Japanese
English
症例報告
腰部に発生した孤発性線維性腫瘍の1例
A case of solitary fibrous tumor on the lower back
野口 絵麻
1
,
村田 哲
1
,
神谷 浩二
1
,
前川 武雄
1
,
小宮根 真弓
1
,
大槻 マミ太郎
1
Ema NOGUCHI
1
,
Satoru MURATA
1
,
Koji KAMIYA
1
,
Takeo MAEKAWA
1
,
Mayumi KOMINE
1
,
Mamitaro OHTSUKI
1
1自治医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Jichi Medical University, Shimotsuke, Japan
キーワード:
孤発性線維性腫瘍
,
STAT6
,
NAB2-STAT6融合遺伝子
Keyword:
孤発性線維性腫瘍
,
STAT6
,
NAB2-STAT6融合遺伝子
pp.875-880
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205548
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要約 35歳,女性.7年前から腰部皮下腫瘍を自覚したが,増大なく放置していた.今回子宮筋腫精査の骨盤部MRI検査で指摘され紹介された.術前画像検査では,境界明瞭だが,深部筋層に一部浸潤が疑われる充実性腫瘍で,内部に豊富で不均一な血流を有し,周囲に側副血行路の発達を認めた.全摘した腫瘍の病理組織学的所見では,紡錘形や卵円形の腫瘍細胞が特定の配列を呈さず,毛細血管を伴って増殖しており,鹿角状分枝血管も散見された.免疫染色でCD34陽性,S100蛋白陰性,さらにSTAT6が腫瘍細胞の核内に陽性で,孤発性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor:SFT)と診断した.SFTは,線維芽細胞・筋線維芽細胞系腫瘍(中間悪性度群)に分類される血流豊富な軟部腫瘍である.SFTの大部分は予後良好だが,稀に再発を繰り返したり転移を生じたりする例もあり,注意深い経過観察が必要である.
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