保健師ジャーナル 73巻7号 (2017年7月)

特集 住民の声をどう施策へつなげるか—質的データを活用する工夫

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実情に沿った地域の健康課題を把握するためには,統計資料等の量的データだけでなく,住民の声や生活環境といった質的データの活用が重要である。本特集では,質的データ活用の意義を知るとともに,日頃の保健師活動から把握した住民の声などの質的データをどのように活用して保健事業や施策に結び付けていくのか,実践例を交えながら考える。

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地域アセスメントや施策化において質的データはどのように活用できるのか。質的データと量的データそれぞれの特性を踏まえたうえ,保健活動における質的データ活用の意義について述べる。

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見聞きした住民の声から,その問題解決のために事業化・施策化が必要と判断される場合,支援記録を質的データとして分析し,根拠として活用することが重要である。質的データを収集・活用して施策化(事業創出)へつなげる方策について紹介する。

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家庭訪問をより活用するために,「地域」の持つ意味や,家庭訪問によって見出される地域の生活情報,課題,強みについて述べる。さらに,家庭訪問で得られたそれらの質的データを組織内外の関係者と共有しつつ,保健活動を検討する方法を紹介する。

質的データ活用の実際

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住民の声などの質的データを施策や事業立案の際に,どのように活用すればよいのか。乳児を持つ父親に対する事業を例に,課題の意識化からアセスメントや質的データの分析を経て,事業を立案するまでの実践例を紹介する。

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地域の情報を収集し抽出された課題に取り組む際に,キーパーソンとなる人や集団と協働することは大きな力となる。コミュニティ・アセスメントの視点から「人」という資源に注目し,そこから得た質的データを生かして地域の防災力強化に取り組む住民主体の活動につなげた経験を報告する。

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地域特性や対象を焦点化した保健事業計画の策定には,質的データの活用が重要となる。質的データの収集方法や活用について,実際の取り組み事例をあげながら紹介していく。

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岐阜市の概要

 岐阜市(以下,本市)は岐阜県南部に位置する中核市(図1)で,面積は203.60km2を有する。市内中心部には清流,長良川が流れ,緑豊かな金華山がそびえる。また,1300年以上の歴史を誇る“ぎふ長良川鵜飼”や,国史跡“岐阜城跡”など,歴史のまちとしても知られる。

 2017(平成29)年4月1日現在の人口は41万2254人,17万7102世帯,高齢化率27.71%,年少人口12.76%と高齢化が進行し,出生数は3184人(2015〔平成27〕年)であり,減少傾向となっている。

岐阜市は,2008(平成20)年に「岐阜市総合計画ぎふ躍動プラン・21」を策定し,基本理念の1つを「健康立市」とした。誰もが健康で幸せになれるまち,「健康(幸)都市」を目指す上で,ライフステージごとの施策として働く世代の健康づくりは必須と考えた。その方策として,2015(平成27)年度に体験型食事診断教材(SAT)を導入し,企業の実情に合わせた食育を実施した。2年間にわたるその取り組みを紹介する。

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はじめに

 看護学生の過密なスケジュールの中で,全ての学生の「地域を捉える目を養う」ためにどのような実践が考えられるだろうか。また,限られた時間の中で最大限の効果を得るための工夫はなにか。

 このような着眼のもと,筆者らはA大学の看護学部において本稿で紹介する演習科目(以下,本科目)を展開した。試行錯誤の末,教育効果が非常に高いと思われる結果を得た。この方法は,全ての看護学生に対し短期間で実践可能で,看護系大学に向けて提案できるだけでなく,保健所・保健センターで保健師教育課程の実習に携わる実習担当保健師にとっても,指導上の具体的なヒントを提供できると思われる。

 保健師教育課程の実習では,地域診断から地域の課題を見いだすプロセスとともに,地域で暮らす生活者としての住民をいかに捉えるかが実習での学びの深さに関わってくる。本稿では科目の企画意図を基に,実践,評価までの具体的なプロセスとともに,実習指導への生かし方についても紹介する。

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・49

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 「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」が,2016年3月に厚生労働省から発出されているのはご存じだと思います(『保健師ジャーナル』2016年10月号でも特集されました)。保健師のキャリア形成プロセスが,年数ではなく能力で示されたこと,さらに専門能力と管理能力が複線のキャリアラダーとして明示されたことは,少なくとも保健師が行政組織内で保健医療スタッフの一員としてどのように役立つのか,あるいは管理者として役立つための育ちをどのように進めていくかを,事務官等,組織に理解してもらう方策としても意義のあることでした。

