小児内科 53巻2号 (2021年2月発行)

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特集　必携!外傷と外科疾患への対応

外科医から小児科医へのメッセージ金森　豊 53巻2号 , 2021年2月 , pp.166-168

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＜Key Points＞(1)killer diseaseと考えられる、絞扼性腸閉塞や消化管穿孔は疑われたら早期に小児外科にコンサルトする。(2)手術治療が必要と考えられる疾患は、詳しい鑑別はさておいて小児外科への受診依頼をする。(3)小児外科医のなかでも治療法に意見が分かれる疾患が存在するので、そのような疾患を知り、その点を理解して小児外科医に相談をする。(4)外科疾患と内科疾患とで鑑別が必要な疾患群が存在するので、その場合にはこの特性を理解して小児外科医と連携して診断、治療にあたる必要がある。

救急医から小児科医へのメッセージ大濱　弘光 , 林　寛之 53巻2号 , 2021年2月 , pp.169-176

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＜Key Points＞(1)多発外傷が疑われる症例では、チェックリスト･薬剤投与量一覧表を利用することで、preventable deathを防ごう。(2)clinical decision ruleを利用して無駄な被曝を減らそう。(3)CHILD ABUSEやTEN-4ルールで虐待をスクリーニングし、早期発見、早期通告で子どもと母親を守ろう。

外傷　頭部の外傷鉄原　健一 53巻2号 , 2021年2月 , pp.177-181

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＜Key Points＞(1)内因性、外因性問わずすべての患者でABCDEアプローチを用いて緊急度を評価する。(2)ほかの外傷の合併、虐待の評価のため、全身を診る。(3)限界を知ったうえで頭部CT撮影基準を用いる。

外傷　口腔内の外傷福政　宏司 53巻2号 , 2021年2月 , pp.183-189

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＜Key Points＞(1)歯科医の緊急処置が必要な歯牙損傷分類を理解し、脱落した歯牙の適切な保存方法を選択する。(2)歯ブラシ外傷は予防可能な外傷である。可能なかぎり保護者に対して事故予防指導を行うことが望ましい。(3)魚骨など口腔内、咽頭および喉頭異物に対する診療マネージメントは各施設で小児科医、耳鼻科医、麻酔科医であらかじめ相談しておくとよい。(4)口腔内の外傷にのみ気を取られることなく全身診察を行うことを心がける。(5)虐待の可能性を常に考えて診療する。

外傷　胸部外傷後藤　保 53巻2号 , 2021年2月 , pp.190-194

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＜Key Points＞(1)小児の外傷のうち、胸部外傷は頭部外傷についで死亡率が高い。(2)小児は胸郭コンプライアンスの大きさから、外力が肋骨骨折を伴わず胸腔内臓器に伝播され、肋骨骨折を伴わずとも重篤な臓器損傷をひき起こす可能性がある。(3)成人と同様の診療手順を用いて生理学的異常徴候を速やかに同定し、適切な介入を行う。自身で対応できない病態とわかれば、迷わず応援を呼ぶ。(4)3歳以下の肋骨骨折は虐待の可能性を考慮する必要がある。

外傷　腹部外傷小野　滋 53巻2号 , 2021年2月 , pp.195-199

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＜Key Points＞(1)小児腹部外傷の診察では、受傷機転の確認とともに腹腔内臓器損傷の可能性を念頭におくことが大切である。(2)転倒、転落、打撲などによる外傷では、初診時に虐待による外傷の可能性の検討と除外を必ず行う。(3)超音波検査による腹水の有無、経時的増加傾向の確認は必須であり、造影CTも有用である。(4)実質臓器損傷の多くは保存的治療が可能であり、基本的には入院し輸液路を確保して経過観察を行う。(5)外科対応施設への搬送は、早めのコンサルトが望ましく、全身状態の安定している適切なタイミングで行う。

外傷　四肢の外傷　肘内障も含めて松井　鋭 53巻2号 , 2021年2月 , pp.200-205

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＜Key Points＞(1)四肢の疼痛や腫脹を主訴に来院する児でも、全身状態の評価を忘れずに行う。(2)骨折を疑い単純X線検査を行う際は、比較のため健側も同条件で撮影する。(3)受傷当日の単純X線写真で骨折を指摘できなくても、症状がある場合は後日骨折が判明する可能性がある旨を患者家族に説明し、疼痛部位の固定も考慮する。(4)虐待を疑わせる外傷の特徴を把握しておく。

外傷　陰部外傷植松　悟子 53巻2号 , 2021年2月 , pp.206-209

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＜Key Points＞(1)陰部外傷では、疫学を参考に詳細な問診が必要であり、診察では不安や疼痛を最小限にしながら行う。(2)とくに陰部からの出血では鑑別疾患は多岐にわたるので、専門診療科へのコンサルトのタイミングを逃さない。(3)性虐待である可能性も考慮する。

