臨床検査 42巻1号 (1998年1月)

今月の主題 骨髄腫細胞とその産生蛋白

巻頭言

多発性骨髄腫 加納 正
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 骨髄腫は主として骨髄における形質細胞の単クローン性腫瘍性増生とその産生物であるM成分(M-component)の存在によって特徴づけられる疾患である.しかし,M成分は骨髄腫の疾病特徴的(pathognomonic)所見ではない.M成分が証明されても,特に少量で安定した経過を示す場合は,monoclonal gammopathy of undeter-mined significance (MGUS)として経過観察にとどめる.一方,M成分が証明されない骨髄腫(非産生型,非分泌型)が存在する.

 世界一の長寿国となったわが国では,死亡率の低下に伴う高齢者人口の増加により,骨髄腫の死亡率の上昇が注目されている.今日のわが国においては,骨髄腫はまれな疾患ではない.

総説

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 Ig可変領域遺伝子の利用頻度,体細胞突然変異,クラススイッチの解析により,多発性骨髄腫における腫瘍細胞は正常後期メモリーB細胞や形質細胞と同じIg遺伝子の特徴を持ち,骨髄腫が抗原による刺激と選択を受けIgを分泌するように分化した細胞の腫瘍化であることが明らかとなった.また一部の症例ではIg遺伝子がサイクリンD1遺伝子,FGFR3遺伝子やC-MYC,BCL-2と再構成していることが知られるようになった.Ig遺伝子の超可変領域のDNA配列は骨髄腫細胞の分子マーカーとなり,微小残存病変の検出や腫瘍細胞の表面抗原の解析などにも応用可能である.

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 液性免疫の担い手であるBリンパ球は,骨髄で最終分化を遂げ,形質細胞となって抗体(主にIgG)を産生する.骨髄腫細胞は,ヒト形質細胞の単クローン性腫瘍細胞で,主に骨髄を増殖の場とする.正常形質細胞と同様,骨髄腫細胞も細胞膜表面上の接着分子の発現によって,種々の分化段階に分けられる.インターロイキン6(IL-6)は,骨髄腫細胞の増殖因子であるが,とりわけ,未熟骨髄腫細胞がIL-6に反応して増殖する細胞群であることが判明した.

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 ベンスジョーンズ蛋白が近代免疫学の世界に再登場したのは,発見から1世紀の冬眠を経た1952年のことである.周知のように,その後この分野の研究は爆発的展開を遂げることとなった.本稿では,生体防御の中核を担う抗体関連蛋白の構造特性ならびに,その代表的代謝異常アミロイドーシスとの関連性について化学の目で解説を試みる.

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 生体に含まれる蛋白質の多くは糖鎖を含んでいる.本稿ではまず糖蛋白質糖鎖の構造的特徴とこれを作り出す生合成の機構を解説する.そして,この知識を基にして免疫グロブリン中で生体において最も多く産生され,粘膜における局所感染防御において重要な役割を果たしている免疫グロブリンA (IgA)について,その糖鎖構造と機能的役割について紹介する.

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 検査からみた骨髄腫の病態について,血液学的異常,高カルシウム血症,サイトカインの異常の観点から概説した.血液学的異常のうち最も頻度の高いものは貧血で,その機序として骨髄腫細胞による正常造血の抑制,腎障害,サイトカインの異常などが関与している.また出血傾向をきたす機序についても概説した.骨髄腫における高カルシウム血症の機序として局所的な骨破壊のほか,腎障害,副甲状腺ホルモン関連蛋白やサイトカインの関与も推定される.骨髄腫の病態に関与するサイトカインとして,インターロイキンー1,インターロイキンー6,肝細胞増殖因子などを中心に,測定の意義も含め述べた.予後因子としての意義,治療法の選択,骨代謝との関係などについて,今後検討を要すると思われる.

