臨床皮膚科 69巻8号 (2015年7月)

連載 Clinical Exercise・95

Q考えられる疾患は何か? 光戸 勇
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症例

患 者:33歳,男性

主 訴:右下口唇・口角の皮疹

家族歴および既往歴:特記すべき事項なし.

現病歴:7月に舌尖端のびらんと齲歯にて,歯科を受診した.口腔内細菌感染症と診断され,セフポドキシムプロキセチルを,1日200mgを4日間内服した.内服後,右下口唇にびらんと亀裂が出現し,トリアムシノロンアセトニド外用にて治療し,軽快した.同年9月下旬に,再度,口腔内感染症に対してセフジニル150mg/日を4日間内服した.口腔内の症状が軽快しないため,別の歯科にてセフポドキシムプロキセチル200mg/日を4日間内服した.セフポドキシムプロキセチル内服中に,再び右下口唇にびらんと亀裂を生じた.トリアムシノロンアセトニド外用にて治療していたが,頻回に口角の皮疹を生じるため,精査目的に同年10月に当科を受診した.

現 症:右下口唇・口角に暗赤色の色素沈着と鱗屑があった(図1).体幹四肢のほかの部位には同様の皮疹はなかった.

マイオピニオン

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 1. 皮膚科医は,重症薬疹の診断と治療に専門性を大いに発揮しよう!

 生命予後が危惧される,あるいは失明など重篤な後遺症を遺しやすい薬疹はもちろん,発疹が全身の皮膚粘膜に及んで入院治療が必要な程度以上に重篤な薬疹を総じて重症薬疹と呼び,Stevens-Johnson症候群(Stevens-Johnson syndrome:SJS:皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN,Lyell症候群),薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS),多形紅斑型薬疹(erythema multiforme:EM)等が該当する.医薬品副作用被害に対して救済給付を行う医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency:PMDA)の医薬品副作用被害救済制度の平成25年(2013年)度集計では,救済対象となった副作用被害は皮膚科領域の副作用(=重症薬疹)が全体の32%と圧倒的に多く,その内訳はDIHS 23.6%,EM 23.0%,SJS 14.6%,TEN 14.0%であった.平成21年(2009年)度集計では副作用全体の27%が皮膚科領域,内訳はSJS 22.8%,DIHS 19.5%,TEN 19.3%であった.近年PMDAに対する救済申請が増加するなかにあって重症薬疹事例が急増しており,DIHSならびにEMの増加とSJS/TENの相対的減少が目につく.これは多くの皮膚科医が重症薬疹の診断と治療,救済申請用診断書作成に積極的に尽力した結果であり,関係者の一人として誠に喜ばしく思う.

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要約 3か月,男児.出生時から左前腕に米粒大の丘疹が多発し,徐々に増大してきたため当科を紹介され受診した.大豆大の表面に光沢のある淡紅色結節を3個認め,一部にびらん,潰瘍を伴っていた.皮膚生検にて表皮直下から真皮全層にかけてびまん性に組織球様細胞の増殖を認め,泡沫細胞やTouton型巨細胞もみられ,若年性黄色肉芽腫と診断した.その後,皮疹は増大,癒合し,生後10か月時には4.5×5cm大となった.再度生検にて悪性所見を認めず,経過観察したところ,生後12か月頃より縮小傾向となり,3歳時には完全に消退した.若年性黄色肉芽腫では,巨大な腫瘤を形成する場合があるが,自然消退があり,正確な組織診断の上で経過観察が重要である.

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要約 58歳,男性.背部,腹部に痒疹が多発しステロイド外用・抗ヒスタミン薬内服で治療を行ったが,改善しなかった.問診により真鍮の徳利で飲酒を行うようになってから悪化したことが判明し,徳利から溶出したスズによる全身型金属アレルギーを当初疑った.スズを含む17種類の金属について第1回目のパッチテストを実施したがすべて陰性だった.患者は増悪の経緯からスズを原因金属として疑ったため,スズ含有歯科充塡物10本を全抜去したところ3か月後に改善をみた.しかし徳利からのスズの溶出は確認できなかった.再度パッチテストを実施したところ,亜鉛で明らかな陽性を示した.確定診断のため亜鉛内服テストを実施し,内服終了翌日に背部に痒疹が出現した.以上より,亜鉛を含有する歯科金属による全身型金属アレルギーと診断した.亜鉛および他の金属による痒疹型の金属アレルギーの症例の集積が期待される.