 昨年度から,既存の人材育成計画等の見直しと並行して,キャリラダーの導入について検討を開始しているいくつかの自治体の取り組みを伺っています。この検討は人事担当者の理解や協力も得ながら進められているようです。示した能力とその獲得手段,つまり職場内外の研修やジョブローテーションなどと連動させることで,人事担当者から「分かりやすい」と評価されたとの声もあるようです。一方で,議論を重ねていくうちに,達成したい能力は理解できても,その能力を「誰が,何を尺度に,どう評価するのか」など具体的な事項についての疑問が湧き始め,特に,評価基準の必要性が切実になることも伺っています。

連載 統括保健師の日々・18

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 2015(平成27)年に統括保健師となり,その後の活動の道標となったのが,日本看護協会が開発した「平成27年度統括保健師人材育成プログラム」でした。このプログラムの目標は,①統括保健師の機能を理解し,その説明ができる,②統括保健師としての意識が高まる,③統括保健師としての役割・機能を発揮できる,④組織の中で統括保健師としての位置付けを確保できる,の4つです。その目標に向かい,表の流れで学習や研修,実践を行いました。

 このプログラムの研修では,知識の習得はもちろんのこと,ワークシートの作成を通じて実践的に学ぶことができました。例えば「組織を見える化シート」で保健師の分散配置の状況を図式化し,「課題の焦点化シート」で役割・機能の発揮に向け,できていることやできていないこと,その原因,取り組んでいきたいことを一表にまとめたことで,実践上の課題を整理できました。「行動計画シート」では,課題からあるべき姿,行動計画,評価指標,できたこと,その促進要因をまとめました。いずれも,実践しながらの作業で,困ったことがあれば「メール相談」もできました。課題提出の期日が迫る中,必死に課題に取り組むと同時に,悩みながらも着実に実践ができていました。

連載 事例を通して学ぶ 悩める妊婦の相談対応・4

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 連載の第2回(5月号)で,悩める妊婦の9タイプ別分類を紹介しました。第3回(6月号)からはそのタイプ別に,以下の点を踏まえながらケーススタディをまとめています。

●実際にマイクロ技法を用いることで相談対応がどのように展開していくかを示すために,マイクロ技法階層表の11段階(次頁の表)に当てはまる個所に階層番号を付けました。

●まずは「相談力アップのポイント」を念頭に置いてケーススタディを読んでみてください。その後に「対応上の注意点」「質的調査結果から見える支援の実態」をまとめています。これらを併せて読むことで,相談を受ける側が技量を向上させることができるでしょう。

連載 ニュースウォーク・230

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 近ごろ,テレビのニュース番組ではBSフジの「プライムニュース」(月〜金曜日午後8時から)をよく見る。タイムリーな問題をゲスト出演した当事者,関係者が語り,反町理キャスターがさばく。番組の何周年かの記念パーティーで挨拶した安倍首相が「こうした良質な番組が地上波にもあれば……」と軽口をたたいたことがある。番組が良質か?はともかく,生の声がたっぷり聴けるのがおもしろい。

 5月10日の番組のテーマは「小池知事の胸中に迫る」で,小池百合子東京都知事が生出演した。喫緊の課題である築地市場移転問題を中心に展開したが,話題が東京オリンピック・パラリンピックから都議選に及んだとき“びっくり発言”が飛び出した。

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History and Now

どのような機関なのでしょう?

 本学は,経済学部,生物資源学部,海洋生物学部,看護福祉学部の4学部6学科と,学術教養センター,地域経済研究所,恐竜学研究所からなる地域に根ざした公立総合大学です。看護学科は,1975(昭和50)年開学の県立短期大学を改組し,1999(平成11)年に開設され,看護師,保健師,養護教諭一種の資格取得が可能です。2003(平成15)年には,大学院看護福祉学研究科(修士課程)が開設されています。保健師教育は,短期大学専攻科時代を含めると33年間の歴史を有し,多くの保健師を輩出しています。

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 健康格差はどの地域にも存在し,その格差縮小のためには今までのポピュレーションアプローチ,ハイリスクアプローチでは限界があることは,ご存じだろうか。

 健康格差の縮小は,健康寿命の延伸とともに健康日本21(第2次)で国の目標に掲げられ,昨年はビジネス誌「週刊東洋経済」の特集やNHKスペシャル(2016年9月19日初回放送)でも取り上げられ,いよいよその気運は高まってきた。

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次号予告・編集後記

基本情報

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保健師ジャーナル
73巻7号 (2017年7月)
電子版ISSN:1882-1413 印刷版ISSN:1348-8333 医学書院

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