臨床皮膚科 72巻11号 (2018年10月)

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要約 52歳,女性.3年前から左下腿内側に浸潤を有する母指頭大の紅斑が出現した.消長を繰り返しながら手拳大に拡大し紅斑局面となった.1年前から左腹部に同様の皮疹が出現し,いずれの皮疹も圧痛のある皮下結節を辺縁に伴っていた.限局性強皮症を疑い皮膚生検を施行し,真皮全層の血管周囲性の細胞浸潤と皮下脂肪組織の中型血管の壊死性血管炎を認め皮膚動脈炎(cutaneous arteritis:CA)と診断した.局面を呈する臨床所見からChanらの報告したinflammatory plaque with peripheral nodules typeのCAと考えた.皮疹はステロイド外用でわずかに色素沈着を残し数か月で消退した.インフルエンザ罹患時に皮疹が再燃したがステロイド外用で軽快し寛解を維持した.局面を呈するCAは稀だが見逃されている可能性もあり,原因や予後については不明な点が多い.辺縁に結節を伴う点が臨床的特徴であり,このような皮疹を診察した際にはCAを鑑別疾患として想起すべきである.

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要約 75歳,女性.子宮肉腫肺転移に対し,中心静脈(central venous:CV)ポートよりトラベクテジンを投与された.投与後3日目までは自他覚ともに合併症なく経過したが,投与4日目から発熱,右前胸部から肩にかけての腫脹疼痛が出現し,補液と冷却にて対応していた.改善がないため当科を紹介され受診した.初診時,胸部右側の広範囲にわたって腫脹しており,紅斑と紫斑が混在していた.CVポート抜去時,膿性排液はなく,本例をトラベクテジンの薬液漏れによる皮膚障害と診断した.その後,ポート抜去部に皮膚潰瘍が出現し,徐々に拡大した.最終的には約17×15cmの筋層に及ぶ潰瘍となった.デブリードマン,陰圧閉鎖療法を行い,全層植皮術にて治癒に至った.文献を渉猟した結果,トラベクテジンは起壊死性抗がん剤であり,血管外漏出が起こると自験例のような重篤な皮膚障害に至る可能性が示された.また,皮膚症状が遅発性に現れることが特徴と考えられた.

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要約 70歳,男性.6か月前から背部に瘙痒を伴う紅斑が出現し増数した.臨床と病理組織より尋常性乾癬と診断した.光線・外用療法にて経過良好であった.受診の2週間前より全身倦怠感が出現し,その数日後から外用できなくなり,加療を中断したところ,皮疹の範囲が急速に拡大し,2日前から38℃台の発熱を認め受診した.四肢には著明な浮腫を認め,全身がびまん性に潮紅し,落屑を伴っていた.PASIは56.8,CRPは11.46mg/dl.外用加療で皮疹は改善傾向を示すも,3日後には白血球数が9,900/μlと再上昇した.血液培養にてStaphylococcus aureusを検出した.経食道心エコーを施行し,僧房弁前尖に疣贅を認めたため,感染性心内膜炎を伴う乾癬性紅皮症と診断し,循環器内科へ転科した.乾癬が改善しても持続する発熱,炎症所見を認める場合は感染性心内膜炎を念頭に感染症の精査をする必要があると考える.

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要約 84歳,女性.初診の2か月前より上背部に自覚症状を欠く半米粒大の皮膚常色丘疹が多発した.生検病理組織像では真皮上層の膠原線維間に組織球が浸潤し,小集塊を形成していた.血清ACE値,血清リゾチーム値は正常範囲であり,CTでは肺門リンパ節腫脹を含め他臓器に肉芽腫性病変はなく,心電図および心エコーで異常所見なく,眼科的にも病変を認めなかった.苔癬様型皮膚サルコイドと診断した.ステロイド外用を行い,約2週間で皮疹は消退傾向を示した.過去の本邦における苔癬様型皮膚サルコイドの報告例を集計した.苔癬様型皮膚サルコイドは自然消退することもある予後良好な病型であるが,皮疹出現時と時期を違えて他臓器に病変を生じることがあり,経過観察が必要である.