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要約 67歳,男性.水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)にてプレドニゾロン内服中に,ステロイド精神病を発症し治療を自己中断した.その後,意識混濁,発熱,全身の皮疹をきたし,受診した.初診時,両手背,背部にびらん,臀部から下肢に紅暈を伴う壊死組織を付する潰瘍が多発し,体表面積の約20%を占めた.抗生剤投与で全身状態は速やかに改善したが,全身に緊満性水疱が出現した.水疱の病理組織では表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法では表皮基底膜部にC3の線状沈着がみられた.潰瘍部の細菌培養検査が陽性であったことから,二次的な細菌感染の合併により潰瘍化したBPと診断した.精神疾患を合併した患者は皮膚感染症をきたすリスクが高く,BPの皮疹が二次感染により潰瘍化し,壊疽性膿瘡様の臨床像を呈することがある.

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要約 52歳,男性.1998年,約20年前から存在する右陰囊部の潰瘍を主訴に当科を受診した.以降,2007年まで断続的に通院し,プレドニゾロン最大30mg/日の内服による潰瘍の縮小と中止による再燃を繰り返していたが,2007年以降,当科通院は途絶えていた.2010年,潰瘍が左鼠径部から会陰部,臀部へ拡大したため再診した.潰瘍は広範で,陰囊,睾丸,尿道海綿体は欠損し,本来と異なる部位で尿道が開口していた.皮膚病理組織上,真皮全層にわたり好中球を中心とした細胞浸潤を認め,臨床像ならびに過去のステロイド奏効歴と総合し,壊疽性膿皮症と診断した.ステロイドパルス療法,プレドニゾロン60mg/日全身投与を行ったが改善に乏しく,シクロスポリン150mg/日などを併用したところ,潰瘍は縮小した.壊疽性膿皮症は下腿に発生することが多く,外陰部に発症し,陰囊,睾丸が脱落しているものは非常に稀な例といえる.

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要約 3歳,男児.出生後間もなく出現した左大腿部の血管腫に対しレーザー治療を施行後,同部位に掻痒を伴う皮疹が出現し,徐々に臀部両側に拡大した.さらに,左足関節部を虫に刺され掻破を繰り返していたところ,左膝窩まで皮疹が拡大し,ステロイド外用を継続したが改善しなかった.皮疹は強い掻痒を伴い,鱗屑を付着する淡褐色から淡紅色の丘疹が融合して局面を形成し,Blaschko線に沿って線状に配列した.臨床所見,病理組織学的所見と治療歴より炎症性線状疣贅状表皮母斑と診断した.自験例では皮疹の新生,拡大にレーザー照射,虫刺症,掻破行為という外的刺激が関与していた.外的刺激によって皮疹の新生や拡大,合併症の出現がないか注意深い経過観察が必要である.

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要約 14歳,男児.出生時の臀部は正常であったが,3歳頃より尾骨部に常色の隆起が出現した.疼痛や拡大傾向はなかったため放置していたが,12歳頃から急に増大し,自転車に跨ることが困難となり,整容的にも目立つようになったため当院を受診した.初診時,仙骨部下端〜尾骨部に8×3cm,淡紅色で弾性硬のドーム状に隆起した可動性不良の結節を認めた.MRIで尾骨の前方屈曲変形があったが,脊髄との連続病変や腫瘍性病変はなく,結節部はT2強調画像で境界不明瞭な低信号領域であり線維性病変を疑った.全身麻酔下に結節を仙骨直上で単純切除した.病理組織では角質増殖と軽度の表皮肥厚,真皮膠原線維の著明な増生と島嶼状の脂肪組織の混在を認めcoccygeal padと診断した.切除術施行後,半年経過したが再発はない.Coccygeal padは正式な名称が確立しておらず,人尾と酷似するため誤診される症例もあると考えた.

