Japanese
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症例報告
メトトレキサート関連リンパ増殖異常症の2例
Two cases of methotrexate-associated lymphoproliferative disorders
中曽根 亜美
1
,
藤本 智子
1
,
三浦 圭子
2
Ami NAKASONE
1
,
Tomoko FUJIMOTO
1
,
Keiko MIURA
2
1都立大塚病院皮膚科
2東京医科歯科大学病理科
1Division of Dermatology, Tokyo Metropolitan Ohtsuka Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo, Japan
キーワード:
メトトレキサート関連リンパ増殖異常症
,
EBウイルス
Keyword:
メトトレキサート関連リンパ増殖異常症
,
EBウイルス
pp.887-892
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205550
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要約 症例1:64歳,男性.半年前から全身に皮下硬結が多発し,当科を受診した.精査にて肺野に腫瘤影を認めた.関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に対して10年のメトトレキサート(MTX)投与歴があった.症例2:68歳,女性.10か月前より,左下腿に境界明瞭な穿掘性で黄色壊死組織を付ける潰瘍を認め,難治であった.RAに対して7年のMTX投与歴があった.両症例とも皮膚病理組織像にて,真皮から皮下脂肪織の血管周囲にBリンパ球の浸潤を認め,EBER ISH陽性であり,MTX関連リンパ増殖異常症と診断した.両症例ともMTX中止後2か月程度で速やかに症状は消退した.RA等でMTXを服用中の患者での多様な皮膚病変に関しては,本疾患の可能性も考慮すべきと考えた.また,治療については,MTX投与中止後に注意深い経過観察を行うことで,不要な化学療法を避けられる.
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