今月の主題 骨髄腫細胞とその産生蛋白
総説
免疫グロブリン遺伝子
滝下 誠
1
,
小阪 昌明
1
Makoto TAKISHITA
1
,
Masaaki KOSAKA
1
1徳島大学医学部第1内科
キーワード:
多発性骨髄腫
,
免疫グロブリン遺伝子
,
体細胞突然変異
Keyword:
多発性骨髄腫
,
免疫グロブリン遺伝子
,
体細胞突然変異
pp.14-21
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903614
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Ig可変領域遺伝子の利用頻度,体細胞突然変異,クラススイッチの解析により,多発性骨髄腫における腫瘍細胞は正常後期メモリーB細胞や形質細胞と同じIg遺伝子の特徴を持ち,骨髄腫が抗原による刺激と選択を受けIgを分泌するように分化した細胞の腫瘍化であることが明らかとなった.また一部の症例ではIg遺伝子がサイクリンD1遺伝子,FGFR3遺伝子やC-MYC,BCL-2と再構成していることが知られるようになった.Ig遺伝子の超可変領域のDNA配列は骨髄腫細胞の分子マーカーとなり,微小残存病変の検出や腫瘍細胞の表面抗原の解析などにも応用可能である.
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