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要約 63歳,女性.2013年1月より性器出血を自覚し,近医を受診し,外尿道口の紅色腫瘤と腟,小陰唇の黒色斑を指摘された.組織診で悪性黒色腫と診断され,腫瘍は尿道へ浸潤していた.粘膜側,皮膚側とも黒色斑より2cm離し腫瘍を摘出,膀胱瘻を造設し,両側浅鼠径リンパ節郭清を行った.pT4bN2bM0 stage Ⅲcと診断,DAC-Feron療法を行ったが術後4か月後に骨盤内リンパ節,仙腸骨関節転移,腟壁再発が出現した.腟腫瘍から多量の出血を認め,動脈塞栓術を2回施行した.骨盤リンパ節が巨大な腫瘤を形成,子宮穿孔からの腹膜炎で術後6か月に死亡した.当科では現在までに自験例を含め4例の女性外陰悪性黒色腫を経験しているが,4例中3例でtumor thicknessが3mmを超え,2例に初診時,1例で腫瘍全摘出術後に鼠径リンパ節転移を認めた.女性外陰悪性黒色腫は進行した状態で発見されることが多く,予後不良であると考えた.

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要約 57歳,女性.健康診断で肝機能障害を指摘され近医でCTを施行され多発性子宮筋腫とのことで別の近医消化器内科と婦人科に紹介された.婦人科診察時に恥丘部腫瘤を指摘され当科を紹介され受診した.恥丘部に2.5mm大のドーム状に隆起する弾性硬皮膚腫瘍を認めた.病理組織学的に真皮から皮下組織に結節を形成し,腫瘍細胞は円形で小型の偏在性の核を有する胞体の大きな細胞で多数の淡好酸性の顆粒を有していた.核には分裂像や異型性はなかった.免疫組織化学染色でneuron specific enolase,S100蛋白,ビメンチン,カルレチニンが細胞内顆粒に陽性で,MIB-1 indexは5%以下だった.電顕像では腫瘍細胞の胞体内に顆粒が充満していた.術後21か月経過するが再発所見はない.外陰部顆粒細胞腫は比較的稀である.本腫瘍は再発例や遠隔転移例も散見されることより長期にわたる経過観察が必要である.

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要約 75歳,女性.1年半前より頭部に毛囊炎様皮疹が出現,増数・拡大して脱毛性の褐色局面を形成した.顔面には褐色結節が多発し,体幹には強い掻痒を伴う毛孔性丘疹が出現した.病理組織像で毛包破壊性に小型〜中型でくびれ状の核を持つリンパ球と,大型で淡明な核を持つリンパ球が浸潤してCD3(+),CD4(−),CD30(+)を示した.臨床および病理組織像から毛包向性菌状息肉症(folliculotropic mycosis fungoides:FMF),T3N0M0 Stage ⅡBと診断,large cell transformationを伴うと考えた.治療は,局所電子線照射を頭部に施行して寛解を10か月間維持し,体幹にはPUVA療法を継続し毛孔性丘疹が散在する程度にとどまっている.FMFは菌状息肉症の亜型で,腫瘍細胞が毛包に沿って深部へ浸潤するため進行が早い.治療が確立されておらず治癒は困難だが,電子線照射は有効である.自験例の臨床像,病理組織像,およびPUVA療法と電子線照射の効果について文献的考察を加えて報告する.

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要約 55歳,男性.初診3か月前より右下歯肉頰粘膜移行部に潰瘍,右顎下に腫瘤が出現し,徐々に増大した.歯根囊胞もあり,外歯瘻を疑ったが瘻孔は認めず,歯科治療後も改善がなかった.病理組織では真皮全層に稠密なリンパ球浸潤を認め,これらの細胞はCD3cy(+),CD20(−),CD56(+),TIA-1(+),Granzyme B(+)であった.EBER ISHは陽性で,組織検体のサザンブロット法を用いたEBウイルスターミナルリピートの解析で単一のバンドが示された.以上より,節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型と診断した.RT-2/3DeVIC療法を行ったが再発し,セカンドラインとして施行したSMILE療法中に多臓器不全を起こし永眠した.NK/T細胞リンパ腫の皮膚病変はその稀有性と多彩な臨床像から診断に苦慮する例が多い.臨床亜型に留意することが早期診断に重要である.

