Japanese
English
症例報告
二次性細菌感染により壊疽性膿瘡様皮疹を呈した水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid with ecthyma-gangrenosum-like appearance caused by secondary bacterial infection
田中 諒
1
,
福田 桂太郎
1
,
平井 郁子
1
,
舩越 建
1
,
髙江 雄二郎
1
,
天谷 雅行
1
,
田中 勝
2
Ryo TANAKA
1
,
Keitaro FUKUDA
1
,
Ikuko HIRAI
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Yujiro TAKAE
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Masaru TANAKA
2
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2東京女子医科大学東医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Medical Center East, Tokyo, Japan
キーワード:
壊疽性膿瘡
,
潰瘍
,
水疱性類天疱瘡
,
二次感染
,
精神病
Keyword:
壊疽性膿瘡
,
潰瘍
,
水疱性類天疱瘡
,
二次感染
,
精神病
pp.554-559
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204497
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要約 67歳,男性.水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)にてプレドニゾロン内服中に,ステロイド精神病を発症し治療を自己中断した.その後,意識混濁,発熱,全身の皮疹をきたし,受診した.初診時,両手背,背部にびらん,臀部から下肢に紅暈を伴う壊死組織を付する潰瘍が多発し,体表面積の約20%を占めた.抗生剤投与で全身状態は速やかに改善したが,全身に緊満性水疱が出現した.水疱の病理組織では表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法では表皮基底膜部にC3の線状沈着がみられた.潰瘍部の細菌培養検査が陽性であったことから,二次的な細菌感染の合併により潰瘍化したBPと診断した.精神疾患を合併した患者は皮膚感染症をきたすリスクが高く,BPの皮疹が二次感染により潰瘍化し,壊疽性膿瘡様の臨床像を呈することがある.
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