臨床眼科 65巻13号 (2011年12月)

連載 今月の話題

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 多焦点眼内レンズなどの出現により,白内障患者が期待する術後視力は良好な裸眼視力へと変化し,乱視矯正の重要性が高まっている。角膜輪部減張切開術(LRI)は,矯正精度はあまり高くないが,導入しやすい用手的手術である。矯正精度が低下する主因の1つは,本来の乱視軸と切開する位置との軸ずれである。本稿では,LRIでの軸ずれとその解決法について概説する。

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緒 言

 神経線維腫症1型(von Recklinghausen病)は,皮膚をはじめ各臓器に多彩な病変を生ずる常染色体優性の遺伝性疾患である1)。そのなかで頻度は低いものの脳腫瘍として神経膠腫,星細胞腫などを合併することがある2)。今回筆者らは,神経線維腫症1型の患者で,視力低下や視野欠損を主訴とし著明なうっ血乳頭を初発症状とした神経膠芽腫の1例を経験したので報告する。

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ファイトクラブにようこそ!

Round 1に引き続き,上方の裂孔による胞状網膜剝離に対する治療戦略を討論形式で考えていきます。

この症例,あなたならどういうアプローチをして治しますか?

ぜひRound 1からお読みください。おもしろさ倍増まちがいなしです。

連載 眼科医にもわかる生理活性物質と眼疾患の基本・24

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はじめに

 糖尿病網膜症は,高血糖を原因とする網膜微小循環での血管構造の障害(血管内皮細胞や周皮細胞の脱落)を基礎病態とし,血管透過性の亢進と末梢組織の虚血が引き起こされることから始まるが,そこには多くの生理活性物質の関与が考えられている。その種類も働きもさまざまであるが,血管障害をきたす高血糖由来の生理活性物質もあれば,血管障害の結果として誘導される生理活性物質もあり,さらに両者は時間的にも空間的にも複雑に絡み合っているため,一元的に理解することは難しい。

 現在,糖尿病網膜症に関する生理活性物質の研究は,動物モデルによる基礎研究と,増殖糖尿病網膜症あるいは糖尿病黄斑浮腫患者の硝子体サンプル解析による臨床研究が行われている。前者は網膜症の前段階,すなわち高血糖によって誘導される生理活性物質を,後者は網膜症の進行段階,すなわち血管障害による視機能障害をきたした状態での生理活性物質を分析・検討しているといえる。

 しかしながら基礎研究,臨床研究のいずれにおいても,現時点では個別の生理活性物質についての研究が主体であるため,本稿ではそのいくつかを紹介するにすぎないことを断っておく。

連載 つけよう! 神経眼科力・21

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 遺伝子異常による神経眼科疾患は多いのですが,今回は視神経疾患,特に日常診療で遭遇する機会のあるレーベル遺伝性視神経症(Leber's hereditary optic neuropath:LHON)と,常染色体優性視神経萎縮(autosomal dominant optic neuropathy:DOA)について書いてみたいと思います。

連載 『眼科新書』現代語訳

その9 清水 弘一
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 『眼科新書』第4巻は,他の5巻と同様の黄表紙で,表紙の左上に「眼科新書 四」と縦書きで横27mm,縦176mmの黒枠の白紙が貼られている。

 半紙を半折にしてあり,その背には「眼科新書 巻之四目録」が上半に刷られ,下にはページに相当する一の数字がある。本文のページの背には,「眼科新書 巻之四」が上半部にあり,下に一~三十三までの数字が書かれている。現代風の数え方では,本文は65ページあることになる。

今月の表紙

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 症例は46歳,女性。右眼の視力低下で近医眼科を受診し,眼底出血が認められたが,その時点では経過観察となった。数日後,ふらつきや悪心・嘔吐が生じたため他院内科を受診し,精査のため当院脳神経外科に紹介されたが,CT上は明らかな異常がなく症状も改善を認め,視力障害について当科で検査を受けることとなった。