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要約 57歳,女性.初診の約20年前より,左眉毛外側に皮内結節が出現,初診の半年前より急速に増大してきたため当科を受診した.左眉毛部外側には,圧痛を伴う35×25mm大の淡紫紅色調から常色調の多房性皮膚腫瘤を認めた.病理組織学所見では,典型的ならせん腺腫像とともに,汗孔腫様の所見や,紡錘形細胞への分化がみられ,さらに細胞極性が乱れた部位も観察された.標本を深切りして組織学的に検討した結果,分裂像の増加や核異型性等は目立たず,らせん腺腫と診断した.術後2年経過した現在,再発はみられていない.らせん腺腫は,さまざまな組織所見を呈することがあり,また長年経過したらせん腺腫は悪性化の可能性を考え,組織学的検討を入念に行う必要がある.部分的な検討では見落とすこともあり,腫瘍全体を十分観察して診断し,慎重に術後経過をみていく必要があると考える.

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要約 35歳,女性.7年前から腰部皮下腫瘍を自覚したが,増大なく放置していた.今回子宮筋腫精査の骨盤部MRI検査で指摘され紹介された.術前画像検査では,境界明瞭だが,深部筋層に一部浸潤が疑われる充実性腫瘍で,内部に豊富で不均一な血流を有し,周囲に側副血行路の発達を認めた.全摘した腫瘍の病理組織学的所見では,紡錘形や卵円形の腫瘍細胞が特定の配列を呈さず,毛細血管を伴って増殖しており,鹿角状分枝血管も散見された.免疫染色でCD34陽性,S100蛋白陰性,さらにSTAT6が腫瘍細胞の核内に陽性で,孤発性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor:SFT)と診断した.SFTは,線維芽細胞・筋線維芽細胞系腫瘍(中間悪性度群)に分類される血流豊富な軟部腫瘍である.SFTの大部分は予後良好だが,稀に再発を繰り返したり転移を生じたりする例もあり,注意深い経過観察が必要である.

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要約 32歳,男性.2014年初めより左前胸部に皮疹を自覚,増大あり同年10月に前医受診.切除生検の結果『反応性濾胞過形成』と診断,経過観察されていた.2015年2月,同部位に皮下結節が再燃し同年7月に精査目的で当科紹介受診した.初診時20×12mmの可動性不良な皮下結節がみられた.病理組織像で,真皮中層から皮下に結節性ないしびまん性に小型リンパ球,centroblastとcentrocyteがみられた.免疫染色で異型細胞はCD20,CD79a,CD10陽性,bcl-2,MUM-1陰性だった.免疫グロブリン重鎖の遺伝子再構成もみられた.検査結果より原発性皮膚濾胞中心リンパ腫と診断した.単発であり外科的切除を行う予定とした.しかしその後,皮下結節が複数新生し放射線療法を選択した.治療後病変は縮小,消失したが,半年後に項部に同病変が再燃し外科的切除を行った.術後2年経過するも再発はみられない.本病型においては,cutaneous lymphoma international prognostic indexを用いた予後判断と,早期かつ適切な確定診断が重要と思われた.

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要約 症例1:64歳,男性.半年前から全身に皮下硬結が多発し,当科を受診した.精査にて肺野に腫瘤影を認めた.関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に対して10年のメトトレキサート(MTX)投与歴があった.症例2:68歳,女性.10か月前より,左下腿に境界明瞭な穿掘性で黄色壊死組織を付ける潰瘍を認め,難治であった.RAに対して7年のMTX投与歴があった.両症例とも皮膚病理組織像にて,真皮から皮下脂肪織の血管周囲にBリンパ球の浸潤を認め,EBER ISH陽性であり,MTX関連リンパ増殖異常症と診断した.両症例ともMTX中止後2か月程度で速やかに症状は消退した.RA等でMTXを服用中の患者での多様な皮膚病変に関しては,本疾患の可能性も考慮すべきと考えた.また,治療については,MTX投与中止後に注意深い経過観察を行うことで,不要な化学療法を避けられる.

