か月前より頭頂右側~右側頭部にかゆみを伴う紅斑が生じ徐々に拡大した.1週間前よりびらん,痂皮,痛みを伴う膿疱・腫脹,脱毛からなる局面となってきた.

現 症:頭頂右側~右側頭部に脱毛斑,発赤・腫脹が広く手掌大の範囲にみられた.部分的に膿疱,痂皮を伴う小膿瘍を伴った(図1).易抜毛性がみられた.BDR(black dot ringworm)の状態は認められなかった.側頸部リンパ節腫脹を伴っていた.

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要約 87歳,男性.15年前に右上肢の皮膚T細胞リンパ腫に対して放射線療法を行った既往があり,照射部位に一致したリンパ浮腫を認めていた.2010年7月,同部にリンパ漏出を認めるようになったため,当院形成外科でリンパ管細静脈吻合術を施行したが,術後より急速にリンパ漏出は増加し,暗紫紅色調の浸潤局面と多数の紫紅色結節が出現した.皮膚生検組織像から血管肉腫と診断した.循環動態が保てなくなったことから右肩関節離断術を施行した.術後補助療法としてweekly-docetaxel療法を開始し,現在も外来で継続中である.Stewart-Treves症候群は手術による増悪例が報告されており,自験例でもリンパ管細静脈吻合術による脈管操作を契機に急速に増悪した.

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要約 13歳,女児.5歳から紫外線曝露後に顔面や上肢に紅斑,水疱の出現を繰り返した.初診時,顔面に紅斑,痂皮を付すびらんが多発し,口唇では水疱,痂皮を伴う潰瘍を認め,眼球結膜の充血も伴った.顔面と両前腕には大豆大までの萎縮性瘢痕が散在した.下口唇の紅斑の病理組織像では,粘膜固有層上層から中層に異型性のないリンパ球が稠密に浸潤していた.下口唇の痂皮を検体としたRT-PCR法にてEpstein-Barr virus(EBV)潜伏感染細胞の存在が確認され,生検組織を用いて行ったEBER in situ hybridizationでも浸潤するリンパ球の一部でEBER陽性を示した.また末梢血単核球中EBV DNA量は1.1×103コピー/μ gDNAと上昇.種痘様水疱症はPhoto-Köbner反応によりEBV陽性T細胞の浸潤が促され,病態を形成する.悪性リンパ腫への移行例もあり,自験例は経過良好であるが,今後も末梢血単核球中EBV DNA量を測定し,症状の推移に注意する必要がある.

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要約 39歳,女性.Basedow病に対しチアマゾール内服中,感冒症状に引き続いて,四肢,臀部に血痂を付す浸潤性紅斑と口腔内潰瘍が多数出現した.病理組織では真皮中層に稠密な好中球浸潤を認めた.Sweet病を考えたが,臨床像が典型でなく,好中球性皮膚症と診断した.ペニシリンG投与とチアマゾール中止,Basedow病コントロールのためのヨウ化カリウム内服にて,一度皮疹は軽快したが,その後チアマゾール再開により皮疹が再燃した.抗甲状腺薬をプロピルチオウラシルに変更後も皮疹の再燃と軽快がみられた.皮疹の出没と甲状腺機能に相関はなかった.自験例では,内服薬,Basedow病の病勢にかかわらず,好中球数の増加に伴って皮疹が繰り返し出現しており,感染症や顆粒球減少を契機とした内因性G-CSFによる好中球増加が発症誘因として示唆された.

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要約 62歳,男性.特発性肺線維症の治療でピルフェニドン(ピレスパ®)の内服を開始した.約4か月後に両手背に掻痒を伴う皮疹が出現し,拡大したため,受診した.初診時,両手背に扁平隆起した灰青色局面がみられた.表面は光沢を帯び,白色の鱗屑を伴っていた.前腕屈側部にも灰青色斑がみられた.ピルフェニドンは光線過敏症の副作用報告が多く特に注意喚起されているが,自験例は臨床所見より光線過敏症は否定的であった.組織は表皮の不規則な肥厚,基底層の液状変性,表皮内,真皮上層のリンパ球主体の炎症細胞浸潤を認めた.モメタゾンフランカルボン酸エステル(フルメタクリーム®),タクロリムス(0.1%プロトピック®軟膏)を外用したが,皮疹,掻痒は改善しなかった.薬剤性の可能性を考え,初診より70日後にピルフェニドンを中止したところ皮疹は速やかに改善し,色素沈着を残して消退した.経過,病理組織学的所見よりピルフェニドンによる扁平苔癬型薬疹と診断した.発症機序についてはTNF-α産生抑制作用が関与している可能性を考えた.

