Japanese
English
症例報告
外歯瘻様の臨床像を呈した節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型の1例
A case of extranodular NK/T cell lymphoma, nasal type with skin manifestation mimicking external dental fistula
江上 将平
1
,
野村 尚志
1
,
笠井 弘子
1
,
横山 知明
1
,
杉浦 丹
1
,
吉田 喬
2
Shohei EGAMI
1
,
Hisashi NOMURA
1
,
Hiroko KASAI
1
,
Tomoaki YOKOYAMA
1
,
Makoto SUGIURA
1
,
Takashi YOSHIDA
2
1静岡市立清水病院皮膚科
2静岡市立清水病院血液内科
1Division of Dermatology, Shizuoka Municipal Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan
2Division of Hematology, Shizuoka Municipal Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
節外性NK/T細胞リンパ腫
,
EBウイルス
,
外歯瘻
Keyword:
節外性NK/T細胞リンパ腫
,
EBウイルス
,
外歯瘻
pp.589-593
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204506
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要約 55歳,男性.初診3か月前より右下歯肉頰粘膜移行部に潰瘍,右顎下に腫瘤が出現し,徐々に増大した.歯根囊胞もあり,外歯瘻を疑ったが瘻孔は認めず,歯科治療後も改善がなかった.病理組織では真皮全層に稠密なリンパ球浸潤を認め,これらの細胞はCD3cy(+),CD20(−),CD56(+),TIA-1(+),Granzyme B(+)であった.EBER ISHは陽性で,組織検体のサザンブロット法を用いたEBウイルスターミナルリピートの解析で単一のバンドが示された.以上より,節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型と診断した.RT-2/3DeVIC療法を行ったが再発し,セカンドラインとして施行したSMILE療法中に多臓器不全を起こし永眠した.NK/T細胞リンパ腫の皮膚病変はその稀有性と多彩な臨床像から診断に苦慮する例が多い.臨床亜型に留意することが早期診断に重要である.
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