看護管理 28巻2号 (2018年2月)

特集 認知症ケアプロセスの可視化 「認知症ケア加算」がもたらした成果と展望

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2016年の診療報酬改定において「認知症ケア加算1・2」が新設され,加算の算定が各施設で進んでいます。この算定は日本老年看護学会が看護系学会等社会保険連合を通じて提出したデータが基礎資料となっており,病院における認知症のケアプロセスやチームアプローチを明らかにしました。

本特集では,日本老年看護学会の協力のもと,「認知症ケア加算」が臨床現場にもたらした成果と課題を検証するとともに,さらなる認知症ケアの質向上と経済的評価を実現するための今後の展望を提示します。

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2016年診療報酬改定に向けて日本老年看護学会は政策提言の一環として要望書を提出し,中央社会保険医療協議会(中医協)での審議を経て,「認知症ケア加算1・2」の新設へとつながった。本稿では,この認知症ケア加算の提案から診療報酬化までの委員会の取り組みを振り返るとともに,看護の現場と看護系学術団体との協働の仕組みを持つことが,高齢者看護の質的向上を図る上で重要であることを述べる。

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日本老年看護学会政策検討委員会では,2016年診療報酬改定により導入された認知症ケア加算による影響を把握するための活動として,2017年3月に認知症看護認定看護師および老人看護専門看護師を対象としたWeb調査を実施した。本稿ではこの調査の結果の一部と,関連する認知症ケア加算に関連した研究の結果を紹介する。加えて,急性期病院において認知症ケア加算をどのように活用し発展させていくべきか,今後の展望を述べる。

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日本老年看護学会では,認知症ケア加算2の算定に対応するための「認知症看護研修」を実施している。同学会老年看護政策検討委員会の2016年度の活動の1つとして,認知症ケア加算2の算定を届け出た病院を対象に同研修の効果検証を目的とする調査研究を実施した。本稿ではその結果を共有するとともに,認知症ケア加算2の今後の展望を示す。

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国立長寿医療研究センターでは,高い専門性と実践能力に基づく認知症ケアを提供してきた。本稿では認知症ケア加算の主眼である「多職種チーム」によるケア提供の実際を,看護部として連携・協働する認知症看護チームの活動とともに紹介する。また,同じく認知症ケア加算の要件である「研修」の意義についても,他施設の看護師を対象に研修を実施する側の立場から考える。

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2016年の診療報酬改定で導入された認知症ケア加算が現場にどのような影響をもたらしたのかを知ることは,今後の政策やケアの提供体制を考える上で不可欠であるが,現状ではその評価を阻む障壁も多い。日本老年看護学会老年看護政策検討委員会による調査を踏まえ,認知症ケアの効果評価のために解決すべき課題について述べる。

巻頭 大学院で学ぶ看護管理学 現場の実践から新たな「知」を生むために・13

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大学院および研究室の特徴や魅力について,教員の立場からご紹介いただきます。

北海道初の学士課程による看護基礎教育

 北海道医療大学(以下,本学)は,薬学部,歯学部,看護福祉学部,心理科学部,リハビリテーション科学部の5学部8学科を有する医療系総合大学です。

 看護福祉学部看護学科は1993年に北海道初の学士課程による看護基礎教育を開始し,今年で25年目を迎えました。当時,看護と福祉を同じ学部に置くという全国でも先駆的な試みからスタートしました。

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2016年2月,金沢大学附属病院の一般病棟および精神病棟において,身体抑制がなくなった。ミトンやセンサーマット,監視カメラの使用も激減した。高度急性期病院かつ特定機能病院としての役割を担う同院で,なぜ抑制しない看護が可能になったのであろうか。

同院では2008年から臨床倫理に組織を挙げて取り組み始め,現在では各病棟で患者・家族にとっての最善を検討する「分岐点カンファレンス」が日常的に行われている。この倫理的な組織風土と各病棟看護師長のリーダーシップとスタッフのチームワークが,看護部を挙げた取り組みを大きく後押しした。

この取り組みについては弊誌2017年1月号,5月号において副病院長兼看護部長の小藤幹恵氏が紹介しているが,本号では,同院の看護管理者による座談会を通じて,抑制しない看護の実現に向けた組織的チャレンジの成果を可視化する。

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看護現場における倫理的課題を解決する上で,看護管理者のマネジメントへの期待は大きいが,実際にどう対応すればよいのかと悩む声も聞かれる。そこで1つの鍵になるのが「合意形成」という考え方である。先ごろ発行された『看護者のための倫理的合意形成の考え方・進め方』の著者である吉武久美子氏と,東京都立病院の看護職を対象とした倫理研修を企画・実施した前田久代氏に,看護管理者の役割や人材育成の在り方について,「合意形成」や「ファシリテーション」をキーワードに語り合っていただいた。