外傷　熱傷野澤　正寛 53巻2号 , 2021年2月 , pp.211-216

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＜Key Points＞(1)子どもの専門家としてABCDEアプローチに沿った生理学的評価を行う。(2)重症化の予測を行い、自施設で提供できる初期診療を迅速に行う。(3)自施設の限界を的確に判断し、搬送が手遅れにならないようにする。(4)虐待、事故予防の領域について子どもの専門家としてかかわる。

迅速な判断を必要とする疾患　急性虫垂炎　緊急手術 vs interval appendectomy(穿孔性、膿瘍形成性) 田中　潔 , 出家　亨一 , 渡部　靖郎 53巻2号 , 2021年2月 , pp.217-220

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＜Key Points＞(1)小児穿孔性虫垂炎に対するEA、IAは優劣がない。(2)EA、IAどちらを選択するか、施設内あるいは連携施設間の小児科医と外科医の間であらかじめ方針を決めておくべきである。(3)保存治療を選択する場合であっても、保存治療無効例などに対して外科治療が遅れることのないよう、初期から小児科医と外科医の間で情報を共有すべきである。(4)急性虫垂炎の診断には、放射線被曝を伴うCT検査ではなく、超音波検査を優先すべきである。

迅速な判断を必要とする疾患　腸重積の診断と整復法渡辺　稔彦 53巻2号 , 2021年2月 , pp.221-224

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＜Key Points＞(1)年齢と腹痛の特徴を把握すること、超音波検査を積極的に行うことで早期に診断できる。(2)機会があれば数多く非観血的整復に参加してスキルを向上させよう。(3)1例1例の経験をしっかり振り返り診断力を向上させよう。

迅速な判断を必要とする疾患　肥厚性幽門狭窄症　診断と治療のポイント　硫酸アトロピン療法と手術療法金　聖和 , 臼井　規朗 53巻2号 , 2021年2月 , pp.225-228

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＜Key Points＞(1)生後2～3週ごろから出現する非胆汁性噴水様嘔吐を伴う症例は、本症を念頭におく。(2)超音波検査による診断が主流となっており、幽門筋の厚さが4mm以上、幽門管長15mm以上で診断基準を満たす。(3)初回超音波検査で診断基準を満たさない症例であっても、後に診断基準にいたるケースがあるため、嘔吐症状が続く場合などはとくに超音波検査をくり返し行うことが重要である。(4)脱水やアルカローシスの評価およびそれらの輸液による補正は、本症に対する初期治療で必要不可欠の手順である。(5)本症に対する治療は、幽門筋切開手術のほかに硫酸アトロピンによる内科的治療も行われており、両者の特性を理解したうえで診療にあたる。

迅速な判断を必要とする疾患　腸閉塞症　開腹歴のない絞扼性腸閉塞の診断黒部　仁 53巻2号 , 2021年2月 , pp.229-234

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＜Key Points＞(1)原因疾患の鑑別診断よりも、手術を要するような緊急性の高い腹痛を見分けられる病態診断を最優先させるべきである。(2)小児で開腹歴のない急激な強い腹痛を伴う場合は、絞扼性腸閉塞を念頭において治療にあたる必要がある。(3)適切な輸液療法を開始し、全身状態の安定化をはかるとともに、手術に備えた準備を進め、小児科医と小児外科医が緊密に連携する。

迅速な判断を必要とする疾患　胆道閉鎖症　胆汁うっ滞性疾患の鑑別、スクリーニングの可能性大久保　龍二 , 佐々木　英之 , 橋本　昌俊 , 中島　雄大 , 仁尾　正記 53巻2号 , 2021年2月 , pp.235-239

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＜Key Points＞(1)胆道閉鎖症は早期発見、早期治療がもっとも重要である。(2)遷延性黄疸に対しては積極的に血液検査を行い、高直接ビリルビン血症を認めた場合は速やかに専門機関への紹介が必要である。(3)鑑別が必要な胆汁うっ滞性疾患としてAlagille症候群や進行性家族性肝内胆汁うっ滞症などがあるが時に鑑別が困難で直接胆道造影を要する場合がある。(4)カラーカードを導入した国々で、初回手術時日齢が早まり治療成績の向上が報告されている。(5)便色カード以外にもさまざまなスクリーニング法が開発され、数多くのパイロットスタディーが行われている。