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 Bリンパ系腫瘍において,同一の免疫グロブリン再構成を持った細胞が単クローン性に増殖してくる.この再構成を検出する方法として,サザーンブロット分析やPCR法などがある.その中で,免疫グロブリンH鎖(IgH)のCDRIII部分の再構成をPCRで検出する方法が腫瘍特異的で感度が高いといえる.現在,その診断的価値が検討されている.

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 レーザーフローサイトメトリーを用いた細胞表面マーカーの検査は造血器腫瘍表面マーカー検査として,白血病や悪性リンパ腫などのリンパ系腫瘍の単クローン性増殖の証明や腫瘍細胞の系統(lineage)の診断に有用である.多発性骨髄腫はB-リンパ球の成熟型である形質細胞の腫瘍化であるが,形態学的診断が比較的容易であるうえに,形質細胞に対する特異抗体が少ないため,表面マーカー検査はあまり普及していないが,比較的有用な検査である.

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 IgAサブクラスの測定は,IgA欠損症,IgA型骨髄腫などの診断に必要になることがあるほか,総IgAとしてとらえる日常検査のIgA値と,症状やほかの検査データが,矛盾するときに意味を持つことが多い.通常抗IgAサブクラス抗体を用いたELISA法による定量が行われる.

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 多発性骨髄腫の画像診断における各検査法の特徴ならびに所見について概説した.単純X線写真は簡便で,骨病変の診断に不可欠な検査法であるが,本症の初期には異常を認めないことが多い.骨シンチグラフィによる骨髄腫の検出率は低く,核医学検査のスクリーニングとしての臨床的意義はない.CTは横断像で骨の内部構造を詳細に観察でき,海綿骨内の小病巣の検出に有用であるが,骨髄病変の診断能には限界がある.MRIは軟部組織のコントラスト分解能に優れ,任意の断面像が得られるため,多発性骨髄腫の診断において最も有用な画像診断法といえる.病変の検出にはTl強調像が鋭敏で,骨外の軟部腫瘤を描出するにはT2強調像が適している.

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1.アポトーシスとは

 アポトーシスとはprogrammed cell death(PCD)とも呼ばれているが,細胞が細胞内に備わった機構を用いて死に至ることを指す.体内では,日々新しい細胞が作られると同時に,不要となった細胞や有害な細胞を処理する必要があり,この機構がアポトーシスであると考えられている.アポトーシスは,形態的には核の濃縮と断裂(図1a, b,図2),DNAの電気泳動でfragmen-tationを示すこと(図3)などで確認される.細胞膜上に発現するFas抗原を抗Fas抗体でクロスリンクするとアポトーシスが誘導される.癌細胞にもアポトーシスの機構が備わっており,多くの抗癌剤がこの機構を利用して癌細胞を殺していることがわかってきている.

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1.はじめに

 多発性骨髄腫(MM)の病態は,きわめて多様である.MMの病像や予後は,MM細胞の増殖能(腫瘍細胞回転)と腎機能や骨病変などの合併症に左右される.今日までに多くの予後予測因子が報告されているが1,2),臨床的あるいは生化学的因子の多くは,腫瘍量や合併症に関連する因子である.しかし,最近では腫瘍の質をより客観的に判断する因子が注目されるようになっている3,4)

 腫瘍の質的判断をするための手段としては種々のものがあるが5~9),形態学的異型度を知ることも簡便で,しかも有用な方法である4,6,9,10).本稿では骨髄塗抹標本を用いたMM細胞の形態学的異型度の観察方法を述べる.

