Japanese
English
症例報告
3歳児に咬まれて発症したA群β溶連菌によるヒト咬傷の1例
Group A β streptococcal infection in a patient bitten by a 3-year-old child
金城 美江
1
,
植田 郁子
1
,
山﨑 文和
1
,
神戸 直智
1
,
岡本 祐之
1
Yoshie KANESHIRO
1
,
Ikuko UEDA
1
,
Fumikazu YAMAZAKI
1
,
Naotomo KAMBE
1
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
1関西医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Kansai Medical University, Hirakata, Japan
キーワード:
ヒト咬傷
,
蜂窩織炎
,
溶連菌感染症
,
敗血症
,
toxic shock様症候群
Keyword:
ヒト咬傷
,
蜂窩織炎
,
溶連菌感染症
,
敗血症
,
toxic shock様症候群
pp.893-896
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205551
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要約 51歳,女性.勤務先の障害児支援施設の幼児に左肩を咬まれた.受傷部の疼痛が増悪し,受傷後4日目に前医で抗菌薬投与と切開排膿処置を受けたが,翌日改善しないため,紹介され独歩にて受診した.発赤は受傷部から胸部や頸部に拡がっており,膝窩と鼠径部には点状紫斑が見られた.発熱と頻脈,頻呼吸,全身倦怠感を認め,著明な炎症反応の上昇とプロカルシトニン上昇,凝固系異常とともに,肝・腎機能障害もみられ,敗血症を併発していた.抗菌薬と輸液,昇圧剤の投与で徐々に全身状態は改善した.創部からA群β溶連菌が検出された.受傷部の発赤は鎖骨側に拡大したが,追加切開と局所陰圧閉鎖療法で治癒した.ヒト咬傷により蜂窩織炎や化膿性関節炎などの局所感染症を発症することは知られているが,自験例のようなtoxic shock様症候群を発症することもあり,ヒト咬傷においても局所病変の重症化と感染症発症を念頭に置いて対処することが肝要と考えられた.
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