迅速な判断を必要とする疾患　先天性胆道拡張症のプライマリケア洞口　俊 , 越永　従道 53巻2号 , 2021年2月 , pp.241-245

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＜Key Points＞(1)臨床所見や採血データなどから胆道疾患や膵臓疾患が疑われる場合に、低侵襲･簡易的検査法として超音波検査を行う。診断はPBMおよびCBDの診断基準による。(2)膵炎合併CBD症例の初期治療は、急性膵炎診療に準じて保存的加療を先行する。(3)胆道穿孔は、臨床所見や画像検査を総合的に評価し外科へコンサルト後、治療方針を決定する。

迅速な判断を必要とする疾患　自然気胸牧　ゆかり , 山口　隆介 , 世川　修 53巻2号 , 2021年2月 , pp.246-249

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＜Key Points＞(1)重症度により治療法はさまざまであるが、全身状態や呼吸状態が安定していれば保存的加療を選択できる。(2)胸腔穿刺は治療の有効性が示されており、保存的加療が有効でない場合にまず検討する。(3)緊張性気胸の場合はただちに胸腔穿刺、もしくは胸腔ドレナージを行う。(4)胸腔ドレナージや手術の可能性が考慮される場合は外科医へコンサルトが必要である。

迅速な判断を必要とする疾患　小児卵巣茎捻転症例の臨床像に関する解析笈田　諭 , 照井　慶太 , 中田　光政 , 小松　秀吾 , 柴田　涼平 , 川口　雄之亮 , 小関　元太 , 廣川　朋矢 , 菱木　知郎 53巻2号 , 2021年2月 , pp.250-254

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＜Key Points＞(1)女児の急性発症の腹痛･嘔吐では卵巣捻転を念頭におき、腹痛の局在と腫瘤の有無を丹念に診察する。(2)診断には画像検査が重要であり、tubal wall thickeningは有用なsignである。(3)近年は術中所見によらず卵巣を温存する術式が原則であるが、より多くの卵巣組織を残し、卵巣予備能の低下を防ぐため、速やかな診断･対応が必要である。(4)卵巣組織保存はまだ整備中の段階であるが今後検討すべき課題である。

迅速な判断を必要とする疾患　急性陰囊症　男児の腹痛を診たら矢内　俊裕 , 益子　貴行 , 東間　未来 53巻2号 , 2021年2月 , pp.255-260

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＜Key Points＞(1)男児の腹痛を診たら必ずパンツを脱がせて陰嚢も診察し、急性陰嚢症か否かを確認する。(2)急性陰嚢症ではcolor Doppler超音波検査を行って、｢精巣捻転｣と｢非精巣捻転｣疾患を鑑別する(3)精巣捻転と診断した場合や精巣捻転が否定できない場合には、緊急手術に備えて絶飲食を指示し、ただちに小児外科や泌尿器科にコンサルトする。

ていねいな診療を必要とする疾患　鼠径ヘルニアと停留精巣　低出生体重児、卵巣脱出ヘルニア、移動性精巣への対応も含めて岡和田　学 53巻2号 , 2021年2月 , pp.261-268

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ていねいな診療を必要とする疾患　臍ヘルニア　圧迫療法vs自然経過観察田附　裕子 53巻2号 , 2021年2月 , pp.269-273

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＜Key Points＞(1)生後1ヵ月以降5～10%に発症する。(2)臍ヘルニアの9割は自然閉鎖で治癒し、基本的には経過観察でよい。(3)最近では臍圧迫法が積極的に行われ、治癒がやや早いという報告がある。(4)いずれの治療においても、施設･医師により対応が異なるため、十分に保護者に説明する必要がある。(5)閉鎖しない場合には、相談のうえ、小児外科や形成外科の対応を要する。

ていねいな診療を必要とする疾患　胃食道逆流症　食道裂孔ヘルニアを含めて深堀　優 , 石井　信二 , 橋詰　直樹 , 古賀　義法 , 東舘　成希 , 升井　大介 , 坂本　早季 , 靍久　志保利 , 中原　啓智 , 七種　伸行 , 田中　芳明 , 八木　実 53巻2号 , 2021年2月 , pp.274-279

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＜Key Points＞(1)健常小児、とくに乳児のGER/GERDは成長とともに改善していく。一方で、GERDハイリスク疾患が存在し、噴門形成術が必要となることも少なくない。(2)健常児では、GERDを示唆する警告サインを認める場合に検査を検討する。しかし、GERDハイリスク疾患を有する児では、積極的に検査を検討してよい。(3)GERDの診断に用いる検査として、24時間食道pHモニタリング/食道インピーダンスpHモニタリングを行うことが推奨されているが、小児におけるGERDの診断は単独の検査の結果で行うのではなく、その関連症状の重症度と併せて行う。(4)健常児のGERDは原則保存的治療で対応する。噴門形成術の適応となる症例はGERDハイリスク疾患を有する児がほとんどで、基礎疾患を有さない健常児が適応となることはまれである。