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要約 12歳,女児.初診2年前より下口唇に白色調の色調変化を認め,次第に病変が線状に拡大し,白色調も増強してきた.初診時,下口唇正中右側の赤唇部に,軽度に陥凹する線状の白色萎縮性病変を認め,白唇部から下顎の一部にも病変が及んでいた.また,同部位の延長線上の歯肉にも萎縮を伴っており,歯槽骨の一部にも吸収像がみられ,歯の動揺を伴った.病理組織所見では,表皮に著変なく,真皮浅層の浮腫と真皮全層にわたる膠原線維の膨化,均質化を認めた.硬化性萎縮性苔癬との鑑別が問題となったが,小児期の発症で,骨病変を合併したことより,線状強皮症と診断した.小児口唇の線状強皮症はきわめて稀であり,成長障害,機能障害をきたすこともあるため注意が必要である.文献的考察を加えて報告する.

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要約 59歳,女性.当科初診の約1年前から右頰部に黄褐色丘疹が出現した.前医での切除標本よりアミロイドーシスと診断された.液体窒素療法などを行ったが徐々に増大・増数し,当科初診より8年を経て右頰部に最大5×3cm大,左頰部に1cm大の黄褐色隆起性病変を計4個認めた.全身検索にて全身性アミロイドーシスは否定された.右頰部の病変を単純切除し,皮弁形成術を施行した.切除病変のHE染色像では表皮直下から真皮全層にかけて淡好酸性無構造物質が沈着し,沈着物はコンゴ赤染色陽性,偏光顕微鏡下にて黄緑色の偏光を呈し,免疫組織化学染色では抗AL(λ)抗体陽性,電子顕微鏡では直走する細線維が互いに錯走していた.以上より皮膚限局性結節性アミロイドーシスと診断した.術後は患者の高い満足度が得られており,手術療法は積極的に試みる価値があると思われた.

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要約 57歳,男性.10年以上前から陰囊に表面が顆粒状の紅色有茎性腫瘤があった.1年前から新たに陰囊左側にも同様の腫瘤を生じ,急速に増大したため当科を受診し,局所麻酔下にそれぞれを切除した.病理組織像では表皮が乳頭腫状に肥厚・増殖し,不全角化を伴った.真皮には毛細血管が増生・拡張していた.真皮乳頭部には表皮に接するように泡沫細胞が多数存在し,verruciform xanthomaと診断した.本症は本邦では高齢男性の陰囊に好発する.外陰部に生じた本邦報告例を集計した結果,腫瘤の最大径が大きいものほど多発例の割合が高かった.また,罹病期間と腫瘤の個数には相関は認めなかった.

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要約 12歳,女性.自覚症状のない口唇・口腔内の白色局面を主訴に受診した.病理組織学的に有棘層が特徴的な膨化を示した.家族歴はなく,白色海綿状母斑(white sponge nevus)の孤発例と診断し,アジスロマイシン(ジスロマック®,400mg/日×3日間)投与により,病変は軽快した.家族性白色海綿状母斑および一部の孤発例ではケラチン遺伝子異常が確認されているが,過去の報告でも抗生剤内服や含漱,エトレチナート内服などの治療に対する反応はさまざまである.口腔内の白色病変の鑑別診断として考慮すべき疾患と考えた.

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要約 29歳,女性.右臀部に皮下結節を自覚していた.炎症後の粉瘤を疑い,切除した.組織学的には,病変は真皮内にあり,左右対称で,多数の角質囊腫からなっていた.角質囊腫は,最外層が基底細胞様細胞で,その内側に数層からなる有棘細胞様細胞が中心に向かって角化し,角質直下にケラトヒアリン顆粒様の顆粒を伴う部分がみられ,trichoadenomaと診断した.Tricoadenomaは毛包漏斗部への分化を示す毛包系腫瘍で,本邦報告例は自験例を含めて20例と少ない.臀部に発症した1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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要約 87歳,女性.右頰部に6.5×5.2mm大の扁平隆起する表面角化性顆粒状褐色局面を認め,その大部分はドーム状に軽度隆起し,さらに中心に円形の白色疣状局面がみられた.病理組織学的に腫瘍中央部はケラトアカントーマであり,その周囲およびケラトアカントーマの一部には脂漏性角化症の像がみられた.臨床像および組織像ともに脂漏性角化症局面内にケラトアカントーマを認めたことから,ケラトアカントーマが脂漏性角化症を母地として発生したと考えた.