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1.はじめに

 多発性骨髄腫は,B細胞の最終分化段階である形質細胞の腫瘍性増殖性疾患であり,モノクローナルな免疫グロブリンの増加,腎機能障害,貧血,骨融解や骨粗鬆症による病的骨折などを特徴とする.悪性リンパ腫をはじめいくつかの造血腫瘍は抗癌剤による化学療法により治癒が期待できるようになった.しかし,骨髄腫においては,25年以上前に導入されたメルファランとプレドニソロンによるMP療法1)以来,種々の組み合わせによる多剤併用療法やインターフェロンα(IFNα)が治療に導入された2)にもかかわらず,平均生存期間は3~4年にとどまっているのが現状である3).通常量のアルキル化剤耐性例および再発例に対してメルファラン大量静注やそのほかの大量化学療法,放射線療法と末梢血幹細胞移植(PBSCT)や自家骨髄移植(Auto-BMT)の併用が行われている.これらの移植療法はHLA適合ドナーが不要で,高齢者まで可能であることから,高齢者に多発するのが特徴のこの疾患にも適応があるが,骨髄中の残存腫瘍細胞の問題があり,PBSCTとAuto-BMTともに従来の化学療法に対する抵抗例や再発例に対しての成績は必ずしもよくない4).同種骨髄移植(Allo-BMT)は移植片対腫瘍反応などにより完治が期待できる治療法である5).しかし,Allo-BMTの適応は55歳までで,しかもHLA適合のドナーが必要であり,高齢者に多発する骨髄腫における適応はきわめて限られている.

 一方,近年のサイトカインに関する研究から,インターロイキン6(IL-6)が多発性骨髄腫の病態にかかわっていることが明らかとなった.そこで,IL-6のシグナルを阻害することによる治療が考案され応用されつつある.本稿では,多発性骨髄腫の病態を踏まえた新しい治療的アプローチについて解説する.

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1.はじめに

 多発性骨髄腫は,多彩な症候を示す難治性の造血器悪性腫瘍である.現在,種々の症候や併発する病態に対する検討・解析は進んできているものの,一定の染色体異常や遺伝子変化も認められておらず,病因論的には今後の検討が待たれている.加えて,近年は唾液腺型アミラーゼの産生や高アンモニア血症を呈する症例が,特にわが国から多く報告されるようになってきており,その病態自体にもわれわれの未知の現象が存在するようである.

 本稿では,われわれの経験した高アンモニア血症を合併した多発性骨髄腫の症例の概要を紹介するとともに,報告症例の文献的要約を試み,われわれの経験例から樹立されたヒト骨髄腫細胞株を用いた実験的検討にも触れ,骨髄腫細胞によるアンモニア産生を考察したい.

IgD型MGUS 木下 朝博
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1.はじめに

 骨髄腫,原発性マクログロブリン血症,原発性アミロイドーシスやリンパ増殖性疾患などの証拠を欠く単クローン性免疫グロブリン血症をmonoclonal gammopathy of undeterminedsignificance (MGUS)と言う1,2).血清M蛋白としてはIgG, IgA, IgM, IgDの各型が認められる.同様に尿中のみに少量のベンスジョーンズ蛋白(BJP)を認めるものの,多発性骨髄腫やマクログロブリン血症,アミロイドーシスなどの合併を認めないMGUSと類似の病態も報告されており,"良性"ベンスジョーンズ蛋白尿,ないしは"特発性"ベンスジョーンズ蛋白尿と呼ばれる3).これらの患者の約20%は多発性骨髄腫やアミロイドーシスに進展することが知られており,このためMGUSは前骨髄腫状態と考えられる.

 IgD型骨髄腫は骨髄腫の中ではまれな病型であり,全骨髄腫のうち約1~2%を占める.血清M蛋白量は他の病型に比較して少量であるが,一方,その臨床像はより悪性度が高く,ベンスジョーンズ蛋白尿,腎機能障害,髄外病変やアミロイドーシスを高頻度に伴い予後不良とされる3~6)