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要約 51歳,女性.勤務先の障害児支援施設の幼児に左肩を咬まれた.受傷部の疼痛が増悪し,受傷後4日目に前医で抗菌薬投与と切開排膿処置を受けたが,翌日改善しないため,紹介され独歩にて受診した.発赤は受傷部から胸部や頸部に拡がっており,膝窩と鼠径部には点状紫斑が見られた.発熱と頻脈,頻呼吸,全身倦怠感を認め,著明な炎症反応の上昇とプロカルシトニン上昇,凝固系異常とともに,肝・腎機能障害もみられ,敗血症を併発していた.抗菌薬と輸液,昇圧剤の投与で徐々に全身状態は改善した.創部からA群β溶連菌が検出された.受傷部の発赤は鎖骨側に拡大したが,追加切開と局所陰圧閉鎖療法で治癒した.ヒト咬傷により蜂窩織炎や化膿性関節炎などの局所感染症を発症することは知られているが,自験例のようなtoxic shock様症候群を発症することもあり,ヒト咬傷においても局所病変の重症化と感染症発症を念頭に置いて対処することが肝要と考えられた.

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要約 33歳,女性.初診12年前に1型糖尿病と診断され,インスリン注射を始めた.初診3か月前から左前腕に,1か月前から右大腿に結節が出現した.初診時,左前腕と右大腿外側に軽度隆起した紫紅色結節があり,圧痛を伴っていた.左大腿の結節から得た生検組織の病理組織像では真皮から皮下脂肪織にリンパ球や組織球,好中球が浸潤していた.生検組織の培養1週間で液体培地に白色微小コロニーが発育し,matrix-assisted laser desorption ionization-time of flight mass spectrometryでMycobacterium fortuitumと同定した.DNA-DNA hybridization法と16SrRNA遺伝子やhsp65rpoBのシークエンスもM. fortuitumに一致した.ミノサイクリンとレボフロキサシンを6か月内服し治癒した.本菌によるものも含め,インスリン注射部位に生じた非結核性抗酸菌症の報告がある.インスリン注射部位に結節や膿瘍,潰瘍を生じた場合,皮膚非結核性抗酸菌症を鑑別に挙げ,検査を進めるべきである.

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要約 86歳,男性.20年来の血液透析患者であり,自己免疫性膵炎に対しプレドニゾロン(PSL)5mg/日内服中であった.自宅屋内で転倒2か月後,左手背から前腕に膿瘍,潰瘍が多発し複数の抗菌薬治療を受けたが難治であった.病理組織所見では好中球,リンパ球,組織球からなる肉芽腫を形成し,円形の菌要素を確認した.PAS染色とGrocott染色で陽性に染まる菌要素を認めた.ポテトデキストロース寒天培地で黒褐色のコロニー上に灰白色の中央に皺のある湿潤性コロニーを形成し,スライドカルチャーでは細い菌糸と円形で小型の分生子形成を認めた.皮膚リンパ管型スポロトリコーシスと診断し,イトラコナゾール100mg/日の内服と温熱療法で徐々に上皮化した.PCRで原因菌はSporothrix globosaと同定された.血液透析,糖尿病,悪性腫瘍などの免疫不全がある患者に難治性の結節,潰瘍,膿瘍を生じた場合は,土壌と接触歴がなくてもスポロトリコーシスの可能性を念頭に置く必要があると考えた.

