「連携の課題」の背景にあるもの
理学療法士等による訪問看護の増加
訪問看護とは、利用者が要介護状態となった場合においても、「可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生活を支援し、心身の機能の維持回復及び生活機能の維持又は向上を目指すもの」(介護保険法第59条)であり、訪問看護を実施できる者(従事者)は、「保健師、看護師、准看護師(以下、看護職員等)と理学療法士、作業療法士、言語聴覚士」(以下、理学療法士等)とされている。喜ばしいことに、訪問看護の従事者数は全体的に増えているが、そのなかでも、近年、理学療法士等の占める割合が増加傾向である(p.853)*1。
理学療法士等による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問できるという位置づけである(表1)。このことをふまえて、看護職員と理学療法士等が効果的に連携を図り、それぞれの専門性を発揮することができれば、利用者の能力を引き出し、社会活動への参加や生きがいにつながる質の高いケアが提供できると考えられる。