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あとがき
根木 昭
pp.1978
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104046
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今年も12月号を発行する時期となりました。振り返ると東日本大震災に始まり,国内外で災害の多い年でした。経済や政情にも大きな変革が起こる兆しがみえました。福島原子力発電所の被害も含め,いまだ震災復旧の目処は立っていません。阪神・淡路大震災の都市直下型の限局災害と比較して,今回の地震は津波による広域災害というまったく異なる様相を呈しました。災害派遣医療チーム(DMAT)による災害死からの救命は予想外に少なく,被災者に対する医療支援の主眼は慢性疾患治療の維持になり,災害医療の新たな側面を経験しました。
眼科ではコンタクトレンズの支給や緑内障点眼薬の情報提供などが求められ,迅速に対応することができました。日本眼科学会と日本眼科医会,ならびに関係諸団体が共同で早期に災害対策本部を立ち上げ,情報を一本化したことが奏功しました。全国の会員から多くの義援金が集まり,被災された眼科医や眼科施設に配分できましたが,本当の復旧は地域の復興とともにあり,被災地の眼科医療の復旧をこれからも見守りたいと思います。
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