 前眼部,中間透光体には異常がなく,眼圧は左右とも9mmHgであった。右眼底出血を認めたものの左眼底には異常はなかった。後日受診時,視力は右(0.8),左(1.2)であり,精査にて右眼底出血は色素上皮下に認められ,左眼底像は正常と思われた。しかし蛍光眼底造影検査では,早期に貯留し後期に染色される数十~数百μm大の円形の漿液性と思われる色素上皮剝離が後極に多発し,周辺部にも散在しているのが認められた。また光干渉断層計(OCT)検査では,それらがドーム状になっていることが確認された。今回の画像はその時点の左眼のもので,全身検査上も明らかな異常所見はなく原因不明となっており,右眼を含め精査・加療中である。

やさしい目で きびしい目で・144

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 1993年に医学部を卒業してからはや18年。当時は卒後臨床研修制度もなく,すぐに母校である鳥取大学眼科医局に入局し,眼科医としての道のりをゆっくりですが歩んできました。この原稿依頼をいただいたときに何について書こうかと悩みましたが,やはり3人の子育てをしながら大学病院で常勤医を続けてこられた経験談を書くしかないと思いました。

 まず,仕事と子育てを両立できた大きな要因は主任教授に恵まれたという点です。当時は結婚・出産を機に退局するのが暗黙の了解になっている科が多くありました。しかし,入局当時の主任教授・玉井嗣彦先生は奥様が現役の小児科医,2人の娘さんがともに眼科医ということもあり,女性医師が結婚・出産後も仕事をやめずに常勤医として働くことを積極的に勧めておられました。そのため,医局全体がお母さん医師でも仕事を続けていきやすい雰囲気と環境でした。タイトルの「急がず,休まず」は学位を取得したお祝いに玉井先生からいただいた和英辞書の表紙裏に書かれていた言葉ですが,今でもこの言葉に励まされながら頑張っています。玉井先生の退官後,赴任してこられたのが現教授の井上幸次先生です。井上先生も3姉妹のお父さんで女性医師をいつもあたたかく見守ってくださいます。タイトルの後半「ぼちぼちいこかー」は井上先生が赴任してこられた当初にモットーとしておられた言葉です。鳥取大学の眼科医局には子育て中の女性医師がたくさんいますが,その「ぼちぼちいこかー」に象徴されるほのぼのとした雰囲気が仕事をやめずに働き続けられる源になっているように思います。もちろん,いつも夜遅くまで緊急手術を行ったり急患対応をしてくださる周囲の男性医師や女性医師のサポートがあるからこそ,家庭と仕事の両立が可能となっているのだと思いますし,日々感謝の気持ちで一杯です。

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 1990年代以降に医学教育を受けたOSCE(Objective Structured Clinical Examination)世代と呼ばれる医師は「私は○○科のミノワです」と自己紹介でき,最後に「ほかに何か言い残したことはありませんか」とドアノブ質問ができる,という筆者らの観察は,評者もアンケート調査で実証してきた。また,評者らが開発したコミュニケーションスキル訓練コースを受講した,地域で高い評価を受けているベテラン医師が受講後にみせた行動変容は唯一,ドアノブ質問の使用増加であった。

 本書は,若い医師たちをこのように見ていながらも,日ごろ目にして耳にする患者からのクレームをもとにどうしても伝えたい「言葉」の話を医療従事者に向けてまとめた書物である。クレーム実例から出発しているのでリアルであり,真(しん)摯(し)な語りかけである。この領域で2冊のテキスト(『医療現場のコミュニケーション』『コミュニケーションスキル・トレーニング』,ともに医学書院刊)を執筆している評者にとっても,このような語りかけがどうしてもかくあるべしの理想論になりがちで非常に難しいのがわかるだけに,クレームからのアプローチは執筆の抑制を保つうえでうまい戦略だと感心させられた。

