今月の主題 骨髄腫細胞とその産生蛋白
巻頭言
多発性骨髄腫
加納 正
1
Tadashi KANOH
1
1京都大学大学院医学研究科血液病態学
キーワード:
骨髄腫
,
単クローン性免疫グロブリン血症
,
骨髄腫細胞
Keyword:
骨髄腫
,
単クローン性免疫グロブリン血症
,
骨髄腫細胞
pp.7-13
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903613
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
骨髄腫は主として骨髄における形質細胞の単クローン性腫瘍性増生とその産生物であるM成分(M-component)の存在によって特徴づけられる疾患である.しかし,M成分は骨髄腫の疾病特徴的(pathognomonic)所見ではない.M成分が証明されても,特に少量で安定した経過を示す場合は,monoclonal gammopathy of undeter-mined significance (MGUS)として経過観察にとどめる.一方,M成分が証明されない骨髄腫(非産生型,非分泌型)が存在する.
世界一の長寿国となったわが国では,死亡率の低下に伴う高齢者人口の増加により,骨髄腫の死亡率の上昇が注目されている.今日のわが国においては,骨髄腫はまれな疾患ではない.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.