今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・1

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 当初の急性骨髄性白血病(AML)のFrench-American-British (FAB)分類には,AML-MOは含まれていなかった.この経緯からもわかるように,AML-MOは細胞形態学/細胞化学的方法のみでは診断できず,免疫学的マーカー検索によってはじめて診断できる亜群である.従来から骨髄系に最も特異性が高いと考えられる光学顕微鏡(光顕)的myeloperoxidase (MPO)あるいはsu-dan black B (SBB)が陰性,かつリンパ系抗原も陰性であるきわめて未分化な急性白血病(acute un-differentiated leukemiaまたはacute unclassifi-able leukemia; AUL)が知られていた.これらAULの芽球の中には電子顕微鏡(電顕)的MPO陽性顆粒が認められる例があったり,さらに骨髄系細胞の抗原性の検討が進むと,CD13あるいはCD33が最も骨髄系に特異的であることがわかり,AULにこれらが陽性である一群の存在が判明してきた.FABグループはこのタイプをAML-MOとしてAML分類に追加した.AML-MO診断の要約は表1に示した.診断上,最も大事な点は,MPOが十分染色されている標本でMPO陽性率を正確に算定することである.図1には,筆者らが初めて経験したAML-MO症例のMay-Grunewald/Giemsa (MG)染色による芽球を示した.FABグループが定義するタイプI芽球であり,原形質の空胞はMOの特徴というわけではない.AML-M1にみられる骨髄芽球とほとんど区別がつかないが,ときに核クロマチンが豊富で中型から大型のリンパ芽球様に見えることもあり,MO独自の形態的特徴を指摘することは困難である.光顕的MPOは陰性であったが,電顕的MPOは図2に示すように陽性顆粒を有する芽球を認めた.また,本例では抗MPOモノクローナル抗体を用いた免疫細胞化学法によって図3に示すように強陽性であった.このようにMOでは,酵素活性を示さないで抗原性のみを有するproenzymeと呼べる段階のMPOが存在する場合がある.図4には,最近経験したMO症例の芽球を示す.原形質が広く単球系細胞の可能性もあったが,非特異的esterase染色は陰性であり,flow cytometryでCD13, CD33陽性であり免疫細胞化学でも図5に示すようにCD13陽性であることを確認した.

コーヒーブレイク

紅萌ゆる 屋形 稔
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 京都大学検査医学教授だった村地孝さんが退官まもなく急逝されてから早いもので7年半の歳月が流れた.しかし彼氏の印象はときを経てさらに新たなるものが多い.

 名古屋市立大学生化学教授から検査医学領域に移り分析化学の新風を吹きこんだり,文部省の科研費を獲得しやすくしてくれたなど,功績は数多い.国立大学中検会議などでの弁舌さわやかな論旨,国際学会での外人そこのけの巧みな英語など才気奔ばしる存在は特有であった.私がご一緒した仕事では,ある人から私的な学術集会の結成を依頼され,河合忠さんと村地さんに相談して研究フォーラムを数年間続けたことがあった.検査隣接領域の名だたる研究者に年数回東京か関西に集まっていただき当時第一級の研究を開陳してもらい,ものすごいカルチャーショックを受けた.このときの村地さんの企画,他分野に対する深い理解からくる司会ぶりは今でも鮮やかに思い出される.

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

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はじめに

 fluorescence in situ hybridization (FISH)の開発は多くの分野に新しい進歩をもたらした.着床前診断はその1つの例である.

 FISHの最大の強みは分裂中期の細胞だけではなく分裂間期の細胞についても解析が可能なことである.しかし,FISHにはターゲットとした限られた染色体についての情報しか得られない弱点がある.われわれはその弱点に対してより多くの染色体についての情報を短時間で得る試み,すなわち,同一検体に対して2度FISHを行うMultiple-Probe FISH (以下multiple-FISH)を行ったのでここに紹介する.最近すべての染色体を識別できるFISHも開発されているが,われわれが行った方法は特別な機器を必要とせず通常のFISHを行う設備で施行可能である.

