小児内科 53巻3号 (2021年3月発行)

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特集　新しい健診-乳幼児期から思春期まで

Biopsychosocialな視点での健診の展望岡　明 53巻3号 , 2021年3月 , pp.324-328

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＜Key Points＞(1)これからの小児医療では、biomedicalに限らず、心理や社会の視点を加えたbiopsychosocial approachが求められており、個別に医師の面談が可能となる貴重な健診の機会での多面的なアプローチが重要となる。(2)虐待･ネグレクトなどのadverse childhood experiencesは、成人期の健康や社会生活に大きな影響があることが指摘されており、Life courseのなかで小児保健の重要性が認識をされている。(3)Social Determinants of Healthの観点でも、健康に関与するbiopsychosocialな健診を行う必要がある。(4)学校での集団健診は、confidentialityが求められるメンタルヘルスを含めた学童思春期の健診としては課題があり、今後は小児科医も個別のbiopsychosocialな健診体制への準備が必要と思われる。

新たな乳幼児健診に向けて　スクリーニング対象疾病の整理山崎　嘉久 53巻3号 , 2021年3月 , pp.329-333

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＜Key Points＞(1)データヘルス時代の母子保健情報の利活用に向け、健診プログラムとしての乳幼児健診事業の確立が求められている。(2)当研究班では、疫学的検討の条件に基づいてスクリーニング対象疾病を整理した。(3)また、疾病スクリーニングの精度管理や支援の評価方法を明らかにし、NDBを用いた医療経済学的な検討を行った。(4)乳幼児健診と他健診事業の連携、医療保険制度に基づいた医療サービスの複合的な情報の共有と利活用が必要である。

新しい学校健診弓倉　整 53巻3号 , 2021年3月 , pp.334-338

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＜Key Points＞(1)昭和33(1958)年に学校保健法(現在の学校保健安全法)が制定され、学校健康診断がそれまでの身体検査から｢健康診断｣となった。(2)平成28(2016)年から座高と寄生虫卵検査が必須項目から除外された。座高の代わりに身長･体重曲線の活用が求められた。(3)平成28(2016)年から運動器検診として脊柱･胸郭の異常に加えて四肢の異常が追加された。(4)色覚検査が必須検査から外れたことによる就業時の不利益の問題があり、色覚検査への配慮が求められた。(5)学校健康診断のデジタル化が、PHRと関連して検討されているところである。

集団健診と個別健診-乳児期から思春期まで切れ目のない健診を構築する神川　晃 53巻3号 , 2021年3月 , pp.339-343

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＜Key Points＞(1)乳児期から思春期にいたるまで切れ目のない個別健診を、Health Supervisionを参考に実施し健やかな子どもの育ちを支援する。(2)健診の質の担保のために1歳6ヵ月または3歳児健診は集団健診とする。(3)5歳児健診はSDQ(Strength and Difficulties Questionnaire)を用いて保育所･幼稚園で気になる子どもを中心に職員と園医とで実施する。(4)学校健診の効率性は残し、養護教諭など学校関係者と連携した個別健診の導入をはかる。

乳幼児健診の実際　2週間健診、1ヵ月健診佐藤　紀子 53巻3号 , 2021年3月 , pp.345-348

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＜Key Points＞(1)2週間健診、1ヵ月健診には、産婦健診と乳児健診の2つの意義があるが、周産期メンタルヘルスの問題に対応するため、産婦健診としての2週間健診、1ヵ月健診は公的な施策となっている。(2)生後2週間、1ヵ月健診では、乳児健診として、体重増加など、成長の確認と疾病の早期発見、母親への育児支援の役割がある。(3)2週間健診、1ヵ月健診では、母親が心身ともに不安定な時期であることを理解し、適切な対応と支援が重要である。

乳幼児健診の実際　3～4ヵ月児健診平野　静香 , 宮田　章子 53巻3号 , 2021年3月 , pp.349-353

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＜Key Points＞(1)体格の個人差が出てくる時期である。(2)首がすわり、あやし笑いや追視がはっきりするなどの反応が出てくるため、愛着形成が進む時期である。(3)産後うつ病の遷延など、子どものみではなく、家族、とくに母親の状況についても多職種の視点から評価を行い、必要な支援に早期からつなげる。