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要約 66歳,男性.40年間のアルコール多飲歴がある.初診の約5年前より頸部の腫脹を自覚したが放置していた.1年ほど前から上腕や腰背部などにも同様の腫脹が出現した.徐々に増大したため,前医を受診し脂肪腫と診断されていた.数か月前から頸部圧迫感を自覚するようになったため精査目的で当科を紹介され受診した.頸部,両肩から上腕,腰背部,胸部に左右対称性に弾性軟の皮下腫瘤を認めた.病理組織像では,被膜を有さない成熟した脂肪組織の増生を認めた.CTおよびMRIによる画像検査においても,腫脹部位に一致して脂肪組織の増生がみられた.自験例は,良性対称性脂肪腫症であり,本邦においては稀な疾患である.本疾患の成因として高脂血症,高尿酸血症,糖尿病や内分泌疾患などが報告されており,アルコール大量摂取との強い関連も示唆されている.自験例でも軽度の高尿酸血症とアルコール依存症の既往があった.

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要約 57歳,女性.初診の約2年前に右下腹部の茶褐色の硬結を自覚した.徐々に増大し,近医にて切開・排膿したが硬結は消失せず,精査加療目的で受診した.初診時,皮内に存在する結節は径18mm大で表面平滑,弾性硬で圧痛はなかった.皮膚悪性腫瘍や内臓悪性腫瘍の皮膚転移を疑い全摘生検を行った.病理組織学的所見からmucoepidermoid carcinomaと診断し,唾液腺を含めた全身精査を施行したが,他の原発巣を疑う所見はなく,皮膚原発と診断した.皮膚原発mucoepidermoid carcinomaは非常に稀であり,その診断・治療法について統一見解は得られていない.特徴的な病理・免疫組織所見から診断し,治療は拡大切除を行うという報告が多くを占めている.

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要約 88歳,男性.2010年1月に左上腕に紅色腫瘤を自覚し,増大したため,同年3月,当科を受診した.初診時,左上腕に鶏卵大の無痛性暗紫色腫瘤を認めた.皮膚生検病理組織像では,真皮中層から脂肪織にかけて大型異型リンパ球が結節状に浸潤していた.表皮は正常で,Grenz zoneは保たれており,表皮向性を認めなかった.免疫染色で浸潤細胞は,CD20,CD79a,bcl-2,bcl-6,CD5染色陽性であり,multiple myeloma oncogene1(MUM-1)染色で,約10%の浸潤細胞の核が褐色に染色された.全身検索では転移性病変を認めず,原発性皮膚びまん性B細胞リンパ腫,下肢型(primary cutaneous diffuse large B-cell lymphoma,leg type:PCDLBCL,LT)と診断した.R-VCP(リツキシマブ,ビンクリスチン,シクロホスファミド,プレドゾロニン)療法を3コース施行後,放射線療法(計55Gy)を行い,現在完全寛解である.PCDLBCL,LTは高齢者に多く,予後不良であることから,他の病型と区別されており,早期診断と治療が重要である.

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要約 15歳,男児.臀部痛と発熱があり,第5病日近医に入院した.第8病日会陰部に激しい疼痛を伴う発赤,腫脹,紫斑が出現した.第9病日Fournier壊疽が疑われ当院へ救急搬送された.入院同日および第12病日の二度にわたって,左臀部を中心として,左鼠径部,会陰部,左大腿部まで広範にデブリードマンを行った.その後,全身状態,局所感染徴候は改善した.起因菌はEnterococcus faeciumであった.第64病日よりリハビリを開始し,第130病日独歩退院した.小児における壊死性筋膜炎の報告は少なく,健常人に発症した壊死性筋膜炎の起因菌がE. faeciumの報告もほとんどない.本症例では,IgEが12,871IU/mlと高く,乳児期より繰り返す湿疹病変や皮膚細菌感染症,肺炎の既往もあり,高IgE症候群が強く疑われた.後日,STAT3遺伝子の変異が確認された.壊死性筋膜炎の発症に,原発性免疫不全症である高IgE症候群が背景にあると考え,表皮における免疫不全と壊死性筋膜炎の因果関係につき考察した.

