Japanese
English
症例報告
ピルフェニドンによる扁平苔癬型薬疹の1例
A case of lichenoid drug eruption due to pirfenidone
藤巻 光惠
1
,
伊藤 恵子
1
Mitsue FUJIMAKI
1
,
Keiko ITO
1
1川口市立医療センター皮膚科
1Depertment of Dermatology,Kawaguchi Medical Center,Kawaguchi,Japan
キーワード:
ピルフェニドン
,
扁平苔癬
,
薬疹
,
抗線維化薬
,
TNF-α阻害薬
Keyword:
ピルフェニドン
,
扁平苔癬
,
薬疹
,
抗線維化薬
,
TNF-α阻害薬
pp.305-309
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103216
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要約 62歳,男性.特発性肺線維症の治療でピルフェニドン(ピレスパ®)の内服を開始した.約4か月後に両手背に掻痒を伴う皮疹が出現し,拡大したため,受診した.初診時,両手背に扁平隆起した灰青色局面がみられた.表面は光沢を帯び,白色の鱗屑を伴っていた.前腕屈側部にも灰青色斑がみられた.ピルフェニドンは光線過敏症の副作用報告が多く特に注意喚起されているが,自験例は臨床所見より光線過敏症は否定的であった.組織は表皮の不規則な肥厚,基底層の液状変性,表皮内,真皮上層のリンパ球主体の炎症細胞浸潤を認めた.モメタゾンフランカルボン酸エステル(フルメタクリーム®),タクロリムス(0.1%プロトピック®軟膏)を外用したが,皮疹,掻痒は改善しなかった.薬剤性の可能性を考え,初診より70日後にピルフェニドンを中止したところ皮疹は速やかに改善し,色素沈着を残して消退した.経過,病理組織学的所見よりピルフェニドンによる扁平苔癬型薬疹と診断した.発症機序についてはTNF-α産生抑制作用が関与している可能性を考えた.
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