乳幼児健診の実際　6～7ヵ月児健診、9～10ヵ月児健診佐々木　渓円 53巻3号 , 2021年3月 , pp.354-358

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＜Key Points＞(1)乳児期の発達のkey monthであり、疾病や発達のスクリーニングが重要である。(2)離乳食を進める時期にも重なり、親子の顕在的、潜在的健康課題を明確化し、その解決に向けて親子が主体的に取り組むことができる支援が求められる。(3)6～7ヵ月児と9～10ヵ月児を対象とした健康診査では、医療機関に委託して行う個別健診の割合が比較的高く、関連機関との連携が期待される。

乳幼児健診の実際　1歳6ヵ月児健診小枝　達也 53巻3号 , 2021年3月 , pp.359-363

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＜Key Points＞(1)身体発育(身長、体重、頭囲)、身体所見の有無、運動発達、言語発達、社会性の発達、視聴覚機能の確認がポイントである。(2)食事、睡眠、排泄などの生活習慣や子どもとの遊びなど、家庭における子育ての様子のチェックも重要である。(3)保護者の子育てに対する不安や悩み、負担感、育てにくさなどにも留意する。

乳幼児健診の実際　3歳児健診小倉　加恵子 53巻3号 , 2021年3月 , pp.365-371

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＜Key Points＞(1)乳幼児期の法定健診としては最後の機会であるため、疾病や支援の必要性を見逃さない。(2)3歳児健診の診察では、言語･社会性の発達評価と視聴覚機能の確認がポイントである。(3)子どもの年齢とともに｢育てにくさ｣を感じる親の割合が増える。親の困り感や不安感に寄り添い、適切な支援につなげる。(4)職種間･機関間の連携を通じたbiopshchosocialな視点で親子の全体像を把握する。

乳幼児健診の実際　5歳児健診金原　洋治 53巻3号 , 2021年3月 , pp.372-375

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＜Key Points＞(1)早期発見から適時発見･適時支援へつなげる。(2)不安が強い子･要保護児童も対象にする。(3)市町の実状に合った形で実施する。(4)地域の関係機関との連携が大切である。

学校健診　学校健診のすべて谷村　聡 53巻3号 , 2021年3月 , pp.376-379

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＜Key Points＞(1)学校保健に関する活動は学校安全保健法と関係法規を遵守する。(2)学校健診は事後措置が重要である。(3)健康診断の結果を積極的に活用して、健康相談や地域社会と協働した健康教育･学校保健委員会を運用することが、学校だけでなく地域社会の健康問題解決に対する有効な対策となる。

学校健診　成長曲線の問題点と活用村田　光範 53巻3号 , 2021年3月 , pp.380-383

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＜Key Points＞(1)1888年以来2014年4月30日の文部科学省通知まで、学校健康診断における身長と体重の測定値は体格の判定のみに用いられた。(2)1937年以降は体格評価と併せて、身長と体重の性別･年齢別平均値が将来の日本人の体格が大きくなる指標として重要視された。(3)学校健康診断において体格評価が重要視された理由は｢欧米人の体格に追いつき、追いこせ｣であった。(4)2000年ごろから日本人小児の体格向上は頭打ちになっている。(5)2014年4月30日の文部科学省通知のなかで｢児童生徒等の発育を評価する上で、身長曲線･体重曲線等を積極的に活用することが重要となること｣と記載されたことは画期的である。(6)学校関係者は身長と体重の測定値は身長･体重成長曲線および肥満度曲線として評価することが必須であることを認識する必要がある。

学校健診　精神的問題高橋　謙造 53巻3号 , 2021年3月 , pp.384-386

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＜Key Points＞(1)軽度発達障害児に対して、5歳児健診を活用した早期介入により、学校への不適応事例などを減少することが期待できる。(2)思春期健診と心理教育アプリの併用が、十代若年層に対する自殺念慮･自殺未遂の予防に寄与することが期待できる。

健診で注意すべき他科疾患　眼科佐藤　美保 53巻3号 , 2021年3月 , pp.387-389

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＜Key Points＞(1)3歳児健診における視力検査では、弱視の見逃しがあるため屈折検査の導入が望ましい。(2)斜視は視力不良となるような重篤の疾患が隠れている可能性があるため、早期に眼科受診を勧める。(3)弱視は早期発見、早期治療によって視力の改善が期待できる。

