Japanese
English
症例報告
さまざまな組織像を呈し悪性化の徴候がみられたらせん腺腫の1例
A case of spiradenoma showing various histological patterns with possible malignant transformation
福井 智久
1
,
金子 高英
1
,
六戸 大樹
1
,
中野 創
1
,
澤村 大輔
1
Tomohisa FUKUI
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Daiki ROKUNOHE
1
,
Hajime NAKANO
1
,
Daisuke SAWAMURA
1
1弘前大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hirosaki University, Graduated School of Medicine, Hirosaki, Japan
キーワード:
らせん腺腫
,
悪性らせん腺腫
,
two cell pattern
,
汗孔腫
,
p53染色
Keyword:
らせん腺腫
,
悪性らせん腺腫
,
two cell pattern
,
汗孔腫
,
p53染色
pp.869-874
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205547
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要約 57歳,女性.初診の約20年前より,左眉毛外側に皮内結節が出現,初診の半年前より急速に増大してきたため当科を受診した.左眉毛部外側には,圧痛を伴う35×25mm大の淡紫紅色調から常色調の多房性皮膚腫瘤を認めた.病理組織学所見では,典型的ならせん腺腫像とともに,汗孔腫様の所見や,紡錘形細胞への分化がみられ,さらに細胞極性が乱れた部位も観察された.標本を深切りして組織学的に検討した結果,分裂像の増加や核異型性等は目立たず,らせん腺腫と診断した.術後2年経過した現在,再発はみられていない.らせん腺腫は,さまざまな組織所見を呈することがあり,また長年経過したらせん腺腫は悪性化の可能性を考え,組織学的検討を入念に行う必要がある.部分的な検討では見落とすこともあり,腫瘍全体を十分観察して診断し,慎重に術後経過をみていく必要があると考える.
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