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要約 43歳,女性.初診の2週間前から,左下腿前面に虫刺症様の皮疹が出現し,徐々に拡大した.初診時,左下腿前面に5cm大の辺縁が蚕食状で穿掘性の皮膚潰瘍を認めた.病理組織学的には真皮内への夥しい好中球の浸潤がみられ,臨床所見と併せ壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)と診断した.採血で免疫グロブリンの異常が判明したため血液内科と連携し検索を進めた.骨髄穿刺で骨髄腫細胞の増加があり,骨髄液を用いたFISH法で13qの部分欠失が認められ,さらに免疫固定法で尿・血清のいずれにおいてもIgA-κ型のM蛋白が検出され,IgA-κ型の無症候性多発性骨髄腫と診断された.PGの治療にはプレドニゾロン1mg/kg/日とシクロスポリン3mg/kg/日を用いた.その結果潰瘍の拡大は停止し,その後緩徐な経過で上皮化してきている.自験例ではPGの存在が無症候性の多発性骨髄腫の発見につながった.PGの診断はその背景にある疾患の早期診断につながる可能性があり,その面でも皮膚科医の役割は大きい.

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要約 51歳,男性.IgGλ型多発性骨髄腫にて当院血液内科加療中であった.2011年10月末より右胸部に可動性不良,弾性硬の皮下腫瘤が出現した.皮膚生検を施行し,HE染色にて大型の形質細胞様細胞の皮下組織内へのびまん性増殖を認め,免疫染色にて腫瘍細胞はCD38(+),CD20(+),CD79(−),λ(+)であった.骨髄の病理組織像ではHE染色にて異型細胞がびまん性に浸潤,増生しており,免疫染色にて腫瘍細胞はCD20(+),CD38(+),CD79(−),λ(+)を呈した.また胸部CT画像にて右肋骨弓部に軟部腫瘤を認めた.病理組織像,画像所見より多発性骨髄腫の皮膚浸潤と診断した.その後,Rd(レナリドミド,デキサメタゾン)療法を中心とした化学療法を施行し皮下腫瘤は消失した.多発性骨髄腫の皮膚浸潤は予後不良とされるが,皮膚病変が縮小や消失した場合は良好な予後につながる可能性が示唆された.

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要約 42歳,女性.右側頭部に1cm大の可動性不良な皮下結節を形成し,切除目的に帽状腱膜を切開したところ,内部から12cm長の白色糸状虫が排出された.虫の形態,患者血清中の抗体価および虫体の遺伝子解析でイヌ糸状虫の1種であるDirofilaria repensと同定した.イヌ糸状虫はイヌを固有宿主とし,蚊に媒介される寄生虫で,代表的な2種は皮下に結節を形成するD. repensと,右心室や肺動脈に寄生するD. immitisである.ヒトにも稀に感染するが十分に成熟しえず,D. repensでは幼虫爬行症や皮下結節を生じ,D. immitisでは肺動脈末梢に異物肉芽腫を形成する.自験例のようなD. repensは本邦には分布せず,ヒト感染の報告は過去に2例のみである.虫の遺伝子配列がイタリアの報告例と100%一致したため,西欧渡航時の感染も考えられた.D. repensによる皮下結節の治療は外科的切除である.皮下結節の鑑別の1つとなり,報告する.

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要約 症例1:7歳,女児.左鼠径部の腫脹・疼痛を主訴に当科を紹介され受診し,画像にて充実成分と囊胞成分が混在するリンパ節腫脹を認めた.内用液を穿刺・培養したが細菌・真菌ともに陰性であった.クラリスロマイシン投与でリンパ節腫脹は速やかに改善を認めた.症例2:32歳,症例1の母.症例1が受診する1か月前に左鼠径リンパ節腫大の既往あり,近医にてセフジトレンの内服で軽快した.さらに詳細な問診をとると,ネコを屋内で数匹飼っており,親子ともに日常的に猫にひっかかれる環境で暮らしていたことから,ネコひっかき病を疑った.Bartonella henselae血清抗体検査では,IgG,IgMともに高値であり,同時期に発症したネコひっかき病の親子例であると確定診断した.B. henselaeは細菌培養検査が難しく,詳細な問診とともに血清抗体を検出することによって確定診断に導けると再確認した.

