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1993年に医学部を卒業してからはや18年。当時は卒後臨床研修制度もなく,すぐに母校である鳥取大学眼科医局に入局し,眼科医としての道のりをゆっくりですが歩んできました。この原稿依頼をいただいたときに何について書こうかと悩みましたが,やはり3人の子育てをしながら大学病院で常勤医を続けてこられた経験談を書くしかないと思いました。
まず,仕事と子育てを両立できた大きな要因は主任教授に恵まれたという点です。当時は結婚・出産を機に退局するのが暗黙の了解になっている科が多くありました。しかし,入局当時の主任教授・玉井嗣彦先生は奥様が現役の小児科医,2人の娘さんがともに眼科医ということもあり,女性医師が結婚・出産後も仕事をやめずに常勤医として働くことを積極的に勧めておられました。そのため,医局全体がお母さん医師でも仕事を続けていきやすい雰囲気と環境でした。タイトルの「急がず,休まず」は学位を取得したお祝いに玉井先生からいただいた和英辞書の表紙裏に書かれていた言葉ですが,今でもこの言葉に励まされながら頑張っています。玉井先生の退官後,赴任してこられたのが現教授の井上幸次先生です。井上先生も3姉妹のお父さんで女性医師をいつもあたたかく見守ってくださいます。タイトルの後半「ぼちぼちいこかー」は井上先生が赴任してこられた当初にモットーとしておられた言葉です。鳥取大学の眼科医局には子育て中の女性医師がたくさんいますが,その「ぼちぼちいこかー」に象徴されるほのぼのとした雰囲気が仕事をやめずに働き続けられる源になっているように思います。もちろん,いつも夜遅くまで緊急手術を行ったり急患対応をしてくださる周囲の男性医師や女性医師のサポートがあるからこそ,家庭と仕事の両立が可能となっているのだと思いますし,日々感謝の気持ちで一杯です。
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