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要約 1歳5か月,男児.初診の1週間前より右側頭部に紅色隆起性病変を生じた.近医で抗生剤内服にて治療されたが軽快しないため,当科を受診した.初診時,右側頭部に20×20mm大の脱毛を伴うドーム状隆起性腫瘤で,表面には鱗屑痂皮を伴い,毛包一致性の膿疱を認めた.病理組織学的所見では,毛包周囲に多数の好中球,好酸球浸潤がみられ,一部に異物肉芽腫を認めた.皮疹の鱗屑の培養所見およびPCR-RFLP法(制限酵素切断片長多形法)にて,Trichophyton rubrumと同定.イトラコナゾール50mg/日(5mg/kg/日)1か月内服およびテルビナフィン3か月外用にて皮疹は治癒した.内服中に消化器症状や血液検査異常はみられず,外用に変更後も症状の悪化はみられなかった.小児に対してイトラコナゾールは比較的安全に使用できるものと思われた.

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要約 48歳,男性.海外旅行の添乗員.2010年5月ヨルダン,シリアに滞在し1週間ほど帰国した後グアムに滞在した.帰国後右大腿の紅斑に気づき,当科を受診した.右大腿外側に20×14cmの浸潤を触れる局面が存在し,その内部に14×12cmの熱感を伴う一様な紅斑と中央に少数の小水疱がみられた.病理組織像では境界部の強い浮腫と真皮全層から脂肪組織隔壁に及ぶ好酸球の著明な浸潤がみられた.塩酸ミノサイクリン200mg/日の内服が著効し,翌日から紅斑は改善,8日目に紅斑は完全に消退した.同剤を計28日間内服し,他臓器症状は出現しなかった.抗Borrelia抗体はIgMがELISA法で初診時,1週間後と陽性を示し,3週間後陰性化した.しかし,IgGはELISA法・ウェスタンブロット法いずれも陰性であった.マダニ刺咬や滞在地のライム病流行が明らかでなく,IgG抗体が上昇しなかったため典型例とは異なるが,紅斑は遊走性紅斑のhomogenous erythemaに相当すると考えた.ライム病の多彩な皮疹を認識することが重要である.

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要約 30歳,女性.10年ほど前より痤瘡を認めていたが徐々に増悪してきた.耳前部から頰部,頸部にかけて白色から紅色の小丘疹を密に認めた.個々の丘疹は,径2~3mmほどの閉鎖性の白色面皰が主体で,一部に紅色丘疹,膿疱も少数混在して認めた.治療はビタミン剤の内服,外用レチノイドに加え,やや大型の閉鎖性面皰に対して炭酸ガスレーザーによる治療を併用した.レーザー治療は,広範囲であったため部位を分けて計3回行い,治療開始の約3か月後には目立った瘢痕形成,色素沈着を残すことなく皮疹の改善が得られた.近年,面皰に対しては外用レチノイド(ディフェリンゲル®)の外用が頻用されている一方で,難治性の閉鎖面皰,強い刺激感や妊娠の問題などでディフェリンゲル®が使用できない症例などでは,CO2レーザーも治療法の1つとして有用であると考えた.

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 アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)に対する閉鎖療法は手順が煩雑である,副作用が明確でないことを理由に普及していない現状がある.ADに対する閉鎖療法の効果,副作用に対する大規模臨床研究はいまだ発表されておらず,検証が必要と思われた.そこで,検索データベースとしてPubMed,EMBASEを使用し,1996年1月~2009年2月の期間のADに対する閉鎖療法の論文を検索した.検索語彙はocclusion, occlusive dressing, wet wrap, atopic dermatitis, dermatitis or eczemaとした.結果,wet wrap therapy(WWT)に対する論文は計14本(randomized controlled trial:RCT 5本),dry occlusion therapyに対する論文は計4本(RCT 1本)であった.ただし,いずれの論文においても,対象人数,治療期間,外用ステロイドランクはさまざまであり,疾患重症度も統一されていなかった.エビデンスレベルの高いRCTにおいてもコントロール群が,単純塗布,保湿剤塗布とさまざまであった.WWTに対するRCT論文は主に重症AD,中等症ADに関するものであった.これらの研究から,重症ADに関する短期間治療の有効性が示された.ただし,中等症ADに関しては,単純塗布群とWWT群で統計学的有意差はなかったという報告があった.これらの結果に対しては,使用するステロイドランクや設定研究期間が適切であったかという吟味は必要であると思われた.副作用に関しては,ステロイド塗布WWT群において毛包炎,膿痂疹,化膿性結膜炎などの感染症が報告された.皮膚線状,皮膚萎縮に関しては,研究期間が短く軟膏濃度を希釈しているため報告はなかった.成長・骨異常に関しても,短期間の調査ではあるが有意差は認めなかった.視床下部-下垂体-副腎抑制に関しては,一部の研究においては治療終了後に認めたが,短期間で正常範囲に回復していた.以上,今回の検証により,閉鎖療法の重症ADに対する短期治療の有効性は示された.ただし,大規模研究がない現段階では,研究期間やプロトコールの基準がないため,各研究結果を比較しあうことが難しいという問題点も同時に示唆された.

