Japanese
English
症例報告
皮膚浸潤を認めた多発性骨髄腫の1例
A case of multiple myeloma with infiltration of the skin
井上 剛
1
,
渡部 大輔
1
,
高橋 和宏
1
,
赤坂 俊英
1
,
佐藤 孝
2
Tsuyoshi INOUE
1
,
Daisuke WATABE
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Toshihide AKASAKA
1
,
Takashi SATO
2
1岩手医科大学皮膚科学教室
2岩手医科大学病理学講座病理病態学部門
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
2Department of Pathology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
キーワード:
多発性骨髄腫
,
皮膚浸潤
,
皮膚転移
,
特異疹
Keyword:
多発性骨髄腫
,
皮膚浸潤
,
皮膚転移
,
特異疹
pp.599-603
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204508
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要約 51歳,男性.IgGλ型多発性骨髄腫にて当院血液内科加療中であった.2011年10月末より右胸部に可動性不良,弾性硬の皮下腫瘤が出現した.皮膚生検を施行し,HE染色にて大型の形質細胞様細胞の皮下組織内へのびまん性増殖を認め,免疫染色にて腫瘍細胞はCD38(+),CD20(+),CD79(−),λ(+)であった.骨髄の病理組織像ではHE染色にて異型細胞がびまん性に浸潤,増生しており,免疫染色にて腫瘍細胞はCD20(+),CD38(+),CD79(−),λ(+)を呈した.また胸部CT画像にて右肋骨弓部に軟部腫瘤を認めた.病理組織像,画像所見より多発性骨髄腫の皮膚浸潤と診断した.その後,Rd(レナリドミド,デキサメタゾン)療法を中心とした化学療法を施行し皮下腫瘤は消失した.多発性骨髄腫の皮膚浸潤は予後不良とされるが,皮膚病変が縮小や消失した場合は良好な予後につながる可能性が示唆された.
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