症例
細菌性腸炎との鑑別を要した新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症の3ヵ月男児
藤田 雄治
1
,
黒崎 和典
,
佐藤 恵美
,
吉原 伸弥
,
大坪 勇人
,
鷹木 雄飛
,
加納 優治
,
吉原 重美
1獨協医科大学 医学部小児科学
キーワード:
下痢症-乳幼児
,
細菌感染症
,
鑑別診断
,
腸炎
,
発熱
,
乳児用調整乳
,
Chemokine CCL17
,
胃腸管アレルギー
Keyword:
Bacterial Infections
,
Diagnosis, Differential
,
Fever
,
Diarrhea, Infantile
,
Enterocolitis
,
Infant Formula
,
Chemokine CCL17
pp.434-436
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021297377
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症例は3ヵ月男児。発熱・下痢・哺乳不良を主訴とした。血液検査で炎症反応の上昇を認め、細菌性腸炎や菌血症を考え、便培養と血液培養を行い、抗菌薬を投与した。ミルク摂取後より症状が出現したため、ミルクによる新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症を疑い、母乳で栄養を再開した。症状は改善し、培養検査でも異常は認めなかった。アレルゲンリンパ球刺激試験を行ったところ陽性で、thymus and activation-regulated chemokineが高値であった。以上より、ミルクによる新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症と診断した。経過良好で入院7日目に退院となった。退院後は完全母乳栄養で成長・発育は順調であるが、生後5ヵ月時にアトピー性皮膚炎と診断された。
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