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要約 目的:手術後に眼圧が正常化した原発閉塞隅角緑内障眼での視野変化の報告。対象と方法:原発閉塞隅角緑内障37例37眼を対象とした。年齢は47~79歳(平均68歳)である。すべてに広範囲の周辺虹彩前癒着と高眼圧があり,隅角癒着解離術と水晶体摘出が行われ,眼圧が21mmHg以下にコントロールされた。術前の眼圧は24.0±7.4mmHg,最終受診時の眼圧は14.0±2.7mmHgであった。術後の視野をGoldmann視野計で測定した。結果:平均7.1±3.7年の術後観察で,37眼中10眼(27%)で視野障害が進行した。うち1眼では正常眼圧緑内障が併発したためで,9眼では原発閉塞隅角緑内障による視神経障害であった。結論:手術で眼圧が正常化した原発閉塞隅角緑内障眼でも,視野障害が進行することがある。

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要約 目的:リンパ球性下垂体炎の発症が疑われた妊娠中の症例の報告。症例:29歳女性が1週間前から右眼の中心が見えにくいとの訴えで受診した。妊娠30週であった。所見と経過:矯正視力は右0.6,左1.2で,限界フリッカ値(CFF)値は右29Hz,左40Hzであった。1週間後に右眼視力は0.07に低下した。両耳側半盲があり,磁気共鳴画像検査(MRI)で下垂体腫瘤があった。リンパ球性下垂体炎が疑われた。妊娠35週で帝王切開により出産した。出産2日前からベタメタゾン12mgを筋注し,出産当日からプレドニゾロンを6日間投与した。出産5日後に右眼視力は1.0に改善し,下垂体腫瘤は縮小した。以後19か月間の経過は良好で,視野もほとんど正常化した。結論:本症例はリンパ球性下垂体炎であった可能性が高い。

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要約 背景:多発性硬化症の特殊形である視神経脊髄炎で,特異的な自己抗体である抗アクアポリン4(AQP4)抗体が血清中に発見された。これにより古典的多発性硬化症と視神経脊髄炎が鑑別できる可能性がある。目的:抗AQP4抗体陽性視神経炎5例の報告。症例:過去1年間に視神経脊髄炎が疑われた16例で血清の抗AQP4抗体を測定し,5例(31%)が陽性であった。全例が女性で,年齢は15~78歳(平均50歳)であった。全5例に3椎体以上に及ぶ脊髄炎が併発していた。視神経炎はすべて片眼性であり,経過中に2例で対側にも発症した。矯正視力は光覚なしから1.2に及び,中心暗点,水平半盲,耳側半盲などの視野異常があった。3例はステロイドパルス療法で軽快し,1例は血漿交換療法の追加で改善した。結論:抗AQP4抗体陽性視神経炎は比較的高齢の女性に好発し,急速に進行し,脊髄炎が併発し,副腎皮質ステロイドなどの治療に反応する。その診断と治療では眼科と神経内科との連携が必要である。

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要約 目的:特発性眼窩炎症で眼球が後方から圧迫され,瞳孔ブロックが生じ,レーザー虹彩切開術が奏効した症例の報告。症例:60歳男性が12日前からの左眼充血と腫脹で受診した。所見と経過:矯正視力は右1.2,左0.6で,左眼に-3.5Dの近視があった。左眼の前房が浅く,眼圧は右16mmHg,左22mmHgであった。磁気共鳴画像検査(MRI)で左眼球の外後方に陰影があり,眼窩の炎症または腫瘍が疑われた。レーザー虹彩切開術で前房深度は正常化し,左右の眼圧がほぼ等しくなった。7日後に他施設で特発性眼窩炎症と診断され,ステロイドパルス療法で寛解し,左眼視力は-1.5Dの矯正で1.5に改善した。結論:本症例では,特発性眼窩炎症で眼球が後方から圧迫され,瞳孔ブロックが生じ,レーザー虹彩切開術が奏効したと解釈される。