健診で注意すべき他科疾患　耳鼻咽喉科(先天性難聴と後発難聴) 益田　慎 53巻3号 , 2021年3月 , pp.390-393

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＜Key Points＞(1)新生児聴覚スクリーニングで両側パスであっても、その後に両側難聴となり、補聴器や人工内耳を装着する児は存在する。(2)1歳6ヵ月児健診は人工内耳を適応する臨界期が迫っている時期に行われる。高度難聴児を確実に見つけ出す必要がある。(3)軽度難聴児を見つけるためには、3歳児健診で家族は気づいていないが、保育所や幼稚園では難聴を疑われている児に着目する必要がある。(4)発音がわるい児のなかに難聴児が潜んでいる。(5)就学時健診では片側難聴を見つけ出し、就学後の学校での支援につなげる必要がある。

健診で注意すべき他科疾患　整形外科朝貝　芳美 53巻3号 , 2021年3月 , pp.395-397

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＜Key Points＞(1)発育性股関節形成不全は生まれてすぐからの予防が大切である。(2)M字型開脚で下肢の自由な動きを妨げない。(3)向き癖による非対称肢位への対応や｢コアラ抱っこ｣などを指導する。(4)向き癖反対側下肢の開排制限に注意する。(5)大腿皮膚溝または鼠径皮膚溝非対称、家族歴、女児、骨盤位分娩のうち2項目以上あれば二次検診に紹介する。

健診で注意すべき他科疾患　皮膚科(アトピー性皮膚炎) 玉城　善史郎 53巻3号 , 2021年3月 , pp.398-400

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＜Key Points＞(1)アトピー性皮膚炎はそう痒を伴う湿疹が特徴的な分布をとる慢性･反復性の疾患である。(2)皮疹の性状や分布は年齢によって変化することを認識することが重要である。(3)治療はステロイドや免疫抑制薬の外用療法が基本であり、定期的に十分に塗布することが重要であることを保護者に理解してもらうことが大切である。(4)適切な時期に適切な治療や予防を行うことで症状をコントロールして生活の質を落とさないことが肝要である。

健診で注意すべき他科疾患　外科疾患浮山　越史 , 渡邉　佳子 , 阿部　陽友 53巻3号 , 2021年3月 , pp.401-404

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＜Key Points＞(1)耳前瘻孔は感染がなければ経過観察とする。(2)血管腫、リンパ管腫は早期に紹介する。(3)舌小帯短縮症は哺乳障害や構音障害がある場合は手術が必要である。(4)新生児期の大きな臍ヘルニアは皮膚炎を予防しながら圧迫療法を行う。(5)鼠径ヘルニアは嵌頓、卵巣捻転に注意する。(6)仙尾部の皮膚の凹みは、超音波検査で確認して二分脊椎と脂肪腫を確認する。(7)仙尾部の皮膚の凹みで尾骨より高位、左右へのずれ、皮膚病変、皮膚におおわれていない場合は、MRIで脊髄係留症候群、脊髄皮膚瘻を確認する。(8)乳児の包茎は尿道口が見えるまでの剥離とし、全体の剥離は小学校高学年でよい。(9)新生児、乳児期からの便秘症では低位鎖肛、Hirschsprung病の可能性がある。

健診で注意すべき他科疾患　健診時に注意すべき歯科疾患内川　喜盛 53巻3号 , 2021年3月 , pp.405-408

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＜Key Points＞(1)歯の発育･萠出異常は、遺伝的、全身的疾患との関連性が強い。(2)う蝕はミュータンスレンサ球菌の感染症であり、乳歯萠出期に定着するため、その阻止が最初のう蝕予防となる。(3)乳幼児期の歯みがきは、保護者による仕上げ磨きが基本であり、その確認と指導が重要である。(4)小児期の口腔機能は常に発達･獲得の過程にあり、機能の発達が遅れていたり、誤った機能の獲得があれば、その修正回復を早い段階で行うことが重要となる。

新たな思春期の健診　日本版Bright Futuresの確立を目指して阪下　和美 53巻3号 , 2021年3月 , pp.409-411

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＜Key Points＞(1)思春期の健康課題に対応するために積極的な一次予防が必要である。(2)心理社会面の評価を含む新しい形式の健診が必要である。(3)健康の社会的決定要因を意識して診察をする。(4)米国のヘルス･スーパービジョン診察は参考になる形式である。

