Japanese
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症例報告
ステロイド局注療法が有効であった肉芽腫性口唇炎の1例
A case of cheilitis granulomatosa successfully treated with local steroid injection
古舘 和樹
1
,
鎌田 麻子
1
Kazuki FURUDATE
1
,
Asako KAMADA
1
1砂川市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Sunagawa City Medical Center, Sunagawa, Japan
キーワード:
肉芽腫性口唇炎
,
ステロイド局注療法
Keyword:
肉芽腫性口唇炎
,
ステロイド局注療法
pp.873-876
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207422
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要約 56歳,男性.X年5月頃より下口唇の腫脹を自覚し,近医を受診するも診断に至らなかった.無治療経過観察の後,腫脹の増悪を認めたため,X年11月に当科を受診した.口唇皮膚生検で真皮浅層から筋層,結合組織に至る非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,肉芽腫性口唇炎と診断した.疾患原因として歯性感染症や歯科金属に対するアレルギーの関与を疑い精査を行ったが,明らかな異常所見は認めなかった.内服治療として,ベポタスチンベシル酸塩,トラネキサム酸,ミノサイクリン塩酸塩,トラニストを使用したが一切の改善は得られなかった.最終的にトリアムシノロンアセトニドによる5回のステロイド局注療法にて口唇皮膚所見は著明に改善した.治療終了後1年経過時点で再燃を認めていない.原因精査加療後の内服治療で改善が十分でない症例に対しては,比較的侵襲や副作用の少ないステロイド局注療法が選択肢になり得ると考える.
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