Japanese
English
症例報告
外陰部に生じた壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum on the genitalia
塩野谷 愛香
1
,
菊地 一博
2
,
平田 悠
3
,
中村 裕之
1
Aika SHIONOYA
1
,
Kazuhiro KIKUCHI
2
,
Yu HIRATA
3
,
Hiroyuki NAKAMURA
1
1市立釧路総合病院皮膚科
2JR札幌病院皮膚科
3北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
1Division of Dermatology, Kushiro City General Hospital, Kushiro, Japan
2Division of Dermatology, JR Sapporo Hospital, Sapporo, Japan
3Department of Dermatology, Hokkaido University Graduate School of Medicine, Sapporo, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
外陰部
,
シクロスポリン
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
外陰部
,
シクロスポリン
pp.560-564
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204498
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要約 52歳,男性.1998年,約20年前から存在する右陰囊部の潰瘍を主訴に当科を受診した.以降,2007年まで断続的に通院し,プレドニゾロン最大30mg/日の内服による潰瘍の縮小と中止による再燃を繰り返していたが,2007年以降,当科通院は途絶えていた.2010年,潰瘍が左鼠径部から会陰部,臀部へ拡大したため再診した.潰瘍は広範で,陰囊,睾丸,尿道海綿体は欠損し,本来と異なる部位で尿道が開口していた.皮膚病理組織上,真皮全層にわたり好中球を中心とした細胞浸潤を認め,臨床像ならびに過去のステロイド奏効歴と総合し,壊疽性膿皮症と診断した.ステロイドパルス療法,プレドニゾロン60mg/日全身投与を行ったが改善に乏しく,シクロスポリン150mg/日などを併用したところ,潰瘍は縮小した.壊疽性膿皮症は下腿に発生することが多く,外陰部に発症し,陰囊,睾丸が脱落しているものは非常に稀な例といえる.
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