Japanese
English
症例報告
良性対称性脂肪腫症の1例
A case of benign symmetrical lipomatosis
櫻井 英一
1
,
三浦 慎平
1
,
石川 雄一
1
,
高橋 和宏
1
,
赤坂 俊英
1
Eiichi SAKURAI
1
,
Shinpei MIURA
1
,
Yuichi ISHIKAWA
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Toshihide AKASAKA
1
1岩手医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology School of Medicine,Iwate Medical University,Iwate,Japan
キーワード:
良性対称性脂肪腫症
,
高尿酸血症
,
アルコール
Keyword:
良性対称性脂肪腫症
,
高尿酸血症
,
アルコール
pp.337-340
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103223
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要約 66歳,男性.40年間のアルコール多飲歴がある.初診の約5年前より頸部の腫脹を自覚したが放置していた.1年ほど前から上腕や腰背部などにも同様の腫脹が出現した.徐々に増大したため,前医を受診し脂肪腫と診断されていた.数か月前から頸部圧迫感を自覚するようになったため精査目的で当科を紹介され受診した.頸部,両肩から上腕,腰背部,胸部に左右対称性に弾性軟の皮下腫瘤を認めた.病理組織像では,被膜を有さない成熟した脂肪組織の増生を認めた.CTおよびMRIによる画像検査においても,腫脹部位に一致して脂肪組織の増生がみられた.自験例は,良性対称性脂肪腫症であり,本邦においては稀な疾患である.本疾患の成因として高脂血症,高尿酸血症,糖尿病や内分泌疾患などが報告されており,アルコール大量摂取との強い関連も示唆されている.自験例でも軽度の高尿酸血症とアルコール依存症の既往があった.
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