症例
急性汎発性発疹性膿疱症が疑われた新生児の1例
橋本 梨沙
1
,
中尾 寛
,
川上 沙織
,
田中 諒
,
吉田 和恵
,
窪田 満
,
石黒 精
1国立成育医療研究センター 総合診療部
キーワード:
Ampicillin
,
Cefazolin
,
Cefotaxime
,
Petrolatum
,
鑑別診断
,
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
,
スキンケア
,
視診
,
急性汎発性発疹性膿疱症
,
皮膚保湿剤
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Skin Care
,
Cefazolin
,
Cefotaxime
,
Petrolatum
,
Staphylococcal Scalded Skin Syndrome
,
Ampicillin
,
Acute Generalized Exanthematous Pustulosis
pp.430-433
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021297376
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症例は生後29日の男児。発熱と発疹を主訴とした。近医受診時は、体幹、前頸部、腋窩に紅斑と小膿疱が認められ、38度台の発熱が持続した。ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)を疑い、精査目的で当院入院となった。新生児発熱の治療に準じて、セフォタキシム、アンピシリンの静脈内投与後、Nikolsky現象の陽性を認めた。SSSSを想定してセファゾリンの投与を開始した。しかし、全身いずれにも水疱が新生しなかったため、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)を疑った。皮膚は清潔に保ち、ワセリンによる保湿を継続した。入院6日目に皮膚病変は改善した。皮膚生検を行う機会を逸したが、臨床的にAGEPと診断し抗菌薬を中止し、入院10日目に退院となった。
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