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要約 87歳,男性.初診2か月前の農作業中に左第1指間に異物が刺さり,その後同部位に隆起性病変が出現し,増大した.病理組織学的所見では真皮内に肉芽腫性病変と膿瘍を認めた.一部の多核巨細胞内に淡褐色の真菌要素があり,免疫組織化学染色では,PAS染色とGrocott染色陽性の菌糸型の真菌成分や胞子連鎖を認め,黒色菌糸症と診断した.膿汁からの塗抹染色および培養検査で黒色真菌を検出し,さらに,培養形態と塩基配列から本菌をExophiala jeanselmeiと同定した.皮下結節の全摘術を行い,その後再燃を認めなかった.近年,Exophiala属が分子生物学的に再分類され,過去に形態学的にExophiala jeanselmeiと同定されていた原因菌が,別種であった可能性があり,正確な菌種決定,記載には分子生物学的同定法の併用が望まれる.

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要約 2007年1月〜2016年12月の10年間に,自治医科大学皮膚科で生検し偽リンパ腫と診断した27例を対象として,臨床像,皮疹および浸潤する細胞の特徴,治療法とその効果を検討した.初診時の平均年齢は54歳で男女差はなかった.単発16例,多発11例で,26例が顔面に生じていた.皮疹の性状は,22例で結節を形成していた.浸潤する細胞は,B細胞優位17例,T細胞優位10例であった.治癒を確認した21例を検討したところ,切除8例,生検のみ6例,ステロイド外用5例,ステロイド内服および外用1例,ステロイド局注1例であった.偽リンパ腫は良性疾患であり,生検のみでも消退を望めるため,まずは確定診断を目的とした部分生検を考慮すべきと考えた.

マイオピニオン

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 1. はじめに

 この度,『臨床皮膚科』編集委員会より「地域医療の差異」について寄稿のご依頼を頂きました.私は前任地の群馬大学に24年在籍し,平成29年(2017年)から岩手県盛岡市にある岩手医科大学医学部(以下,岩手医大)皮膚科学講座に異動しました.異動後1年半を経過するところです.まだ岩手県の地域医療がわかっているとは言い難いですが,わかっている範囲で比較してみたいと思います.群馬県,岩手県とも東日本に位置し,県に大学医学部が1つしかないなど共通点が多いなかでの比較となるかもしれません.

連載 Clinical Exercise・134

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症例

患 者:日齢11日,女児

主 訴:顔,前胸部,頸部の水疱

既往歴:特記すべきことなし.

現病歴:在胎39週0日,経腟分娩にて出生した.生後2日目より頸部の水疱が出現し,経過観察していた.その後,左頰部,前胸部にも水疱が出現してきたため,当院に紹介され受診した.母親は性器ヘルペスの既往はなく,また妊娠経過中,分娩時も含め皮疹は認められなかった.

現 症:左頰部,前胸部に中心臍窩を伴う水疱と左頸部には一部痂皮を伴った水疱を認めた(図1).体温37.9℃,頸部リンパ節腫脹,肝脾腫は認められなかった.

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目次

欧文目次

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 アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は,先進国の子供の10〜30%が罹患する炎症性皮膚疾患であるが,多因子疾患であることから患者間で臨床経過,重症度や治療反応性が多様である.AD患者の皮膚細菌叢に関するこれまでの研究では,培養分離株に対する従来の分類法や細菌のマーカー遺伝子解析が用いられ,株ごとの遺伝子欠損や一塩基変異を解析することができなかった.ショットガンメタゲノミクス(サンプル中の全微生物ゲノムの塩基配列を決定するための手法)は,細菌叢の種から株レベルまでさまざまなレベルでの多様性の解析を可能にした.この論文では,ショットガンメタゲノミクスを用いて小児AD患者群における臨床経過を通じた細菌動態の解析を行った.AD増悪時の種レベルの解析から,重症例においては黄色ブドウ球菌が優位であり,軽症例においては表皮ブドウ球菌が優位であることが示された.一方,株レベルの解析では,すべての患者では多様な表皮ブドウ球菌株が発現していたことに対し,重症例では黄色ブドウ球菌における単一株の発現が明らかになった.さらに,AD患者と健常人からの黄色ブドウ球菌分離株をマウスに移植し,株レベルでの生物学的影響を解析した結果,黄色ブドウ球菌は株ごとに異なる皮膚炎形成能や免疫応答能を示すことが明らかになった.重症AD患者から分離された黄色ブドウ球菌株は,表皮肥厚と皮膚2型ヘルパーT細胞および17型ヘルパーT細胞の増殖を誘導した.本研究は,細菌叢の高分解能解析,培養,さらに動物モデル研究を組み合わせることにより,黄色ブドウ球菌株の機能的差異がADの多様な臨床像に寄与する可能性を示唆する.