新たな思春期の健診　内科診察上注意すべき点伊藤　純子 53巻3号 , 2021年3月 , pp.412-414

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＜Key Points＞(1)思春期の健診では二次性徴についても評価する。(2)変声、月経、成長スパートの確認は思春期の把握に役立つ。(3)児の羞恥心やプライバシーに配慮する。(4)二次性徴の正常と異常を知り、早期診断･治療につなげることは重要である。

新たな思春期の健診　思春期健診の実際永光　信一郎 53巻3号 , 2021年3月 , pp.415-420

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＜Key Points＞(1)思春期健診の面接･身体診察を通して、子どもたちが自分たちの健康意識を高めることができるように支援をする。(2)思春期健診の社会実装化の前段階として、二種混合ワクチン、日本脳炎ワクチン、HPVワクチン受診時の保健指導を開始してみる。(3)思春期健診の面接手法として、HEADSS(Home, Education, Activities, Drug use and abuse, Sexual behavior, Suicidality and depression)を用いる。

新たな思春期の健診　小児生活習慣病予防健診　『三木町健診』柴崎　三郎 , 宮崎　雅仁 53巻3号 , 2021年3月 , pp.421-424

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＜Key Points＞(1)小児生活習慣病予防健診は、全員を対象として実施されるべきである。(2)小児生活習慣病予防健診は、決して血液検査が目的ではなく、成人した後の生活習慣病を予防することが最終目標であることを忘れてはならない。(3)予防は、治療に勝る。(4)メタボ予防に配慮したニューノーマルライフを工夫しよう。

小児のアレルギー疾患　保健指導の手引き成田　雅美 53巻3号 , 2021年3月 , pp.425-428

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＜Key Points＞(1)健診はアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、気管支喘息への不適切な対応を検出して適切な受診勧奨をするよい機会である。(2)ハイリスク児へのアレルギー疾患発症予防などの保健指導は日常の診療現場でも活用できる。

症例

急性汎発性発疹性膿疱症が疑われた新生児の1例橋本　梨沙 , 中尾　寛 , 川上　沙織 , 田中　諒 , 吉田　和恵 , 窪田　満 , 石黒　精 53巻3号 , 2021年3月 , pp.430-433

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症例は生後29日の男児。発熱と発疹を主訴とした。近医受診時は、体幹、前頸部、腋窩に紅斑と小膿疱が認められ、38度台の発熱が持続した。ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)を疑い、精査目的で当院入院となった。新生児発熱の治療に準じて、セフォタキシム、アンピシリンの静脈内投与後、Nikolsky現象の陽性を認めた。SSSSを想定してセファゾリンの投与を開始した。しかし、全身いずれにも水疱が新生しなかったため、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)を疑った。皮膚は清潔に保ち、ワセリンによる保湿を継続した。入院6日目に皮膚病変は改善した。皮膚生検を行う機会を逸したが、臨床的にAGEPと診断し抗菌薬を中止し、入院10日目に退院となった。

細菌性腸炎との鑑別を要した新生児･乳児食物蛋白誘発胃腸症の3ヵ月男児藤田　雄治 , 黒崎　和典 , 佐藤　恵美 , 吉原　伸弥 , 大坪　勇人 , 鷹木　雄飛 , 加納　優治 , 吉原　重美 53巻3号 , 2021年3月 , pp.434-436

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症例は3ヵ月男児。発熱･下痢･哺乳不良を主訴とした。血液検査で炎症反応の上昇を認め、細菌性腸炎や菌血症を考え、便培養と血液培養を行い、抗菌薬を投与した。ミルク摂取後より症状が出現したため、ミルクによる新生児･乳児食物蛋白誘発胃腸症を疑い、母乳で栄養を再開した。症状は改善し、培養検査でも異常は認めなかった。アレルゲンリンパ球刺激試験を行ったところ陽性で、thymus and activation-regulated chemokineが高値であった。以上より、ミルクによる新生児･乳児食物蛋白誘発胃腸症と診断した。経過良好で入院7日目に退院となった。退院後は完全母乳栄養で成長･発育は順調であるが、生後5ヵ月時にアトピー性皮膚炎と診断された。

基本情報

小児内科
53巻3号
(2021年3月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0385-6305 東京医学社

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