Japanese
English
症例報告
Basedow病に合併した好中球性皮膚症の1例
A case of neutrophilic dermatosis associated with Basedow's disease
伊藤 瞳子
1
,
三橋 真理子
1
,
川名 愛
1
,
稲冨 徹
1
,
照井 正
1
Toko ITO
1
,
Mariko MITSUHASHI
1
,
Ai KAWANA
1
,
Toru INADOMI
1
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
1Division of Cutaneous Science,Department of Dermatology,Nihon University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
好中球性皮膚症
,
Basedow病
,
G-CSF
Keyword:
好中球性皮膚症
,
Basedow病
,
G-CSF
pp.299-303
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103215
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要約 39歳,女性.Basedow病に対しチアマゾール内服中,感冒症状に引き続いて,四肢,臀部に血痂を付す浸潤性紅斑と口腔内潰瘍が多数出現した.病理組織では真皮中層に稠密な好中球浸潤を認めた.Sweet病を考えたが,臨床像が典型でなく,好中球性皮膚症と診断した.ペニシリンG投与とチアマゾール中止,Basedow病コントロールのためのヨウ化カリウム内服にて,一度皮疹は軽快したが,その後チアマゾール再開により皮疹が再燃した.抗甲状腺薬をプロピルチオウラシルに変更後も皮疹の再燃と軽快がみられた.皮疹の出没と甲状腺機能に相関はなかった.自験例では,内服薬,Basedow病の病勢にかかわらず,好中球数の増加に伴って皮疹が繰り返し出現しており,感染症や顆粒球減少を契機とした内因性G-CSFによる好中球増加が発症誘因として示唆された.
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