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要約 目的:漿液性網膜色素上皮剝離を伴う加齢黄斑変性に対するラニビズマブ硝子体内注射の効果の報告。対象と方法:漿液性網膜色素上皮剝離を伴う加齢黄斑変性10例10眼にラニビズマブ硝子体内注射を行った。網膜色素上皮剝離の大きさは,1乳頭径2眼,2乳頭径1眼,3乳頭径3眼,3乳頭径以上が4眼であった。光干渉断層計により効果を判定した。視力はlogMARで評価し,0.2以上の変化を改善または悪化とした。結果:網膜色素上皮剝離は5眼で消失し,うち3眼で再発した。1眼で縮小し,4眼で不変であった。全10眼での最終視力は,2眼で改善し,8眼で不変であり,悪化はなかった。結論:漿液性網膜色素上皮剝離を伴う加齢黄斑変性に対するラニビズマブ硝子体内注射は,視力を向上または悪化防止させるが,病変が再発することがある。

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要約 目的:白内障手術後,トラボプロストを点眼中に囊胞様黄斑浮腫が生じた症例の報告。症例:70歳女性が視力低下で受診した。所見:矯正視力は右0.5,左1.0で,右眼に皮質白内障があり,眼圧は右27mmHg,左26mmHgで,高眼圧症と診断した。タフルプロストを1日1回点眼し,2か月後に右眼に白内障手術を強角膜切開で行い,アクリルレンズを挿入した。手術の2か月後にタフルプロスト点眼を再開し,3週間後にトラボプロスト点眼に切り替えた。4週間後に視力が0.5に低下し,光干渉断層計(OCT)で囊胞様黄斑浮腫があった。トラボプロストを中止し,視力はすみやかに改善し,囊胞様黄斑浮腫は消失した。結論:プロスタグランジン製剤による白内障術後の囊胞様黄斑浮腫は,主剤よりも防腐剤による可能性があるが,トラボプロスト点眼でも発症しうる。

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要約 目的:B群溶連菌による心内膜炎に続発した内因性眼内炎の症例の報告。症例:59歳女性が両眼に突発した視力低下で受診した。4日前からの倦怠感と微熱があり,インフルエンザと診断されていた。不整脈の既往があった。姉がMarfan症候群で,人工血管置換術を受けていた。所見:矯正視力は右手動弁,左光覚弁で,両眼に虹彩毛様体炎の所見と硝子体混濁があった。心雑音があり,超音波検査で三尖弁と僧帽弁逆流があった。前房水と血液の培養で,Streptococcus agalactiaeが検出された。B群溶連菌による心内膜炎に続発した内因性眼内炎と診断した。抗菌薬の全身投与と硝子体注射,右眼への白内障と硝子体手術などを行った。初診から4か月後に寛解し,0.15の右眼視力を得た。結論:全身状態が不良でただちに硝子体手術ができない内因性細菌性眼内炎では,抗菌薬の全身と硝子体投与が病変の緩和に有用である。

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要約 目的:Fuchs角膜内皮ジストロフィ4例4眼を生体共焦点顕微鏡で観察した所見とその検査の有用性の報告。対象と方法:Fuchs角膜内皮ジストロフィ4例4眼に角膜内皮移植術を行い,術前に生体共焦点顕微鏡で角膜内皮を観察した。すべて女性で,年齢は73~77歳であった。所見:全4眼ともスペキュラーマイクロスコープでは角膜内皮細胞の十分な観察は困難であった。生体共焦点顕微鏡では,角膜内皮面にhaloを伴う大小不同の類円形構造物が多数観察された。病理標本では多数の疣状突起が観察された。結論:スペキュラーマイクロスコープで角膜内皮の観察が困難なFuchs角膜内皮ジストロフィ4眼で,生体共焦点顕微鏡による診断が有用であった。

