Japanese
English
症例報告
骨吸収を伴った小児口唇の線状強皮症の1例
A case of linear scleroderma on the infantile lip with born absorption
足立 剛也
1
,
宮本 樹里亜
1
,
大内 健嗣
1
,
大山 学
1
,
海老原 全
1
,
角田 和之
2
,
天谷 雅行
1
Takeya ADACHI
1
,
Julia MIYAMOTO
1
,
Takeshi OUCHI
1
,
Manabu OHYAMA
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Kazuyuki Tsunoda
2
,
Masayuki AMAGAI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2慶應義塾大学医学部歯科・口腔外科学教室
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Dentistry and Oral Surgery,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
線状強皮症
,
口唇
,
骨吸収
,
硬化性萎縮性苔癬
,
小児
Keyword:
線状強皮症
,
口唇
,
骨吸収
,
硬化性萎縮性苔癬
,
小児
pp.311-315
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103217
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要約 12歳,女児.初診2年前より下口唇に白色調の色調変化を認め,次第に病変が線状に拡大し,白色調も増強してきた.初診時,下口唇正中右側の赤唇部に,軽度に陥凹する線状の白色萎縮性病変を認め,白唇部から下顎の一部にも病変が及んでいた.また,同部位の延長線上の歯肉にも萎縮を伴っており,歯槽骨の一部にも吸収像がみられ,歯の動揺を伴った.病理組織所見では,表皮に著変なく,真皮浅層の浮腫と真皮全層にわたる膠原線維の膨化,均質化を認めた.硬化性萎縮性苔癬との鑑別が問題となったが,小児期の発症で,骨病変を合併したことより,線状強皮症と診断した.小児口唇の線状強皮症はきわめて稀であり,成長障害,機能障害をきたすこともあるため注意が必要である.文献的考察を加えて報告する.
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