特別記事
介護保険優先原則により高齢障害者と若年介護保険利用者が陥る問題—在宅ケア利用者の適切な支援のために
髙木 憲司
1
1和洋女子大学家政福祉学科
pp.902-906
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201071
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高齢障害者の問題とは
訪問看護・介護に携わられている読者の皆さんは「高齢障害者」と聞くと、どのような方々を想像するだろうか。元々若年であった障害者が歳を重ね高齢者となった方、あるいは、高齢者が後天的な障害を持たれた場合とが混在している状況にあるだろう。いぜれにせよ、これらの方々は、医療の進歩に伴って着実に増加してきている。近年、障害者福祉の世界では、この「障害者の高齢化」が大きな問題として顕在化してきている。
1つは、障害者が高齢化することにより、できていたことが(当然の老化現象として)できなくなるという問題。また、引きこもり状態の知的障害者や精神障害者を親が抱え込んでいて(そうせざるを得なかった状況もあって)、親が介護できない状況になって初めて「発見」されるという問題——いわゆる「80・50問題」もある。
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