連載 認知症の人とその家族から学んだこと—「……かもしれない」という、かかわりの歳月のなかで・第20回
認知症の人とのコミュニケーションが開く気づきと対話の旅
中島 紀惠子
1,2
1新潟県立看護大学
2北海道医療大学
pp.918-919
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201075
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認知症の人とコンタクトを紡ぐまで
意識が清明でなく、自分の身体を操作できない人とも、何らかのコンタクトの回路はある。この考えはすでにさまざまな分野で論じられているが、特に看護分野においては、言語によらずともその人の意思自体を紡ぎつつ、コンタクトの可能性を開いてきたレポートが多い。
しかし、こと認知症に関しては、ケアする者のときめきのようなものを感じさせてくれるレポートにはなかなか出会えない。親しい看護師長から、「実のところ、重症期の認知症の人とのコミュニケーションは面倒だ」と聴かされたことがある。コミュニケーションしようにも、関係のリズムが崩れ始めると修正がどんどん難しくなり、収拾がつかなくなるというのだ。
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