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がん患者と家族のために,病院外での新たな相談支援を提供するマギーズセンター。チャリティによって運営されていることも特色の1つだ。寄付をはじめとする資金調達を担う専門家としてファンドレイザーが各センターで活動している。

単なる資金調達に留まらず,組織を成長させ,社会から共感や参画を得るためのプロセスをつくるファンドレイジングという活動の意義を,2017年に英国のマギーズを訪れた経験から,2回にわたり紹介する。

連載 ファシリテーターのための看護リフレクション 経験から学べる看護師を育てる・11【最終回】

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 この連載は主にリフレクションをファシリテートする指導者・教育者を対象とし,実践から学び,新たな価値を見いだし,次の実践につなげることができる看護師の育成の手助けをしたいと考えます。また,「看護経験から学ぶ力をつける」ことをファシリテートする手立てを描きたいと思います。

 これらを通じて,多くの看護実践家が自分の実践をリフレクションできる,つまりセルフリフレクションができるようになることを期待しています。

 最終回となる今回は,看護師としての経験を振り返る場の実際を紹介します。

連載 看護の可視化 量と質の両面から適切な評価を考える・2

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本連載では,看護管理者として私自身が取り組んできた「看護の可視化」の実際について,事例と解説を通してひとつずつ紹介していきたいと思います。第1回では,看護という仕事の本質がいかに看護を見えにくくしているかを解説しました。第2回からは「患者の安全を守る看護」の可視化について考えてみたいと思います。

連載 キャリア形成に悩むあなたのためのリレーエッセイ わたしの師長時代・10

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 管理職の道に入るということは,個人の意思だけではなく,その時々の運命を拾うようなところがある。例えば,何らかの事情で看護師長のポストが空く,病院の方針が変わるなどである。そうした場合,もちろん意思確認はされるが,本人の意思よりも組織の意向が強く反映される。当然ながら,組織と個人(自分)の折り合いをつけながら,組織目標達成のために在る「看護師長」という職務を担うことになる。

 私が看護師長になったのは,就職して17年目のことである。病院の増改築に伴い,新しく開設する病棟ができ,その看護師長に任命された。病棟を一から立ち上げるのは魅力的な仕事と思えたため,「看護師長」がどういうものか深く考えずに引き受けたように思う。

連載 プログラムデザインで変わるファシリテーション あなたのスキルを現場に活かそう・5

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第5回では,参加型の場を企画するときに役立つ便利なツール「プログラムデザインマンダラ」を使いこなすためのノウハウを,順を追ってお伝えします。

連載 今さら聞けないビジネスフレームワーク・2

クロスSWOT分析 石井 富美
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 前回(1月号)行ったSWOT分析により,現状の分析をし,環境要因を整理することができましたが,具体的なアクションプラン,「いつまでに何を行うか」という戦略を立案するには,クロスSWOT分析を行います。

 SWOT分析の4つの要素(強み,弱み,機会,脅威)をクロスさせて組み合わせるので,クロスSWOT分析と呼びます。機会があって,その機会を活かせる強みがあれば積極的に取り組むアクションプランを立てることができますし,機会があっても,その分野に力を発揮できない要素(弱み)があれば,その弱みを克服して機会を活かすアクションプランになる,という考え方です。整理すると図1のようになります。

連載 コーチングと組織の関係性システムから考えるコミュニケーション 1人ひとりがイキイキ活きるチーム創り・2

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 毎回,冒頭に登場する医療コミュニケーション航海図©(以下,航海図)。医療コミュニケーションの全体像を捉える際のモデルとして,また皆さんご自身が臨床で患者さんやスタッフとのコミュニケーションを考える際の道標になれば,と考えて作成しました。今回は連載のイントロダクションとして,航海図の概略をお伝えします。

連載 ID×課題解決 インストラクショナルデザインを活用した教育プログラム開発・2

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この連載では,インストラクショナルデザイン(ID:Instructional Design)を活用した教育プログラムを作成し現場の課題解決を行った取り組みを,実践事例を交えて紹介していきます。

第2回は,「出口」である学習目標の設定と,「入口」である学習者分析を解説します。

連載 人生の終わりの日々のケアを訪ねて・2

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日本人の85%が最期の日々を過ごす場,病院。ある看護師が「病院では穏やかな死を経験することが少なく,自然な死が分からない」と漏らしました。グループホームでの自然で穏やかな旅立ちのリアルな姿に,心通う看取りケアのヒントを探してみませんか。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・140

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 あるとき,欧州暮らしの長い知人から,こんなことを言われた。

 「日本ではナイーブという言葉を,生まれたままのように純真なとか,子どものように素直なといった意味で使っているけれど,それは誤った使い方で,欧州では,世間知らずなとか,無知な(おめでたい)といった否定的な意味で使われているんですよ」

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今月の新刊紹介

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次号予告・編集後記 小齋 石塚

基本情報

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看護管理
28巻2号 (2018年2月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

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