Japanese
English
症例報告
左胸鎖関節部に生じた先天性皮下皮様瘻孔の1例
A case of congenital dermoid fistula at the left sternoclavicular joint
伊勢 美咲
1
,
安田 文世
1
,
木花 いづみ
1
,
栗原 誠一
2
Misaki ISE
1
,
Fumiyo YASUDA
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Seiichi KURIHARA
2
1平塚市民病院皮膚科
2湘南皮膚科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
2Shonan Dermatology Clinic, Hiratsuka, Japan
キーワード:
皮下皮様瘻孔
,
皮様囊腫
,
前胸部
,
胸鎖関節部
Keyword:
皮下皮様瘻孔
,
皮様囊腫
,
前胸部
,
胸鎖関節部
pp.234-238
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103915
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要約 1歳6か月,男児.低出生体重児,二卵性双生児.発育および発達は正常である.出生時より左胸鎖関節部に硬結があり,1歳6か月頃より排膿を繰り返すため受診した.30×20mm大,表面ドーム状に隆起する紅色結節で,波動を伴い,容易に排膿した.造影CT,超音波検査では,周囲臓器との交通はなかった.2歳時に全身麻酔下に摘出した.摘出組織は皮下脂肪織内に盲端を有する重層扁平上皮からなる瘻孔で,内腔に毛を含み,周囲に多数の毛包と,脂腺,汗腺を認めた.先天性皮下皮様瘻孔と診断した.本症は左胸鎖骨関節部に生じ,排膿を繰り返すことを特徴とする.皮様囊腫と類似した組織像を呈するが,臨床的には,発生部位や排膿,膿瘍形成の有無などに関して明らかな差があり,別の疾患概念と考える.
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