Japanese
English
症例報告
Bartonella henselae血清抗体検査で確定診断したネコひっかき病の親子例
Mother and daughter cases of cat scratch disease diagnosed with positive serum anti-Bartonella henselae antibody
斎藤 奈津子
1
,
川上 千佳
1
,
椋本 祥子
1
,
小林 美和
2
,
中村 元信
2
Natsuko SAITO
1
,
Chika KAWAKAMI
1
,
Shoko MUKUMOTO
1
,
Miwa KOBAYASHI
2
,
Motonobu NAKAMURA
2
1九州労災病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Kyusyu Rosai Hospital, Kitakyushu, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kita-kyushu, Japan
キーワード:
ネコひっかき病
,
人獣共通感染症
Keyword:
ネコひっかき病
,
人獣共通感染症
pp.609-612
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204510
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 症例1:7歳,女児.左鼠径部の腫脹・疼痛を主訴に当科を紹介され受診し,画像にて充実成分と囊胞成分が混在するリンパ節腫脹を認めた.内用液を穿刺・培養したが細菌・真菌ともに陰性であった.クラリスロマイシン投与でリンパ節腫脹は速やかに改善を認めた.症例2:32歳,症例1の母.症例1が受診する1か月前に左鼠径リンパ節腫大の既往あり,近医にてセフジトレンの内服で軽快した.さらに詳細な問診をとると,ネコを屋内で数匹飼っており,親子ともに日常的に猫にひっかかれる環境で暮らしていたことから,ネコひっかき病を疑った.Bartonella henselae血清抗体検査では,IgG,IgMともに高値であり,同時期に発症したネコひっかき病の親子例であると確定診断した.B. henselaeは細菌培養検査が難しく,詳細な問診とともに血清抗体を検出することによって確定診断に導けると再確認した.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.