Japanese
English
症例報告
持続性紅斑の病理組織学的所見から診断した成人Still病の1例
A case of adult-onset Still's disease diagnosed based on the histopathological findings of persistent erythema
執行 延明
1
,
安食 さえ子
1
,
栁澤 健二
1
,
髙橋 博之
1
Nobuaki SHIGYO
1
,
Saeko AJIKI
1
,
Kenji YANAGISAWA
1
,
Hiroyuki TAKAHASHI
1
1JA北海道厚生連札幌厚生病院皮膚科
1Division of Dermatology, Sapporo-Kosei General Hospital, Sapporo, Japan
キーワード:
サーモンピンク疹
,
リウマトイド疹
,
scratch dermatitis
,
表皮角化細胞壊死
Keyword:
サーモンピンク疹
,
リウマトイド疹
,
scratch dermatitis
,
表皮角化細胞壊死
pp.285-288
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207239
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要約 70歳台,男性,高熱により近医クリニックを受診し感冒の診断で抗菌薬を処方されたが症状の改善がなかった.数日後に体動困難とショックバイタルを呈したため近医に救急搬送された.サイトカインストーム,マクロファージ活性化による多臓器不全を疑ったためステロイドパルス療法を行い,ショックバイタルからは脱した.採血にてフェリチンの高値を認めたため成人Still病を疑った.背部にびまん性の紅斑と掻破に一致するような暗赤色の線状紅斑と落屑を認め皮膚生検を行ったところ,成人Still病の持続性紅斑に特徴的な表皮角化細胞壊死を認めたため成人Still病と診断した.その後プレドニゾロンやタクロリムス,トシリズマブの全身投与など行うも効果に乏しく,入院から3か月後に死亡した.成人Still病では特異的所見が乏しいことが多く,診断に苦慮することが多い.成人Still病における持続性紅斑では病理組織に特徴的な所見を認めるため,皮膚生検を積極的に行うことが好ましい.
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