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要約 背景:悪性腫瘍に対する重粒子線照射では,効果の範囲と深さを限定でき,近接組織への副作用が少ないとされる。目的:上顎洞肉腫への重粒子線治療で放射線網膜症が発症した症例の報告。症例:28歳男性が両眼が見えにくいという訴えで受診した。14か月前に右上顎洞肉腫と診断され,化学療法ののち,10か月前までの1か月間,16回にわたり総量70.4 GyEの炭素イオン線治療を受けた。所見と経過:裸眼視力は左右とも1.0で,右眼底に軟性白斑と網膜出血が散在し,左眼底にも少数の軟性白斑があった。蛍光眼底造影で右眼の網膜に毛細血管瘤と無血管野があった。前医の資料で,右眼の眼底下鼻側と視神経が高線量域に含まれていた。放射線網膜症と診断し,右眼に光凝固を行った。以後8か月間の経過は良好である。結論:上顎洞肉腫への重粒子線治療で放射線網膜症が発症することがある。

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欧文目次

べらどんな 1911年
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 10月10日は「目の記念日」であり,「体育の日」でもあった。これは昭和39年(1964年)に東京でオリンピックが開催されたことが関係している。中国では10月10日は双十節として祝われる。今年はあの国では建国百年記念が盛大に祝われた。

 日本の明治44年に相当する1911年のこの日には,中国では辛亥革命があった。孫文(1866-1925)が中心となり,それまで約300年続いた清国の王朝が倒れたのである。孫文は,民族主義,民権主義,民生主義を柱とする三民主義を唱え,あの大きい国を統一した。

ことば・ことば・ことば 清と濁
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 中国の黒竜江省にハルピンという町があります。南北と東西の鉄道が交わる拠点なので,19世紀の終わりにロシア人が本格的な都市に作り上げました。町の中を松花江という大河が流れています。黒竜江の支流としてはもっとも大きく,戦前にあちらにいた人はスンガリーと呼んでいます。今でも新宿には「スンガリー」というロシアレストランがあります。

 今のハルピンは周辺の地域を合わせると人口1千万の大都市で,自動車など重工業の中心でもあります。ハルピン医科大学は新潟大学と姉妹関係にあり,人的な交流が活発に行われています。

べらどんな 宇宙飛行は眼に有害
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 かなり前のことだが,山登りが大好きな某君が眼科に入局した。当時は「半舷上陸」と称して,8週間ある7月と8月のうち,通算4週間の夏休みがもらえた。この制度が気に入って入局したのだそうだ。

 「山登り」といっても彼のは半端ではない。さすがに南極大陸は無理だが,5大陸の最高峰すべてに登頂するのが夢だという。

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投稿規定

著作権譲渡同意書

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次号予告

あとがき 根木 昭
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 今年も12月号を発行する時期となりました。振り返ると東日本大震災に始まり,国内外で災害の多い年でした。経済や政情にも大きな変革が起こる兆しがみえました。福島原子力発電所の被害も含め,いまだ震災復旧の目処は立っていません。阪神・淡路大震災の都市直下型の限局災害と比較して,今回の地震は津波による広域災害というまったく異なる様相を呈しました。災害派遣医療チーム(DMAT)による災害死からの救命は予想外に少なく,被災者に対する医療支援の主眼は慢性疾患治療の維持になり,災害医療の新たな側面を経験しました。

 眼科ではコンタクトレンズの支給や緑内障点眼薬の情報提供などが求められ,迅速に対応することができました。日本眼科学会と日本眼科医会,ならびに関係諸団体が共同で早期に災害対策本部を立ち上げ,情報を一本化したことが奏功しました。全国の会員から多くの義援金が集まり,被災された眼科医や眼科施設に配分できましたが,本当の復旧は地域の復興とともにあり,被災地の眼科医療の復旧をこれからも見守りたいと思います。

基本情報

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臨床眼科
65巻13号 (2011年12月)
電子版ISSN:1882-1308 印刷版ISSN:0370-5579 医学書院

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