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 悪性腫瘍は,自己複製能力と増殖・分化して子孫となる細胞を作る能力の双方を有する癌幹細胞から形成されることが,多数の癌で確認されている.

 基底細胞癌(basal cell carcinoma:BCC)は,結節型,表在型などの病型を問わず共通して,Hh/Gliシグナル経路の活性化が認められることが明らかにされているが,BCC癌幹細胞は解明されていない.筆者らは,Hh/Gliシグナル経路が活性化したBCC癌幹細胞のoriginが多数あり,originごとに異なる病型のBCCが形成されるのではないかと考えた.

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 医学書院から,尾身茂教授が刊行された『WHOをゆく――感染症との闘いを超えて』の書評を依頼された.

 尾身教授は私が勤務している自治医科大学の1期生である.新設の医科大学の1期生には開拓精神の旺盛な元気な学生が多かったが,自治医科大学の1期生も例外ではなかった.自治医科大学の場合,卒業生は各県に戻り,離島・へき地の医療に従事するという,世界に例を見ない新しい試みであったから,特に威勢の良い1期生が多かったと思う.

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第28回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会

テ ー マ The Cutting Edge in Skin Cancer―皮膚がん治療最先端

会  期 2012年6月29日(金)~30日(土)

会  長 山本 有平(北海道大学 形成外科)

会  場 京王プラザホテル札幌(〠060-0005 札幌市中央区北5条西7丁目2-1 TEL:011-271-0111)

第15回皮膚病理講座:基礎編

日  時 1日目 2012年7月15日(日)10:00~17:00

     2日目       16日(祝)09:00~16:00

会  場 大日本住友製薬(株)東京支社10階大会議室

     (〠104-8356 東京都中央区京橋1-13-1住友商事八重洲ビル)

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日本臨床体温研究会 第27回学術集会

日  時 2012年8月25日(土)

会  場 札幌医科大学記念ホール

第4回日本レックリングハウゼン病学会学術大会

テ ー マ ―扉をあける―

会  期 2012年11月4日(日)

会  場 慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール

     〠108-8345 東京都港区三田2-15-45

次号予告

投稿規定

あとがき 渡辺 晋一
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 日本の教科書を見ると慢性円板状エリテマトーデス(discoid lupus erythematosus:DLE)の治療はステロイドの外用ということになっているが,タイの皮膚科専門医は,ステロイドの外用は皮膚の萎縮を増長するので,使用すべきではないと述べている.確かにDLEは皮膚萎縮がみられる病変であるので,皮膚萎縮を起こすステロイド外用薬を使用するのは本末転倒といわざるを得ない.では海外ではどんな治療をしているかというと,抗マラリア薬である.日本でも以前クロロキンが使用されたことがあるが,クロロキン網膜症のため,その発売は中止になった.その後海外では網膜症をほとんど起こさない抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン(hydroxychloroquine)が開発され,DLEに対し世界中で古くから使用されている.この度日本でもようやくヒドロキシクロロキンの治験が始まったが,安い薬のためメーカーは仕方なくやっている.そして,その後押しをしたのは内科である.全身性エリテマトーデスではなく,その皮疹に対する薬であるにもかかわらず,皮膚科学会はまったく関与していない.ある皮膚科の先生にこのことを質問したところ,DLEは命にかかわる病気ではないから良いのだという.皮膚病の多くは命にかかわることは少ないので,命にかかわらない病気に関心がないということは,皮膚科そのものを否定することである.それで本当に良いと思っているのであろうか.それでなくても日本の皮膚科教授は患者の皮膚や血液を採取するのには熱心であるが,治療に関してはほとんど関心がない.一方,治療に関心がある先生はCOI絡みである.海外では安価で有効性・安全性が高い薬が存在するが,日本では不適切な治療薬が少なくない.日本の皮膚科治療は東南アジアより劣っていることを知っているのであろうか.また皮膚病変がみられる全身疾患患者は,皮膚科で治療され,手に負えなくなって内科で尻拭いされている.本当に日本の患者はかわいそうである.

著作財産権譲渡同意書

基本情報

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臨床皮膚科
66巻4号 (2012年4月)
電子版ISSN:1882-1324 印刷版ISSN:0021-4973 医学書院

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