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

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はじめに

 Gaucher病とはライソソーム酵素の1つであるglucocerebrosidaseの活性低下により,その基質であるglucocerebrosideが網内系細胞に蓄積することによって引き起こされる肝脾腫を主徴とする脂質代謝異常症である.常染色体劣性遺伝の形式をとる先天性代謝異常症であり,リソソーム病のうち最も頻度が高い疾患である1,2)

 症状:肝脾腫による腹部膨満が最も多く見られ,脾機能亢進による血小板減少を伴うことが多い.さらに大腿骨頭壊死や圧迫骨折などの骨症状,肺浸潤による呼吸器症状などがみられる.また,痙攣,失調,眼球運動失行などの多彩な神経症状がみられることもある.

トピックス

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1.肺炎クラミジアとは

 肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)は,1989年に命名された新しいクラミジアである.人に感染し病気を起こすと,主に気管支炎,肺炎,中耳炎,副鼻腔炎などの呼吸器感染症の起因菌となる.さらに,最近では冠動脈硬化をはじめとする動脈硬化症や喘息との関連も示唆され,注目されている.

SAWによるイムノセンサー 廣田 晃一
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 近年,バイオセンサーの新しい流れとして,免疫反応をリアルタイムに検出しようとする,いわゆる直接型イムノセンサーの開発が進んでいる.とりわけ,酵素や蛍光標識といった化学修飾なしに,免疫反応に伴うさまざまな抗体の変化をとらえて検査する方法が考案されている.現在のところ,実用化されているのは光学的な原理を応用したものに限られるが,研究室レベルでは,質量検出型,電気化学型,熱検出型といったさまざまなイムノセンターの試みがあり,なかでも,近年の電子部品製造技術の進歩から,質量検出型イムノセンサーについての関心が高まりつつある.

 質最検出型のイムノセンサーというのは,水晶やタンタル酸リチウムのような物質が特つ圧電効果を利用するものである.圧電効果は,19世紀の終わりごろ発見されたもので,水晶のような物質に電圧をかけると振動が起こって超音波を発生する現象を言う.物質の表面に何かが吸着すると,その重さによって周波数が変化することから,物質の表面に抗体を固定化しておいて,抗原を反応させることで,抗原の定量が可能になる.この方法は水晶マイクロバランス(Quartz Crys-tal Micro balances;QCM)と呼ばれ,IgG,農薬,バクテリア,赤血球などの測定が報告されている.

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 Q クレアチニンクリアランス(Ccr)の2時間法と24時間法との臨床的意義の違いと基準値の違いの理由,また,今,最も良いと思われる,Ccrの方法と基準値もお教えください.

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 Q デジタルファイリング脳波計はどのようなシステムですか.このシステムを使用するとペーパーレスで脳波記録,保存ができるでしょうか.このシステムの使用における臨床医と検査部とのかかわりについて,また,アーチファクトの処理など,利点,欠点など,実用経験をもとにお教えください.

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 IgGサブクラスを測定する目的で,われわれはWHO推奨のモノクローナル抗体とWHO reference serum 67/97に基づく標準血清から構成された酵素免疫測定法(ELISA)によるキットを開発した.基礎的な検討の結果,希釈試験ではすべて原点に収束する良好な直線が得られ,同時,日差再現性とも高い精度を示し,他施設で日差再現性をみた場合もほぼ同等の精度と平均値を示した.特異性試験の結果,交差性はみられず,感度も良好で,IgGサブクラスの総和と総IgG値との関係を調べたところ良好な相関牲が認められたことから,本ELISAキットは特異性に優れ,高感度に精度よく測定が可能であると判断された.

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 気道閉塞の可逆性を評価するには,一般に1秒量(FEV1)の改善率が用いられてきた.最近,気管支喘息の診断・管理にピークフロー(PEF)の測定が重要視されている1).気管支拡張剤の効果を判定するのに,FEV1の代わりにPEFを使用できれば日常診療上有用と考えられる.今回われわれは,FEV1の改善率とPEFの改善率の関係を検討し,PEFの改善率による気管支拡張剤効果の判定基準を求めることを試みた.

基本情報

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臨床検査
42巻1号 (1998年1月)
電子版ISSN:1882-1367 印刷版ISSN:0485-1420 医学書院

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