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 本書は,第114〜116回日本皮膚科学会総会にて行われた教育講演「実践!皮膚道場」の内容を書籍化したものです.前作『実践!皮膚病理道場—バーチャルスライドでみる皮膚腫瘍』は腫瘍性疾患がテーマでしたが,今回は非腫瘍性疾患がテーマで日常診療において遭遇する可能性が高い炎症性疾患ならびに非炎症性皮膚疾患が取り上げられています.これまでの病理組織診断学の成書と異なる点はバーチャルスライドを使って標本を弱拡大から強拡大に子細に観察できることであり,そのバーチャルな標本を見ながら段階的に自己学習できる点です.

 病理診断は顕微鏡を見ながら指導医と1対1で学習することが理想ではありますが,必ずしもすべての方がそのような恵まれた環境にいるわけではありません.本書のような教材を使うことで,単なる病理診断当てクイズにするのではなく,弱拡大から強拡大で観察すべき所見を的確に読み取る能力と,それらの情報を統合して他の疾患と鑑別する能力を養うことができます.また,難易度としてレベルAからレベルCまで設定されています.段階を踏みながら平易に,より深く病理の面白さを実感できることでしょう.

次号予告

あとがき 石河 晃
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 古くから漫画やアニメ,映画には戦闘のためのロボットが描かれてきた.『鉄人28号』,『ガンダム』などが昔の有名どころであるが,これらはいずれも人間が操縦し,ロボット同士が戦うストーリーであった.しかし,もう少し時代を経て,『ロボコップ』,『ターミネーター』,『マトリックス』などでは,人工知能(AI)を持った殺人ロボットが世界を蹂躙し,人類存続の危機が描写されるようになった.これもあくまでフィクションであり,最後には人類は生き残るのであるが,これが現実となる日が少しずつ近づいているようである.先日,殺人ロボットに関する国連会議の模様がテレビニュースに放映されていた.人間が制御しなくても標的を選択・破壊できる兵器に世界中の軍や兵器企業が巨額を投じている.そして,自律的に兵器使用を判断するAIが一度開発されてしまえば,今までにない規模の武力紛争を,人知では理解できないほどの速度で,戦えるようになってしまうことが危惧されている.このような殺人ロボットの開発に規制をかけようとする至極当然の動きに対し,アメリカの代表,ロシアの代表は自軍の兵士の命を守ることができると主張し,強い反対意見を述べていた.軍を統括する者にとっては自国兵の命を守り,敵兵を倒すことが至上の命題であろうが,視野が狭い指導者に身の毛がよだった.2045年にはAIは人の手を離れ,自らプログラミングを改良できるようになるともいわれている.この危険性は原爆の比ではない.もっと先々を見極め,大国が率先して規制をしなければ映画のような危機が本当に訪れるかもしれない.

 医学にとってAIは利用価値がきわめて高く,危険性は従来のhuman errorによるリスクをはるかに下回るであろう.われわれ医学者はAIをどのようにして人類の役に立てることができるか真剣に考えたいものである.

基本情報

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臨床皮膚科
72巻11号 (2018年10月)
電子版ISSN:1882-1324 印刷版ISSN:0021-4973 医学書院

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