ていねいな診療を必要とする疾患　Hirschsprung病･類縁疾患　新生児イレウスの鑑別松藤　凡 , 矢田　圭吾 , 吉田　響子 53巻2号 , 2021年2月 , pp.280-284

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＜Key Points＞(1)新生児期に、嘔吐、腹部膨満、胎便排泄遅延などを認めたときは、小児外科的疾患が疑われる。(2)先天性小腸閉鎖は緊急手術が必要であり、小児外科へ診療を依頼する。(3)Hirschsprung病の多くは、新生児期から腸閉塞症状を呈するが、症状が軽微なものでは、乳幼児期以降に診断されることがある。(4)Hirschsprung病類縁疾患はまれな疾患群であり、専門施設での診療が必要である。

ていねいな診療を必要とする疾患　低位鎖肛、肛門狭窄症　排便障害の鑑別と治療木村　俊郎 , 渕本　康史 53巻2号 , 2021年2月 , pp.285-288

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＜Key Points＞(1)低位鎖肛は会陰に瘻孔が開口しており、出生後の胎便排泄もあるため、新生児期に異常に気づかれないことがある。(2)肛門狭窄症の場合、会陰部のbucket handleが特徴的である。(3)正常な肛門の位置は、男児では会陰全体のほぼ中央で、女児では会陰全体の前方約1/3に開口する。低位鎖肛の場合は正常な肛門の位置よりも前方で瘻孔が開口する。

ていねいな診療を必要とする疾患　肛門周囲膿瘍　切開排膿vs漢方伊勢　一哉 , 岡村　敦 53巻2号 , 2021年2月 , pp.290-293

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＜Key Points＞(1)乳児の肛門周囲膿瘍は再燃をくり返すこともあるが、ほとんどは1歳ごろまでに自然治癒する。(2)切開排膿では、1回で治癒する場合、処置通院が必要な場合、再発する場合とさまざまである。(3)漢方治療では、十全大補湯や排膿散及湯がよく処方され、通院は少なくてすむ。(4)基礎的疾患が原因となる場合や、瘻孔になった場合には、小児外科へ紹介する。

ていねいな診療を必要とする疾患　筋性斜頸岩田　浩志 53巻2号 , 2021年2月 , pp.294-297

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＜Key Points＞(1)筋性斜頸は、生後2～3週で頸部の腫瘤や、顔が一方向しか向かないことで受診するケースが多い。(2)腫瘤は経過観察のみで徐々に縮小し、1歳～1歳6ヵ月時までには85～90%の症例で自然治癒する。(3)手術は原則3歳ごろまで待って行うのが賢明である。

ていねいな診療を必要とする疾患　頸部腫瘤　第4咽頭溝由来瘻孔高橋　正貴 , 金森　豊 , 沓掛　真衣 , 山岸　徳子 , 古金　遼也 , 小林　完 , 森　禎三郎 , 狩野　元宏 , 米田　光宏 , 藤野　明浩 53巻2号 , 2021年2月 , pp.298-302

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＜Key Points＞(1)第4咽頭溝由来の瘻孔遺残は左側に多く胸鎖関節の鎖骨骨頭上縁付近に開口する。(2)瘻孔は短く、鎖骨骨膜付近で終わり、超音波検査で盲端部まで描出可能である。(3)病理学的には瘻孔は咽頭溝由来の重層扁平上皮に裏打ちされており、時には咽頭嚢由来の円柱上皮を認める。

ていねいな診療を必要とする疾患　先天性股関節脱臼　現在の問題点松原　光宏 53巻2号 , 2021年2月 , pp.303-307

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＜Key Points＞(1)乳児股関節健診のスクリーニングには｢推奨項目｣の利用が推奨されている。(2)乳児股関節健診では以下の点に留意し二次検診に紹介することが重要である。(1)開排制限の有無に迷った場合、｢開排制限あり｣と判断し紹介する。(2)開排制限を認めた場合、体操指導や経過観察はせずに紹介する。(3)男児でも開排制限を認めた場合は紹介する。(4)保護者の精査希望があれば紹介する。

ていねいな診療を必要とする疾患　唇裂･口蓋裂渡辺　あずさ , 渡邊　彰二 53巻2号 , 2021年2月 , pp.308-311

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＜Key Points＞(1)ほかの疾患を合併していることが少なからずあるため、哺乳や呼吸などに問題がある症例では精査が必要となる。(2)｢口蓋床｣の着装によって、哺乳改善が見込まれる症例では、専門医への早期依頼が望ましい。(3)患者の裂型や症状、あるいは施設によって治療のプロトコールが異なる。概ね多角的なフォローを要する。

基本情報

小児内科
53巻2号
(2021年2月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0385-6305 東京医学社

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