Japanese
English
症例報告
Trichophyton rubrumによるケルスス禿瘡の1例
A case of kerion celsi due to Trichophyton rubrum
加来 信子
1
,
佐藤 真美
1
,
近藤 摂子
1
,
棚村 一彦
2
Nobuko KAKU
1
,
Mami SATO
1
,
Setsuko KONDO
1
,
Kazuhiko TANAMURA
2
1洛和会音羽病院皮膚科
2洛和会音羽病院臨床検査部
1Division of Dermatology,Rakuwakai Otowa Hospital,Kyoto,Japan
2Division of Clinical Laboratory,Rakuwakai Otowa Hospital,Kyoto,Japan
キーワード:
ケルスス禿瘡
,
Trichophyton rubrum
,
イトラコナゾール
Keyword:
ケルスス禿瘡
,
Trichophyton rubrum
,
イトラコナゾール
pp.357-361
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103227
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要約 1歳5か月,男児.初診の1週間前より右側頭部に紅色隆起性病変を生じた.近医で抗生剤内服にて治療されたが軽快しないため,当科を受診した.初診時,右側頭部に20×20mm大の脱毛を伴うドーム状隆起性腫瘤で,表面には鱗屑痂皮を伴い,毛包一致性の膿疱を認めた.病理組織学的所見では,毛包周囲に多数の好中球,好酸球浸潤がみられ,一部に異物肉芽腫を認めた.皮疹の鱗屑の培養所見およびPCR-RFLP法(制限酵素切断片長多形法)にて,Trichophyton rubrumと同定.イトラコナゾール50mg/日(5mg/kg/日)1か月内服およびテルビナフィン3か月外用にて皮疹は治癒した.内服中に消化器症状や血液検査異常はみられず,外用に変更後も症状の悪化はみられなかった.小児に対してイトラコナゾールは比較的安全に使用できるものと思われた.
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