特集 小児の炎症性腸疾患
炎症性腸疾患の治療とNUDT15遺伝子多型
加藤 元博
1
1国立成育医療研究センター 小児がんセンター移植・細胞治療科
キーワード:
Mercaptopurine
,
炎症性腸疾患
,
遺伝子多型
,
遺伝学的検査
,
骨髄抑制
,
MTH2 Protein
Keyword:
Mercaptopurine
,
Genetic Testing
,
Inflammatory Bowel Diseases
,
Polymorphism, Genetic
,
NUDT15 Protein, Human
pp.1292-1295
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020401133
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<Key Points>(1)炎症性腸疾患の治療に用いるチオプリン製剤の感受性には個体差が大きく、人種間でも感受性に差がある。(2)アジア人ではNUDT15多型の頻度が高く、両アレル多型の患者はチオプリン製剤に著しく高い感受性をもち、重篤な骨髄抑制などを生じる。(3)NUDT15多型のタイピングは保険収載され、標準的な検査として実装された。(4)チオプリン製剤の投与前に多型のタイピングを行うことで、十分な治療効果を達成しつつ有害事象のリスクを下げる適切な薬剤選択・用量調整が可能である。
Copyright© 2020 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.