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欧文目次

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 眼皮膚白皮症(oculocutaneous albinism:OCA)は常染色体劣性の遺伝性疾患で,メラニンの低下および消失による出生時からの皮膚,眼,体毛の色素欠乏を呈し,日光過敏症や皮膚癌および眼疾患を合併して発症する.

 OCAは単純型と症候群型に分けられ,単純型OCAは4つの原因遺伝子(TYROCA2TYRP1SLC45A2)に生じた変異で大別され,これらはすべてメラニン合成過程に関与する酵素やメラノソームへの輸送関連蛋白をコードしているためOCA患者は色素量の欠乏を起こす.症候群型には出血傾向を示すHermansky-Pudlak症候群や免疫不全を伴うChèdiak-Higashi症候群およびGriscelli症候群が知られている.

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 Systemic lupus erythematosus(SLE)のおよそ20%が20代までに発症し,成人と比較して重症かつ急速に増悪する可能性があるといわれる.Discoid lupus erythematosus(DLE)はSLE発症のリスク因子として知られるが,小児におけるリスクはいまだ解明されていない.そこで,臨床所見および血清学的所見よりSLE発症に起因する潜在的リスクを解明し,SLEを発症した患児に特異的な臨床的特徴を検証することを目的とした研究が行われた.

 現在までに報告される中では最大規模の研究である,小児発症DLEが40症例集積された.最終的に38%の患者がDLEとSLEを合併もしくは経過中に併発し,全例がDLE診断確定より3年以内にSLE発症に至っている.特にDLE確定診断より1年以内に高いリスクを認めた.これらの症例は,対照群のSLE単独例と比較して,日光過敏症を呈する確率が有意に高く,重篤な臓器障害は比較的稀であった.またDLEを合併した小児SLE患者は中等度の全身症状に留まることが示唆されたが,小児発症DLEとSLEの関連を明らかにするためにはさらなる症例の集積が必要であるとしている.

次号予告

あとがき 戸倉 新樹 , 渡辺 晋一
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 『臨床皮膚科』はもちろん日本語による国内誌であり,冊子体(ハードコピー)を発行して読者に購読してもらい,著者からは投稿料を取ることなく,世に出している.読者の中にはこれは当たり前のことだと思われる方もかなりいらっしゃるだろう.しかし,ハードコピーと購読料という2つのキーワードを堅持して雑誌を刊行するのは,国際的には崩れてきている.国際誌(すべてが一流雑誌という訳ではない)の中には,electric publication(e-pub)と言って電子媒体のみで刊行する雑誌も猛烈な勢いで増えており,これをonline journalと呼ぶ.Online journalの中には読者から料金を取らずに自由に閲覧できる雑誌があり,この出版態様をopen accessと呼称する.すなわちe-pubを導入したonline journalは,open accessとなる宿命を負っていると言っていい.いくら何らかの制限を設けたとしても,オンライン化したものはあらゆる手を使ってただで見られる運命にある.したがってオンライン化した論文は,読者ではなく,著者が刊行費を払うことになる.その代わり著者は版権を得ることになり,自由に自分の論文をネットで流したり,レポジトリに加えたり,他の研究者に謹呈したりすることができる.通常の長さの英文論文ならe-pubとして発刊するために,25〜30万円かかることになり,これがonline journalへの投稿料に相当している.昨今,症例報告を載せるonline journalが増えてきており,症例報告に約20万円かかるのは吃驚するが,こうした事情による.日本語の雑誌もオンライン化されるかは読者次第であるが,寝ながら『臨床皮膚科』を広げて読む読者層もいることは間違いなく,寝ながら電子機器の画面を見るより絵になっている.

基本情報

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臨床皮膚科
69巻8号 (2015年7月)
電子版ISSN:1882-1324 印刷版ISSN:0021-4973 医学書院

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