今月の表紙
網膜色素上皮剝離
天羽 崇
1
,
福田 望
1
,
根木 昭
2
1東海大学医学部付属病院
2神戸大学
pp.1881
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104023
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症例は46歳,女性。右眼の視力低下で近医眼科を受診し,眼底出血が認められたが,その時点では経過観察となった。数日後,ふらつきや悪心・嘔吐が生じたため他院内科を受診し,精査のため当院脳神経外科に紹介されたが,CT上は明らかな異常がなく症状も改善を認め,視力障害について当科で検査を受けることとなった。
前眼部,中間透光体には異常がなく,眼圧は左右とも9mmHgであった。右眼底出血を認めたものの左眼底には異常はなかった。後日受診時,視力は右(0.8),左(1.2)であり,精査にて右眼底出血は色素上皮下に認められ,左眼底像は正常と思われた。しかし蛍光眼底造影検査では,早期に貯留し後期に染色される数十~数百μm大の円形の漿液性と思われる色素上皮剝離が後極に多発し,周辺部にも散在しているのが認められた。また光干渉断層計(OCT)検査では,それらがドーム状になっていることが確認された。今回の画像はその時点の左眼のもので,全身検査上も明らかな異常所見はなく原因不明となっており,右眼を含め精査・加療中である。
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